エルナークの財宝

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エルナークの財宝』(エルナークのざいほう)は、1987年8月10日にトーワチキから発売されたファミリーコンピュータゲームソフト

概要[編集]

謎解き要素がある見下ろし型のアクションゲーム。プレイヤーはナイフなどの武器を飛ばして敵を倒しながら、消息を絶った友人ジョー・クロサワと財宝を追う。

理不尽な謎解きに加えて攻略本も発売されておらず、2000年頃まで明確な攻略情報が存在しなかった[1]

ゲーム内容[編集]

十字キーで上下左右のいずれかに移動(斜め移動はできない)、Aボタンで攻撃、Bボタンでステージ中のオブジェクトからヒントを探し出し[2]、謎を解くことで進行していく。

敵は画面端から出現し、主人公と違って自由自在に移動してくる。攻撃はどの位置からでも主人公の方向に発射され、少しずれた位置(主に主人公の進行方向)に飛んでくるため回避が難しい。

画面上には体力ゲージに加えて「性格ゲージ」が表示され、道中のアイテム取得などで「ライト(L)」か「ダーク(D)」のどちらかに寄っていく。説明書では「ダークサイドの方が強い」と明言された上で、以下の内容が記載されている[3]

 しかし、ダークサイドの心でゲームを終わらせることはできるのでしょうか?それはここでは明かせません。光の心が良いのか、闇の心が良いのか、あなた自身が悩んでください。
 あなたの選んだ性格がゲームを左右する。そう『エルナークの財宝』は、ファミコン初の性格派ゲームなのです。 — 『エルナークの財宝』説明書 8P

登場人物[編集]

主人公
プレイヤーの分身であり、友人思いの正義漢。ジョーからの手紙を受け取り、彼が待っているというモレイの遺跡へ向かう。
ジョー・クロサワ
主人公の親友で、トレジャーハンター。エルナークの財宝を求めて南米のラデアを訪れていたが、ネクロミアの神殿に向かう前夜に主人公へ助力を求める手紙を送った。
謎の少女
ラデアに到着した主人公に「聖なる石」を渡した見知らぬ少女。タイトル画面で放置していると表示されるプロローグにだけ登場する。
なぜか主人公の目的を知っており、「闇の勢力を滅ぼさねばあなたの友達を助けることはできません」と話しかけてくる。また、プレイヤーの行く手を遮る岩・木・柱などに聖なる言葉(ヒント)があることや、「性格ゲージ」の仕様、アイテムの効果を教えてくれる[4]

余談[編集]

  • プロローグで謎の少女が教えてくれるアイテムの効果に誤情報が混ざっている。「ダイテンシノモンショウ(大天使の紋章)」の説明がそれで、「セイカクガ 8ツ ライトヘ チカヅキマス」と表示されるが、実際の変化は12目盛りとなっている。
    • 『説明書に「天使の描かれたレリーフみたいなアイテムを取ると属性が8目盛りライトに近づく」という誤情報が記載されている』という話が出回っていたが、実際の説明書にそういった記述は存在しない[5]
  • 有力な攻略情報が公開されたのは発売されてから13年後の2000年頃であり、そのクリア映像はテレビ東京系の番組「GameWave」で紹介されたほど。その際、上述の目盛りの件はバグのように扱われている。

脚注[編集]

  1. ^ 2000年以前にエンディング画面を掲載したウェブサイトが存在していた[要出典]らしく、クリアした人は多少なりともいた模様である。
  2. ^ 『「聖なる石」を使うことで聖なる光が周囲を照らし、封じられた聖なる言葉(善なる言葉)が復活する』という設定。
  3. ^ 「選んだ性格がゲームを左右する」とあるように、「性格ゲージ」の状態によって攻略における有利・不利が発生する。一方で、終盤のマップには「性格ゲージ」が特定の状態で通過しなければ進行不可になってしまう(具体的には、直後のボスが倒せなくなる)箇所が存在するのだが、それに関するヒントは一切存在しない。
  4. ^ いずれも内容が説明書より具体的で有用なのだが、一定時間が経過すると次の画面に移行してしまうため急いで読む必要がある。ただし文章は全てカタカナであり、適度に空白で区切られているもののかなり読みづらい。
  5. ^ エルナークの財宝 コラム”. 2019年10月3日閲覧。