エッジコンピューティング
エッジコンピューティング(英語: Edge computing)とは、利用者や端末と物理的に近い場所に処理装置(エッジプラットフォーム)を分散配置して、ネットワークの端点でデータ処理を行う技術の総称[1]。多くのデバイスが接続されるIoT時代となり提唱されるようになった。
エッジコンピューティングは分散コンピューティングの活用であり、サーバ処理とデータストレージをリクエスト元にネットワーク上距離を近づける事で、処理応答時間を改善し、バックボーン帯域幅を節約する事に寄与する。
エッジコンピューティングの起源は、要求元ユーザーの近くに配置されたエッジサーバーからWebおよびストリームコンテンツを提供するために1990年代後半に開始されたコンテンツデリバリネットワーク(CDN)にある。近年これらのネットワークはエッジサーバーでアプリケーションとアプリケーションコンポーネントをホストするよう進化し、リアルタイムデータ処理などのアプリケーションをホストするIoTを見越した最新のエッジコンピューティングは、仮想化テクノロジーを通じてこのアプローチを大幅に拡張し、エッジサーバーでの幅広いアプリケーションの展開と実行を容易にしている。
定義[編集]
エッジコンピューティングは、要求元ユーザが利用するネットワーク上でのラストマイルネットワーク最寄りで低遅延を実現するあらゆる処理アプリケーションでる。例えばリアルタイム処理が必要なアプリケーションの場合。クラウドコンピューティングはビッグデータやメイン処理を行い、エッジコンピューティングはセンサーまたはユーザーによって生成されたリアルタイムデータなどのインスタントデータ処理を行う。
ゲームストリーミングに使用されるエッジノードはゲームレットと呼ばれ、通常はリアルタイムゲームの応答時間の制約を満たすために、クライアントからネットワーク上1〜2ホップ程度の近接である。
概念[編集]
IoTデバイスの増加により、データセンターやクラウド上で処理される大量のデータが生成され、クラウド側ネットワーク帯域幅の要件が限界に達しているケースが少なくない。ネットワークテクノロジーの改善も限界があり、クラウドサービスで利用されているデータセンターとしても場合によっては転送速度と応答時間を保証できないケースも発生しており、これは多くのアプリケーションにとって問題となる可能性がある。さらに、IoTデバイスは常にホスト側とのリアルタイム性を要求されるデータ通信が発生するため、コンテンツデリバリネットワークを構築してデータとサービスのプロビジョニングを分散し、エンドユーザーとの物理的な近接性を持つする必要がある。
エッジコンピューティングの目的は、一部処理をクラウドサービスからネットワークのエッジに移動させ、クラウドに代わってタスクを実行しサービスを提供することで、コンテンツキャッシュ、サービス配信、ストレージ、IoT機器管理を提供し、応答時間と転送速度を向上させることができる。
主な実装[編集]
- Lambda@Edge - Amazon CloudFront上でAWS Lambdaを実行するサービス