エリマキツチグリ
エリマキツチグリ | |||||||||||||||||||||||||||
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![]() 神奈川県川崎市・2014年11月
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Geastrum triplex Junghuhn | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
エリマキツチグリ | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Collared earthstar |
エリマキツチグリ(襟巻土栗[1]、学名: Geastrum triplex)は、ヒメツチグリ科ヒメツチグリ属のキノコ(菌類)。和名の由来は、外皮の内装が割れて襟巻きのようになる、ヒメツチグリ属のキノコの意味である[1]。別名で、エリマキツチガキとよばれることもある[1]。食用不適[1]。
分布・生態
[編集]腐生菌(腐生性)[1]。初夏から秋にかけて、公園内や林内の落葉が多い腐植質に富んだ地上に、群生あるいは点々と発生する[1]。落葉に紛れるように生えているので見つけにくい[1]。
特徴
[編集]子実体は幼時はクワイ状をなし、高さ・直径ともに1-4センチメートル (cm) 程度、くすんだ黄褐色でしばしば部分的にオリーブ色を帯びており、多少うろこ状をなし、基部から発生基質(腐朽した落ち葉や小枝など)にかけて、細かく分岐したひげ状の根状菌糸束を広げる。
成熟すると、厚い外皮は頂端から放射状に裂けて開き、胞子塊を含んだ偏球形の内皮を露出し、全体の径3-8cm程度になる。星状に裂けて開いた外皮片は外側に反転し、薄い外層と厚くてもろい中層とで構成され、中層の基部は内皮の根元を取り囲むように、襟状をなす.外皮中層の内面はほぼ平滑で、鮮時には淡いオレンジ褐色であるが、古くなると暗褐色となる。内皮は丈夫な革質で径1-3cm、上下に僅かにつぶれた球形、その表面は淡い灰褐色ないし赤褐色で,ほぼ平滑あるいはかすかに毛ばだっており、上部はやや円錐形に小さく突出し、その先端に一個の頂孔を開き、内部に形成された胞子は頂孔から噴出して分散する。頂孔の周囲は繊維状の組織(口縁盤)に囲まれ、そのつけ根は浅い円形のくぼみ(円座)となる。 内皮の中の組織は、最初は純白色かつ肉質であるが、成熟すれば紫褐色を呈し、ほこりまみれの古い綿状となる。
胞子はほぼ球形で、厚い細胞壁を持ち、その表面は先端が丸みを帯びた多数のいぼにおおわれる。担子器は徳利状をなし、3-8個ずつ胞子を生じる。菌糸にはかすがい連結がある。
食材としての利用
[編集]無毒と考えられているが、食用的価値はない。
類似した種
[編集]トガリフクロツチグリ(Geastrum lageniforme)は、通常は外皮内層の基部が内皮を襟状に取り巻くことがなく、内皮の表面の微毛がより顕著で、胞子がいくぶん小さいことで区別されるが、野外での識別はときに困難な場合もある。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 大作晃一『きのこの呼び名事典』世界文化社、2015年9月10日。ISBN 978-4-418-15413-5。
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- トマス・レソェ(著者) 前川二太郎(監修)『世界きのこ図鑑』新樹社、2005年11月1日。ISBN 4-7875-8540-1。
- Sunhede, Stellan (1989). Geastraceae (Basidiomycotina). Oslo: Fungiflora. p. 1-534. ISBN 82-90724-05-5