オケラ (植物)

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オケラ
オケラ Atractylodes japonica.JPG
オケラ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
: オケラ属 Atractylodes
: オケラ A. japonica
学名
Atractylodes japonica
和名
オケラ(朮)

オケラ(朮、Atractylodes japonica)はキク科オケラ属多年草。近縁種とともに生薬として用いられる。また若芽を山菜として食用にもする。古名はウケラ。

特徴[編集]

高さは50〜100cm。は茎の下部では奇数羽状複葉になる。花序の下側につく苞葉も羽状。

は白〜ごくうすい紅色で、アザミに似て筒状花だけの房状の頭状花序となる。雄しべと雌しべの両方を持つ両性の株と、雌しべだけが機能する雌株がある[1]。花期は9~10月頃。

分布[編集]

本州、四国、九州、朝鮮半島、中国東北部。明るい林の中や林縁によく生える[1]

人間との関わり[編集]

8世紀に編まれた『万葉集』に、武蔵野の「うけら」の花を詠んだ歌がある[2]

刻んで焚くと、疫病よけになると信じられた[1]。京都八坂神社では、正月に白朮を焚く白朮祭(をけらさい)が行われる。

生薬[編集]

オケラ属の本種と近縁種の根茎は、古くから朮(じゅつ)という生薬として利用された。中国原産で栽培されるものにオオバナオケラ A. ovataホソバオケラ A. lancea などがある。

本種またはオオバナオケラの根茎は白朮(ビャクジュツ)と称する生薬である(日本薬局方による定義)。基原により白朮を区別する場合は、本種のものを和白朮、オオバナオケラのものを唐白朮という。

白朮はアトラクチロンなどの精油成分を含み、健胃を目的として用いられることもある。四君子湯、健脾湯などの漢方方剤に使われる。また屠蘇散にも白朮が用いられる。

なお、古くはホソバオケラなどの根茎(現在の蒼朮(ソウジュツ))の皮を剥いだものを白朮とも称しており、漢方古典でいう「白朮」と現在の白朮とは別のものを指すことがある。

脚注[編集]

  1. ^ a b c 横井政人「オケラ」1-22頁。
  2. ^ 巻14、3376番。「恋しけば 袖も振らむを 武蔵野の うけらが花の 色に出ずあらむ」。佐佐木信綱『新訓万葉集』下巻(岩波文庫)、1927年、116頁により、区切り・字体を改めた。

参考文献[編集]

  • 横井政人「オケラ」、『週刊朝日百科植物の世界』1(ヒゴタイ オケラ ベニバナ)、朝日新聞社、1994年4月17日。