オウムアムア (恒星間天体)

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オウムアムア
ʻOumuamua (1I/2017 U1)
オウムアムアの軌道
オウムアムアの軌道
仮符号・別名 A/2017 U1, C/2017 U1, 1l/2017 U1[1]
視等級 (V) 19.7~>27.5[2][3]
分類 恒星間天体 (Interstellar object[4])
発見
発見日 2017年10月19日[5][6]
発見者 パンスターズ[1][5]
発見方法 直接観測
天文学上の意義
軌道離心率が最も高い天体
観測史上初の恒星間小天体
軌道要素と性質
元期:2458059.5 TDB(2017年11月2日[7]
軌道の種類 双曲線軌道
軌道長半径 (a) -1.27984 ± 0.00082 au[7]
近日点距離 (q) 0.25534 ± 0.00007 au[7]
離心率 (e) 1.19951 ± 0.00018[7]
平均軌道速度 26.33 ± 0.01 km/s[2]
軌道傾斜角 (i) 122.68721 ± 0.006320°[7]
近日点引数 (ω) 241.70298 ± 0.01230°[7]
昇交点黄経 (Ω) 24.59921 ± 0.00029°[7]
平均近点角 (M) 36.42531 ± 0.03420°[7]
前回近日点通過 2017年9月9日11時9分19.9秒[7]
物理的性質
三軸径 230 × 35 × 35 m[8][9][注 1]
直径 約160 m[10]
<400 m[5]
自転周期 6.96+1.45
−0.39
時間[11]
7.34 時間[6]
8.10 ± 0.42 時間[12]
8.10 ± 0.02 時間[13]
スペクトル分類 D型?[8]
P型?[12]
絶対等級 (H) 22.08 ± 0.45[7]
アルベド(反射能) 0.1(推定)[12]
色指数 (B-V) 0.7 ± 0.06[12]
色指数 (V-R) 0.45 ± 0.05[12]
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オウムアムア[6][14] (1I/2017 U1) は、2017年に発見された、天体観測史上初となる太陽系外から飛来した恒星間天体英語版と目される天体である[4][15]。発見された当初は太陽系内の彗星小惑星と考えられたため C/2017 U1 や A/2017 U1 という名称で呼ばれていた。

特徴[編集]

オウムアムアの想像図

A/2017 U1は直径が 160 m前後の小さな天体とされている[10]が、NASAは、直径400 m未満としている[5]。2017年9月9日に、近日点を通過し、0.248 au(約3710万km)まで太陽に接近した[7]。同年10月14日地球から2400万kmのところを通過し[7]、その5日後に地球近傍天体探索プロジェクトパンスターズによって発見された。 観測結果から、この天体は軌道離心率が1を超える双曲線軌道であることが判明したが、その軌道離心率が約1.19と求められたことで注目された[10]。この値は、これまでの最高記録であるボーエル彗星(軌道離心率1.058[16])の記録を大幅に更新した。

同年10月25日に、ウィリアム・ハーシェル望遠鏡が観測を行った所、表面は太陽系外縁天体に似た赤色であることが示された[17]

名称と観測[編集]

発見当初は彗星とされ、名称も「C/2017 U1」と登録された。しかし10月25日の超大型望遠鏡VLTの観測によって、彗星特有のコマが確認されなかったため、小惑星とみなされ、「A/2017 U1」へと変更された[18]。Aは小惑星(asteroid)を意味する符号であり、当初彗星とされながら小惑星へとカテゴリが変更されたもののみにこの符号が与えられる。その翌日には、カタリナ・スカイサーベイも、A/2017 U1の観測に成功している。2017年10月時点で、A/2017 U1はこと座ベガから約5度離れた位置にあるが、太陽系を離脱した後は、ペガスス座の方向に移動するとされている[2]

同年11月7日、小惑星センターは、恒星間天体に対する新たな符号として I を使うこと、A/2017 U1の名称を 1I/2017 U1 と改めること、そしてこの天体に対して ʻOumuamua という固有名を付けたことを発表した[4]ʻOumuamua とは、ハワイの言葉で斥候を意味する言葉で、この小天体を発見したパンスターズの提案によって命名された[4]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ アルベドを0.1と仮定した場合

出典[編集]

  1. ^ a b MPEC 2017-U181: COMET C/2017 U1 (PANSTARRS)”. 小惑星センター (2017年10月25日). 2017年11月7日閲覧。
  2. ^ a b c "Pseudo-MPEC" for A/2017 U1”. Project Pluto. 2017年11月9日閲覧。
  3. ^ Meech, Karen (2017年11月8日). “Proposal 15405 – Which way home? Finding the origin of our Solar System's first interstellar visitor”. STScI – Space Telescope Science Institute. 2017年12月18日閲覧。
  4. ^ a b c d MPEC 2017-V17:NEW DESIGNATION SCHEME FOR INTERSTELLAR OBJECT”. 小惑星センター (2017年11月6日). 2017年11月7日閲覧。
  5. ^ a b c d Small Asteroid or Comet 'Visits' from Beyond the Solar System”. アメリカ航空宇宙局 (2017年10月27日). 2017年11月10日閲覧。
  6. ^ a b c 太陽系に飛来した天体オウムアムア、極端な楕円形”. National Geographic (2017年11月22日). 2017年12月18日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h i j k l JPL Small-Body Database Browser: ʻOumuamua (A/2017 U1)”. JPL Small-Body Database. Jet Propulsion Laboratory. 2017年12月18日閲覧。 ・JPL 1 (Solution date: 2017-Oct-24) Archived 2017-10-25 at the Wayback Machine.
    ・JPL 10 (Solution date: 2017-Nov-03) Archived 2017-11-07 at the Wayback Machine.
    ・JPL 14 (Solution date: 2017-Nov-21) Archived 2017-11-22 at the Wayback Machine.
  8. ^ a b Jewitt, David; Luu, Jane; Rajagopal, Jayadev; Kotulla, Ralf; Ridgway, Susan; Liu, Wilson; Augusteijn, Thomas (2017年). “Interstellar Interloper 1I/2017 U1: Observations from the NOT and WIYN Telescopes”. arXiv:1711.05687 [astro-ph.EP]. 
  9. ^ “A Familiar-Looking Messenger from Another Solar System” (プレスリリース), National Optical Astronomy Observatory, (2017年11月15日), NOAO 17-06, https://www.noao.edu/news/2017/pr1706.php 2017年12月18日閲覧。 
  10. ^ a b c Kelly Beatty (2017年10月25日). “Astronomers Spot First-Known Interstellar “Comet””. Sky & Telescope. 2017年11月9日閲覧。
  11. ^ Fend, Fabo; Jones, Hugh R. A. (2017年11月23日). “ʻOumuamua as a messenger from the Local Association”. arXiv:1711.08800 [astro-ph]. 
  12. ^ a b c d e Bannister, Michele T.; Schwamb, Megan E. (2017年). “Col-OSSOS: Colors of the Interstellar Planetesimal 1I/2017 U1 in Context with the Solar System”. arXiv:1711.06214 [astro-ph.EP]. 
  13. ^ Bolin, Bryce T.; Weaver, Harold A.; Fernandez, Yanga R.; Lisse, Carey M.; Huppenkothen, Daniela; Jones, R. Lynne; Juric, Mario; Moeyens, Joachim et al. (2017年). “APO Time Resolved Color Photometry of Highly-Elongated Interstellar Object 1I/ʻOumuamua”. arXiv:1711.04927 [astro-ph.EP]. 
  14. ^ 恒星間天体「オウムアムア」は細長い葉巻形”. AstroArts (2017年11月24日). 2017年12月18日閲覧。
  15. ^ 観測史上初の恒星間天体か、小天体A/2017 U1”. AstroArts (2017年10月30日). 2017年11月1日閲覧。
  16. ^ C/1980 E1 (Bowell)”. JPL Small-Body Database. 小惑星センター. 2017年11月9日閲覧。
  17. ^ Alan Fitzsimmons‏(@FitzsimmonsAlan)のツイート Twitter
  18. ^ MPEC 2017-U183: A/2017 U1”. 小惑星センター (2017年10月25日). 2017年11月9日閲覧。

外部リンク[編集]