エーラス・ダンロス症候群

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エーラス・ダンロス症候群
Ehlers-Danlos thumb.jpg
EDSの患者には、関節過度可動性がみられる。
分類および外部参照情報
診療科・
学術分野
遺伝医学
ICD-10 Q79.6
ICD-9-CM 756.83
MedlinePlus 001468
eMedicine derm/696 ped/654
Patient UK エーラス・ダンロス症候群
MeSH D004535

エーラス・ダンロス症候群(エーラス・ダンロスしょうこうぐん)( EDS)とはコラーゲン線維形成機構の異常を原因とする症候群。皮膚無力症皮膚脆弱症過剰弾力性皮膚とも呼ばれる。皮膚の過伸展、脆弱性、血腫が認められ、間擦部の増大により掻痒を示す。臨床症状、皮膚伸展率の測定により診断する。クッシング症候群皮膚弛緩症後天性皮膚脆弱症候群との鑑別が必要。特異的な治療法はない。 「古典型」: V型プロコラーゲンの異常、常染色体優性遺伝、原因遺伝子は、COL5A1 COL5A 古典型Ehlers-Danlos 症候群(古典型EDS)は皮膚過伸展性,創傷治癒異常,ならびに関節可動性亢進を特徴とする結合組織疾患である.古典型EDSは,これまでI型EDSとII型EDSの2つの亜型に分けられていたが,現在は連続的な臨床病型として認識されている.皮膚は平滑,ビロード状の感触があり,過伸展すなわち簡単につかむことができよく伸びるが離すと直ちに元に戻る(皮膚弛緩症で見られる皮膚のたるみ,過剰な皮膚とは異なる).皮膚は脆弱であり,特に圧がかかりやすい部位(膝, 肘)やけがをしやすい部位(脛, 額, おとがい)では軽度の外傷で裂けやすくなる.創傷治癒は遅れ,一次創傷治癒後の細かいしわの集まった瘢痕が特徴的である.関節可動性亢進によっておきる肩関節,膝蓋,指関節,股関節,橈骨および鎖骨の脱臼は,多くの場合自然に修復するか,あるいは罹患者自身で容易に対応できる.運動発達遅延を伴う筋緊張低下,易疲労性,筋攣縮,易出血性が見られることがある.僧房弁逸脱,三尖弁逸脱,大動脈起始部の拡張や大動脈の自然破裂がまれにみられる.


「関節型」:関節可動亢進型エーラスダンロス症候群(EDS)は,筋骨格系統を中心とした明らかな合併症が起きるにもかかわらず,最も重症度の低いEDSと一般的に考えられている.皮膚は平滑,ビロード状の感触があり,軽度に過伸展することがある.亜脱臼および脱臼はよくおきる.脱臼は自然にあるいは軽度の外傷で生じ,鋭い痛みを伴う.変形性関節症もよくみられる.急性の脱臼や変形性関節症と関連しない慢性的な疼痛は,重大な合併症であり,身体的にも心理的にも負担となる.挫傷はおきやすい.

「血管型」: Ⅲ型プロコラーゲンの異常、常染色体優性遺伝、原因遺伝子は、COL3A1 薄い透過性の皮膚、動脈・腸管・子宮破裂、易出血性を認める。 「後側彎型」: リジンハイドロオキシラーゼの先天的欠損が原因の常染色体劣性遺伝病である。出生時の筋緊張低下、全身性弛緩性関節、先天性進行性脊椎後側彎、眼球破裂などを認める。 多発関節弛緩型:I型プロコラーゲンのN-プロテイナーゼ切断部位の異常。常染色体優性遺伝、原因遺伝子は、COL1A1 COL1A2 反復性亜脱臼を伴い全身性の関節可動性亢進、両側先天性股関節脱臼を認める。 皮膚弛緩型:プロコラーゲンN-プロテイナーゼの欠損が原因、常染色体劣性遺伝。原因遺伝子は、ADAMTS2 皮膚の脆弱性、たるんだ皮膚を認める。 疫学 エーラスダンロス症候群(EDS)全体で出生数百万人にひとりとされる。 病因 コラーゲンの構造遺伝子あるいはプロコラーゲンからの成熟に関与する遺伝子の異常が原因でコラーゲンの異常が引き起こされる。 症状 皮膚症状として過伸展性や脆弱性、関節症状として過可動性や弛緩性を認める。その他の症状は、疾患概要および定義の項を参照されたい。 診断 臨床所見から、6病型(古典型、関節型、血管型、後側彎型、多発関節弛緩型、皮膚弛緩型)のどれに当てはまるかを検索し、他の疾患を鑑別・除外して、診断に至る。遺伝子診断は、血管型EDSについては、COL3A1 遺伝子については、研究室レベルで行われており、その診断的意義は高いが、その他の原因遺伝子の解析は一般的ではない。 最近は型が分類され13種類になった 治療 対症療法に限られる。 リハビリ、薬 予後 血管型を除けば生命予後は比較的良好であるが、高度の関節障がいなど機能予後は不良のことも多い。 成人期以降 妊娠分娩時の合併症も多く、妊娠管理も重要である。

小児時期は怪我をしやすく成長するにつれて怪我のリスクは減る

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 日本獣医内科学アカデミー編 『獣医内科学(小動物編)』 文永堂出版 2005年 ISBN 4830032006

外部リンク[編集]