エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸

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エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸
識別情報
CAS登録番号 1429-50-1 チェック
PubChem 15025
ChemSpider 14301 チェック
UNII V4CP8RSX7V チェック
特性
化学式 C6H20N2O12P4
モル質量 436.13
外観 固体
への溶解度 限定的
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(ethylenediamine tetra(methylene phosphonic acid), EDTMP)は、亜リン酸化合物である。キレート性と抗腐食性を持つ。エチレンジアミン四酢酸(EDTA)の亜リン酸アナログである[1]。窒素含有有機ポリホスホン酸に分類される。

性質と応用[編集]

EDTMPは通常ナトリウム塩として取引され、水によく溶ける。抗スケーリング、抗腐食剤として水処理に用いると、無機ポリリン酸と比べ、3-5倍の腐食抑制効果を見せる。化学的に安定であり、熱耐性も持つ。200℃以下で、非常に良いスケール抑制能を見せる。これは、多くの金属イオンとキレートすることによるものである。

抗がん剤サマリウム (153Sm) レキシドロナムもEDTMPに由来する。

出典[編集]

  1. ^ Svara, J.; Weferling, N.; Hofmann, T. "Phosphorus Compounds, Organic," In 'Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Wiley-VCH, Weinheim, 2008. doi:10.1002/14356007.a19_545.pub2.