エゾナキウサギ

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エゾナキウサギ
Ochotona hyperborea yesoensis detail.jpg
北海道鹿追町、2006年6月
保全状況評価
準絶滅危惧環境省レッドリスト
Status jenv NT.png
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ウサギ目 Lagomorpha
: ナキウサギ科 Ochotonidae
: ナキウサギ属 Ochotona
: キタナキウサギ
O. hyperborea
亜種 : エゾナキウサギ
O. h. yesoensis
学名
Ochotona hyperborea yesoensis
Kishida,1930
和名
エゾナキウサギ
英名
Northern Pika(キタナキウサギ)
Japanese pika
野生のエゾナキウサギ
(北海道鹿追町、2009年10月)
エゾナキウサギ
ニペソツ山にて)

エゾナキウサギ(蝦夷鳴兎、Ochotona hyperborea yesoensis )は、ウサギ目ナキウサギ科に属する小型哺乳類。ユーラシア大陸北部に広く分布するキタナキウサギ亜種である。日本では北海道道央道東などに生息する。

別名は「啼兎」「鳴兎」(なきうさぎ)[1]

形態[編集]

体重は60-150g。体長は10-20cmである。夏毛は赤褐色で、冬毛は灰褐色から暗褐色になる。年に2回毛変わりする。耳長は2cm程度。5-7mmの尾があるが、短く体毛に隠れてしまうので、ほとんど見えない。足は短く、前足の指は5本、後足の指は4本ある。

数は、切歯が上4本下2本、犬歯は無し、前臼歯は上6本下4本、後臼歯は上4本下6本、合計26本。乳頭数は、胸部1対、腹部は無し、鼠径部1対、合計4個[2]

生態[編集]

北海道の北見山地大雪山系夕張山地日高山脈など、主に800m以上高山帯のガレ場に生息する。岩のすき間で生活する。

食性は植物食で、葉や茎、花、実などを食べる。冬眠はしないが、からにかけて葉などを岩の間にため込み、冬の保存食を作る。

ノウサギイエウサギと同様、盲腸糞を食べる。肛門から直に口をつけて食べることがある[3]。岩の上に細長いタール状に排泄して乾燥したものを、ポリポリと音をたてて食べることもある[3]

雌雄とも同性に対する縄張りを持ち、つがいとなる1組の雌雄の縄張りはほぼ同じ範囲にあたる。繁殖期は春から夏の間の年1回で、1回につき1-5頭の子どもを産む。

鳴き声[編集]

本種は「なきうさぎ」という名前の通り、甲高い鳴き声でよく鳴く。オスメスとでは鳴き声が異なる。オスは「キィッ」または「キチィ」という音を発声する。この鳴き声を3月から10月にかけての時期は1度に4 - 16音発声し、それ以外の時期は1音のみの発声が多い。メスは「ピュー」「ピィーッ」などの伸びのある発声と、「ピィツィ」「ピキィ」などの短い発声をする。3月から10月にかけての時期は「ピィルルルル」「ピィッピィッピィッ」という連続を発声する[1]

発見[編集]

1928年(昭和3年)にカラマツ林の害獣として置戸町で捕獲され、発見された。

現状[編集]

学術的発見から70年近く経つ1994年(平成6年)から1996年(平成8年)にかけて置戸町管内で行われた調査では、エゾナキウサギの生息地は20か所から10か所に半減していた。

エゾナキウサギが去った地域にはエゾシカが進出している。エゾシカは19世紀後半の乱獲により個体数が激減したが、エゾシカが消えた地域にエゾナキウサギが進出してきたと推察される。そして、1990年(平成2年)頃からエゾシカの個体数は増加傾向にあり、19世紀に生息していた地域に再進出していると推察される。また、エゾナキウサギとエゾシカの生息地域の棲み分けが、エゾシカ乱獲以前の状態に戻っている可能性も考えられる[4]

保護上の位置付け[編集]

準絶滅危惧(NT)環境省レッドリスト
Status jenv NT.png
夕張岳個体群の個体数が100頭未満であり、生息環境の岩のサイズが小さく生息に適していないことから、絶滅のおそれがあった。また、芦別岳の個体群については詳細な調査が行われていなかったため、状況が不明であった。そこで、まずは夕張・芦別のエゾナキウサギが、第2次レッドリスト(2002)で絶滅のおそれのある地域個体群環境省レッドリスト)に選定された[5][6]
その後、夕張・芦別のエゾナキウサギは研究成果により、従来考えられていたほど孤立した個体群ではないことが判明する。その一方、エゾナキウサギという種全体がもともと生息地面積が狭く、存続基盤が脆弱であることに加えて近年標高の低い地域において個体数が減少している可能性が示唆されていることから、第4次レッドリスト(2012)[7]で準絶滅危惧種に選定し直され[8]2012年(平成24年)8月28日に公表された[9]
IUCNレッドリスト
IUCNレッドリストでは、種にあたるキタナキウサギ本体がLeast Concernに指定されており、亜種のエゾナキウサギもこれに含まれる[10]

脚注[編集]

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参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]