エメラルド・フェネル

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エメラルド・フェネル
Emerald Fennell
Emerald Fennell
2013年
本名 Emerald Lilly Fennell
生年月日 (1985-10-01) 1985年10月1日(35歳)
出生地 イングランドの旗 イングランド ロンドン
職業
  • 女優
  • 小説家
  • 脚本家
  • 映画監督
  • プロデューサー
  • 劇作家
活動期間 2007年 - 活動中
著名な家族 テオ・フェネル英語版 (父)
主な作品
プロミシング・ヤング・ウーマン
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エメラルド・リリー・フェネルEmerald Lilly Fennell, [fɪˈnɛl];[1] - 1985年10月1日[2][3] - )は、イングランドの女優、小説家、脚本家、映画監督、映画及びテレビプロデューサー、劇作家である。『アルバート氏の人生』(2011年)、『アンナ・カレーニナ』(2012年)、『リリーのすべて』(2015年)、『Vita & Virginia』(2018年)といった時代劇映画やBBC Oneの『コール・ザ・ミッドワイフ ロンドン助産婦物語英語版』(2013-17年)やNetflixの『ザ・クラウン』(2019-20年)へ出演で知られている。

フェネルはまたBBCアメリカのスリラーシリーズ『キリング・イヴ/Killing Eve』の第2シーズン(2019年)でショーランナーを務めたことでも知られ、プライムタイム・エミー賞で2部門で候補に挙がった。更に映画監督デビュー作となるスリラー『プロミシング・ヤング・ウーマン』(2020年)により第93回アカデミー賞作品賞監督賞脚本賞の候補に挙がり、脚本賞を受賞した。アカデミー賞監督賞でイギリス人女性が候補となったのは彼女が史上初であった[4]

生い立ち[編集]

ロンドンハマースミスで生まれ、マールボロ・カレッジ英語版に通う。その後はグレイフライアーズ英語版で英語を学び、大学の演劇に出演する。そこで彼女はユナイテッド・エージェンツのリンディ・キングの目に止まった[5]

彼女の姉妹のココ・フェネルはファッションデザイナーである[6][7]。父はジュエリーデザイナーのテオ・フェネル英語版、母は作家のルイーズ・フェネル(旧姓マグレガー)である[8]

キャリア[編集]

女優[編集]

フェネルはサイモン・バード英語版ジョー・トーマス英語版ジョニー・スウィート英語版と共にチャンネル4のシットコム『Chickens』に出演した。その後に彼女はBBC Oneのシリーズ『コール・ザ・ミッドワイフ ロンドン助産婦物語英語版』のパッツィ・マウント役にキャスティングされ[9]、ブロンドの髪を赤く染めた[10]。他に彼女は『アルバート氏の人生』(2011年)、『アンナ・カレーニナ』(2012年)、『リリーのすべて』(2015年)、『Vita & Virginia』(2018年)といった映画にも出演した。

2018年10月23日、フェネルがNetflixのシリーズ『ザ・クラウン』の第3シーズンにカミラ・シャンド役で出演することが明らかとなった[11]。フェネルは自身の監督デビュー映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』にも端役で出演している。

作家・監督[編集]

2008年にフェネルは映画脚本(マドリン・ロイド・ウェバーと共同制作)の執筆を依頼された。『Chukka』と題されたこの作品はティーンエイジャーのグループのロマンティックコメディであった[5]

フェネルの処女小説である児童向けファンタジー『Shiverton Hall』は2013年1月にブルームズベリー・チルドレンズ・ブックス英語版より出版された[12][13]。その前の2012年12月にはブルームズベリーUSAより電子書籍が出版された[13]

続編となる『The Creeper』は2014年半ばに出版された。ISFDBによりこれらは『Shiverton Hall』シリーズとしてまとめられた[13]。その本は2014年にウォーターストーンズ児童文学賞英語版の最終選考に残った。2015年9月には彼女にとって初の成人向けホラーとなる『Monsters』を出版した[14][15]

2018年7月、フェネルは親友のフィービー・ウォーラー=ブリッジによって彼女に代わってBBCアメリカのシリーズ『キリング・イヴ/Killing Eve』の第2シーズンのヘッドライターに起用された。フェネルはそのシーズンで6話分の脚本を書いた[16]。フェネルはまた番組のエグゼクティブ・プロデューサーの1人を務めた[17]。第2シーズンは2019年4月に放送が始まった[18]。フェネルは第2話「キレイだね」により第71回プライムタイム・エミー賞のドラマシリーズ脚本賞にノミネートされた[19]

2019年1月、フェネルがキャリー・マリガン出演のコメディ・スリラー映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』の脚本・監督を務めることが発表された[20]。2019年3月に撮影が始まった[21]。フェネルは23日間の撮影中に妊娠7か月であった[22]。『プロミシング・ヤング・ウーマン』は2020年サンダンス映画祭英語版で初上映された[23]。批評家には高く評価され、2021年4月時点でRotten Tomatoesでの支持率は90%となっている[23]。この映画を彼女はマーゴット・ロビーとその製作会社のラッキーチャップ・エンターテインメント英語版と共に製作した。この映画は第93回アカデミー賞作品賞監督賞脚本賞を含む5部門で候補に挙がった。フェネルはアカデミー賞監督賞の候補者となった史上7人目の女性であり、また史上初の英国人女性となった。また同年にはクロエ・ジャオも監督賞候補に挙がっており、同年に2人の女性の監督賞候補者が出現した最初の例となった[24]。この映画によりフェネルは放送映画批評家協会賞オリジナル脚本賞と全米脚本家組合賞オリジナル脚本賞を受賞し、アカデミー脚本賞にも輝いた。

2020年1月、アンドルー・ロイド・ウェバーが2021年5月にロンドンで開演予定のミュージカル『シンデレラ』でフェネルとコラボレーションすることが報じられた[25]

2021年3月22日、DCエクステンデッド・ユニバースに属する『ザターナ』の映画の脚本をフェネルが執筆することが報じられた[26]

私生活[編集]

映画・広告監督、プロデューサーのクリス・ヴァーノンとパートナー関係にある。2019年に2人のあいだに息子が生まれた[27][22]

フィルモグラフィ[編集]

映画[編集]

作品名
原題
役名 備考
2010 Mr Nice レイチェル
2011 アルバート氏の人生
Albert Nobbs
スミス=ウィラード氏
2012 アンナ・カレーニナ
Anna Karenina
メルカロワ王女
2013 バルカン超特急英語版
The Lady Vanishes
オデット テレビ映画
Murder on the Home Front イッシー・ケネル テレビ映画
2015 リリーのすべて
The Danish Girl
エルサ
PAN 〜ネバーランド、夢のはじまり〜
Pan
司令官
2018 Vita & Virginia ヴァネッサ・ベル
Careful How You Go 非出演 短編映画
監督・脚本
2020 プロミシング・ヤング・ウーマン
Promising Young Woman
ビデオ・チュートリアル・ホスト 兼監督・脚本・製作

テレビシリーズ[編集]

作品名
原題
役名 備考
2007 ロンドン警視庁犯罪ファイル英語版
Trial & Retribution
シーナ 第10シリーズ第1話「Sins of the Father - Part 1」
2010 ニュー・トリックス〜退職デカの事件簿〜
New Tricks
ヴィッキー 第7シリーズ第8話「舞踏会の夜」
Any Human Heart ロッティ ミニシリーズ
計3話出演
2011-2013 Chickens アグネス 計7話出演
2013 Blandings モニカ・シモンズ 第1シーズン第6話「Problem with Drink」
2013-2017 コール・ザ・ミッドワイフ ロンドン助産婦物語英語版
Call the Midwife
パッツィ・マウント 計27話出演
2016 Drifters リジー 出演: 第1シーズン第4話「Halloween」
計6話脚本
2017 女王ヴィクトリア 愛に生きる
Victoria
エイダ・ラブレス 第2シーズン第2話「嫉妬という怪物」
2019 キリング・イヴ/Killing Eve
Killing Eve
非出演 計6話脚本
計8話製作総指揮
2019-2020 ザ・クラウン
The Crown
カミラ・シャンド 計7話出演

ビブリオグラフィ[編集]

作品名
2012 Shiverton Hall
2014 The Creeper
Rollercoasters Shiverton Hall
2015 Monsters

受賞とノミネート[編集]

映画祭・賞 部門 作品 結果 参照
2018 サンダンス映画祭 審査員大賞 (短編映画) Careful How You Go ノミネート [28]
2019 プライムタイム・エミー賞 ドラマシリーズ作品賞 キリング・イヴ/Killing Eve ノミネート
ドラマシリーズ脚本賞 キリング・イヴ/Killing Eve(第2シーズン第2話「キレイだね」) ノミネート
2020 USCスクリプター賞英語版 テレビ賞 ノミネート
2021 第10回AACTA国際賞英語版 映画賞 プロミシング・ヤング・ウーマン 受賞 [29]
監督賞 ノミネート
脚本賞 ノミネート
アカデミー賞 作品賞 ノミネート [30]
監督賞 ノミネート
脚本賞 受賞
英国アカデミー賞 作品賞 ノミネート [31]
英国作品賞 受賞
オリジナル脚本賞 受賞
放送映画批評家協会賞英語版 作品賞 ノミネート [32]
監督賞 ノミネート
脚本賞 受賞
全米監督協会賞英語版 長編映画監督賞 ノミネート [33]
ドリアン賞英語版 作品賞 ノミネート [34]
監督賞 ノミネート
脚本賞 受賞
ゴールデングローブ賞 ドラマ映画作品賞 ノミネート [35]
監督賞 ノミネート
脚本賞 ノミネート
インディペンデント・スピリット賞英語版 監督賞英語版 ノミネート [36]
脚本賞 受賞
全米製作者組合賞英語版 劇場映画賞 ノミネート [37]
全米脚本家組合賞英語版 オリジナル脚本賞 受賞 [38]
全米映画俳優組合賞英語版 ドラマシリーズアンサンブル賞 ザ・クラウン 受賞 [39]

参考文献[編集]

  1. ^ Murphy, Mekado (2021年2月5日). “‘Promising Young Woman’ | Anatomy of a Scene”. The New York Times. 2021年3月2日閲覧。
  2. ^ Trending: Actress Emerald Fennell”. Tatler (2003年10月1日). 2014年3月2日閲覧。
  3. ^ All England & Wales, Birth Index, 1916-2005 results for Emerald Fennell”. www.ancestry.com.au (2016年). 2016年1月12日閲覧。
  4. ^ Peplow, Gemma (2021年3月15日). “Oscar nominations 2021: History made, a good day for Brits, and the snubs - the key talking points from shortlist reveal”. Sky News. 2021年3月15日閲覧。
  5. ^ a b Hoggard, Liz (2010年12月2日). “Why Emerald Fennell is the hidden gem in hit drama Any Human Heart”. London Evening Standard. https://www.standard.co.uk/lifestyle/why-emerald-fennell-is-the-hidden-gem-in-hit-drama-any-human-heart-6542768.html 2014年3月2日閲覧。 
  6. ^ Coco Fennell online fashion boutique”. timeout.com (2011年5月9日). 2014年3月2日閲覧。
  7. ^ I AM...Emerald Fennell”. the-pool.com. 2016年12月25日閲覧。
  8. ^ Gordon, Naomi (2018年10月25日). “Who is Emerald Fennell, the actress playing Camilla in The Crown's season 3?”. Harper's BAZAAR. https://www.harpersbazaar.com/uk/culture/entertainment/a24209338/emerald-fennell-actress-playing-camilla-the-crown-season-3/ 2019年6月23日閲覧。 
  9. ^ Marshall, Denise (2014年2月15日). “Call The Midwife's Jessica Raine on shock departure”. http://www.express.co.uk/entertainment/tv-radio/459511/Call-The-Midwife-s-Jessica-Raine-on-shock-departure 2014年3月2日閲覧。 
  10. ^ Methven, Nicola (2015年1月27日). “Call The Midwife's Emerald Fennell definitely isn't too posh to push despite privileged background”. The Mirror. https://www.mirror.co.uk/tv/tv-news/call-midwifes-emerald-fennell-definitely-5055098 2015年12月21日閲覧。 
  11. ^ The Crown Season 3 Casts Camilla With Call the Midwife's Emerald Fennell”. TVLine (2018年10月23日). 2018年10月23日閲覧。
  12. ^ Shiverton Hall. Bloomsbury Childrens. (Jan 2013). ISBN 978-1408827789 
  13. ^ a b c Emerald Fennell – Summary Bibliography”. ISFDB.. 2014年10月14日閲覧。
  14. ^ Hassell, Katherine (2015年9月12日). “Call The Midwife's Emerald Fennell: Friday nights are spent at home”. Daily Express. http://www.express.co.uk/life-style/life/603786/Call-The-Midwife-Emerald-Fennell-Monsters-interview 2015年12月21日閲覧。 
  15. ^ Langley, Edwina (2015年9月9日). “'I just love horror': Emerald Fennell on her first adult book Monsters. Evening Standard. https://www.standard.co.uk/lifestyle/london-life/i-just-love-horror-emerald-fennell-on-her-first-adult-book-monsters-a2944041.html 2015年12月21日閲覧。 
  16. ^ Gordon, Naomi (2019年5月13日). “Phoebe Waller-Bridge on what Emerald Fennell brings to series 2 of Killing Eve” (英語). Harper's BAZAAR. 2020年4月15日閲覧。
  17. ^ Stanford, Eleanor (2019年5月26日). “'Killing Eve' Showrunner: 'All Obsession Is Sexual'”. The New York Times. https://www.nytimes.com/2019/05/26/arts/television/killing-eve-season-2-finale.html 2019年10月3日閲覧。 
  18. ^ 'Killing Eve' Hires New Head Writer, Directors for Season 2”. The Hollywood Reporter (2018年7月27日). 2021年4月15日閲覧。
  19. ^ White, Peter (2019年7月16日). “'Killing Eve' Looks To Avenge Last Year's Emmy Disappointment As Brit Spy Series Scores Nine Nominations Including Best Drama Series & Two Lead Actress Nods” (英語). Deadline. https://deadline.com/2019/07/killing-eve-emmys-nine-nominations-1202646848/ 2019年8月6日閲覧。 
  20. ^ Wiseman, Andreas (2019年1月31日). “Carey Mulligan To Star In FilmNation, LuckyChap Thriller 'Promising Young Woman' — EFM”. Deadline Hollywood. 2019年3月5日閲覧。
  21. ^ N'Duka, Amanda (2019年3月29日). “Bo Burnham To Star Opposite Carey Mulligan In 'Promising Young Woman'; Alison Brie, Connie Britton, Adam Brody & More Round Cast”. Deadline Hollywood. 2019年3月29日閲覧。
  22. ^ a b VanHoose, Benjamin (2021年2月3日). “Golden Globe Nominee Emerald Fennell Was 7 Months Pregnant While Directing Promising Young Woman”. People. 2021年3月20日閲覧。
  23. ^ a b Promising Young Woman (2020)”. 2020年12月22日閲覧。
  24. ^ Ford, Rebecca (2021年3月15日). “Emerald Fennell on Earning an Oscar Nom for Her Feature Film Directorial Debut”. The Hollywood Reporter. 2021年3月15日閲覧。
  25. ^ Wiegand, Chris (2020年1月10日). “Killing Eve's Emerald Fennell and Andrew Lloyd Webber create new Cinderella”. The Guardian. 2020年1月10日閲覧。
  26. ^ Rubin, Rebecca (2021年3月22日). “DC Films Taps ‘Promising Young Woman’ Director Emerald Fennell to Write Zatanna Superhero Movie (EXCLUSIVE)”. Variety. 2021年3月22日閲覧。
  27. ^ Coke, Hope (2021年1月18日). “Everything we learnt about Emerald Fennell from her candid New York Times interview”. Tatler. 2021年3月20日閲覧。
  28. ^ Emerald Fennell”. IMDb. 2020年12月22日閲覧。
  29. ^ Vlessing, Etan (2021年2月12日). “AACTA International Awards: 'Nomadland' Leads With 6 Nominations”. The Hollywood Reporter. 2021年2月12日閲覧。
  30. ^ Oganesyan, Natalie (2021年3月15日). “Oscars 2021: The Complete Nominations List”. Variety. 2021年3月15日閲覧。
  31. ^ 2021 EE British Academy Film Awards: The Nominations” (2021年3月9日). 2021年3月9日閲覧。
  32. ^ Nominations for the 26th Critics' Choice Awards (2021) Announced”. criticschoice.com. 2021年2月8日閲覧。
  33. ^ Davis, Clayton (2021年3月9日). “DGA Nominations: Emerald Fennell and Chloe Zhao Make the Cut, Three POC in First-Time Feature”. Variety. 2021年3月15日閲覧。
  34. ^ 2021 Dorian Film Awards Nominations: List of Nominees” (英語). The Hollywood Reporter (2021年2月11日). 2021年2月11日閲覧。
  35. ^ Nominations for the 78th Golden Globe Awards (2021) Announced”. goldenglobes.org. 2021年2月3日閲覧。
  36. ^ 2021 Film Independent Spirit Award Nominations Announced!”. Film Independent (2021年1月26日). 2021年2月6日閲覧。
  37. ^ Davis, Clayton (2021年3月8日). “Amazon and Netflix Lead Producers Guild Nominations, All-Black ‘Judas’ Team Makes History”. Variety. 2021年3月15日閲覧。
  38. ^ Erbland, Kate (2021年3月21日). “2021 Writers Guild Awards Winners List (Updating Live)”. Indiewire. 2021年4月15日閲覧。
  39. ^ 2021 SAG Awards: The Complete Nominations List”. Variety (2021年2月4日). 2021年4月15日閲覧。

外部リンク[編集]