オウギバト

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オウギバト
オウギバト
オウギバト Goura victoria
保全状況評価[1][2][3]
NEAR THREATENED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: ハト目 Columbiformes
: ハト科 Columbidae
: カンムリバト属 Goura
: オウギバト G. victoria
学名
Goura victoria (Fraser, 1844)[3][4]
和名
オウギバト[5]
英名
Victoria crowned-pigeon[3][5]
Victoria crowned pigeon[3][4]
Victoria goura[3]

オウギバト (Goura victoria) は、鳥綱ハト目ハト科カンムリバト属に分類される鳥類

分布[編集]

インドネシアニューギニア島北部、ビアク島<移入?>、ヤーペン島)、パプアニューギニア(ニューギニア島北部)[3]

形態[編集]

全長70センチメートル[5]。全身は暗青灰色[5]。嘴の基部から眼を通り、後頭へ続く筋模様(過眼線)は黒い[5]。喉は黒く、胸部は暗赤紫色[5]。翼の先端に灰青色の斑紋が入る[5]

頭頂に、先端が白い大型の扇状の羽毛(冠羽)が生える[5]

分類[編集]

以下の亜種の分類・分布は、IOC World Bird List(v10.1)にに従う[4]

Goura victoria victoria (Fraser, 1844)
ビアク島、ヤーペン島
Goura victoria beccarii Salvadori, 1876
ニューギニア島北部

生態[編集]

標高600メートル以下にある乾燥林や浸水林・湿地林などに生息する[5]。2 - 10羽の小規模な群れを形成して、生活する[3]。危険を感じると地上10 - 25メートルの高さの樹上へ飛翔して逃げる[3]

果実種子を食べる。採食は地表で行う[3][5]

繁殖様式は卵生。樹上に木の枝や葉・茎等などを組み合わせた皿状の巣を作り、1個の卵を産む[5]。抱卵期間は30日[5]。雛は4週間で巣立つ[5]。飼育下では、生後15か月で産卵した例がある[3]

人間との関係[編集]

森林伐採や農地開発・道路建設による生息地の破壊、羽目的や雛も含めた食用の狩猟などにより生息数は減少している[3]。1975年のワシントン条約発効時から、カンムリバト属単位でワシントン条約附属書IIに掲載されている[2]。インドネシアのパプア州およびパプアニューギニアでは、法的な保護の対象とされている[5]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ Appendices I, II and III (valid from 26 November 2019)<https://cites.org/eng> (downroad 15/05/2020)
  2. ^ a b UNEP (2020). Goura victoria. The Species+ Website. Nairobi, Kenya. Compiled by UNEP-WCMC, Cambridge, UK. Available at: www.speciesplus.net. (downroad 15/05/2020)
  3. ^ a b c d e f g h i j k BirdLife International. 2016. Goura victoria. The IUCN Red List of Threatened Species 2016: e.T22691874A93326799. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2016-3.RLTS.T22691874A93326799.en. Downloaded on 15 May 2020.
  4. ^ a b c Pigeons, Gill, F & D Donsker (Eds). 2020. IOC World Bird List (v10.1). https://doi.org/10.14344/IOC.ML.10.1. (Downloaded 15 May 2020)
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n 原田俊司 「オウギバト」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ7 オーストラリア、ニューギニア』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社、2000年、180頁。

関連項目[編集]