オオメジロザメ
オオメジロザメ | |||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
![]() オオメジロザメ
Carcharhinus leucas | |||||||||||||||||||||||||||
保全状況評価[1] | |||||||||||||||||||||||||||
VULNERABLE (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||
学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Carcharhinus leucas (Müller and Henle, 1839) | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Bull Shark | |||||||||||||||||||||||||||
![]() オオメジロザメの生息域
|
オオメジロザメ Carcharhinus leucas(大目白鮫、英: Bull Shark)は、メジロザメ目メジロザメ科に属するサメ。ウシザメ(牛鮫)とも呼ばれる。沖縄の地方名はシロナカー[2]。
分布[編集]
紅海、モルディブ、地中海をのぞいたあらゆる熱帯、温帯の海域に生息している。淡水域にも進入することができ、ミシシッピ川、ザンベジ川、アマゾン川を3,500キロメートルもさかのぼったところ、ニカラグア湖やグアテマラなどの淡水の湖にもいる。日本でも沖縄周辺の海域や河川[3]で生息が確認されている。変わった事例では、オーストラリアのクイーンズランド州カーブルックにあるカーブルック・ゴルフクラブ(Carbrook Golf Club)のコース内の池には、洪水で近くの川から流されてきたオオメジロザメが6匹ほど住み着いている[4]。
形態[編集]
最大で全長400センチメートル、体重316.5キログラム[5]。雌は雄よりも大きく、成魚の雌は平均240センチメートル、体重130キログラム程度、雄は平均225センチメートル、体重95キログラム程度である[6]。雌の寿命は約16年であるのに対し、雄は約12年である[6]。体型は流線形だが、太く頑強である。吻は非常に短く、尖らずカーブする。背側の体色は灰色で、腹側は白色である。
生態[編集]
胎生。胎盤形成型。成熟サイズは雄157-226センチメートル、雌180-230センチメートル[7]。妊娠期間は10-11ヶ月で、産仔数は1-13尾[7]。産まれたときのサイズは56-81センチメートル[7]。ザンベジ川では、カリバダムの完成で取り残されたオオメジロザメがザンベジ川やカリバ湖で繁殖していることが幼魚の捕獲によって確認されている[要出典]。雑食性(肉食性の傾向が強い)で多種多様なのものを捕食する[8]。
人との関わり[編集]
保全状況[編集]
淡水や汽水域では人の活動の影響を受けやすいと考えられるため、環境国際自然保護連合からは「危急」と評価されている。
日本国内の水族館での飼育[編集]
沖縄県の国営沖縄記念公園水族館(現:沖縄美ら海水族館)で1978年から飼育され、世界最長飼育記録を更新し続けている(2018年6月の時点で40年間)。なお、沖縄美ら海水族館で飼育されているオオメジロザメのうちの1匹が、2006年8月31日に、11匹の幼魚を出産している。水族館で飼育されているオオメジロザメの水槽内出産は、1993年にも、国営沖縄水族館(沖縄美ら海水族館の前身)で観察されている。繁殖賞を受賞している[2]。日本国内では他に、京急油壺マリンパークで飼育展示されている。本州では唯一の飼育である[9]。
危険性[要出典][編集]
1996年7月23日に沖縄県宮古島で52歳の男性がオオメジロザメと思われるサメに襲われて死亡した例を含め、人を襲った記録も極めて多く、気性も荒いことから、ホホジロザメやイタチザメ、ヨゴレなどと並ぶ最も危険なサメである。淡水域まで侵入し、より大型のホホジロザメやイタチザメと較べて、狭い場所や浅い場所にも入り込むうえ、気性も荒いことから、襲われる可能性は最も高いといわれる。
参考文献[編集]
- ^ Simpfendorfer, C. & Burgess, G.H. 2005. Carcharhinus leucas. In: IUCN 2011. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2011.1. <www.iucnredlist.org>. Downloaded on 30 June 2011.
- ^ a b 美ら海生き物図鑑:オオメジロザメ 沖縄美ら海水族館
- ^ @nifty:デイリーポータルZ:川に人食いザメ!?沖縄・国際通りでサメを釣れ!!
- ^ Thomas Boswell (2013年5月1日). “Sharks at Carbrook Golf Club caught on film, confirming they survived Brisbane floods”. Courier Mail. Albert & Logan News 2021年4月17日閲覧。
- ^ Carcharhinus leucas Froese, R. and D. Pauly. Editors. 2011.FishBase. World Wide Web electronic publication. www.fishbase.org, version (06/2011).
- ^ a b Biological Profiles: Bull shark Florida Museum of Natural History, Ichthyology Department.
- ^ a b c Leonard J. V. Compagno (1984) "FAO Species Catalogue Vol.4, Part 2 Sharks of the World: An Annotated and Illustrated catalogue of shark species known to date". Food and Agriculture Organization of the United States.
- ^ 福井篤監修『講談社の動く図鑑move 魚』、講談社、2012年、19頁
- ^ 水族館「魚の国」 京急油壺マリンパーク