エクソダス:神と王
エクソダス:神と王 | |
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Exodus: Gods and Kings | |
監督 | リドリー・スコット |
脚本 | スティーヴン・ザイリアン |
原案 |
ビル・カレッジ アダム・クーパー |
製作 |
リドリー・スコット ディラン・クラーク ジェノ・トッピング ピーター・チャーニン |
出演者 |
クリスチャン・ベール ジョエル・エドガートン ジョン・タトゥーロ アーロン・ポール ベン・メンデルソーン シガニー・ウィーバー ベン・キングズレー |
音楽 | アルベルト・イグレシアス |
撮影 | ダリウス・ウォルスキー |
製作会社 |
チャーニン・エンターテインメント スコット・フリー・プロダクションズ ヴォルケーノ・フィルムズ バビエカ |
配給 | 20世紀フォックス |
公開 |
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上映時間 | 150分 |
製作国 |
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言語 | 英語 |
製作費 | $140,000,000[1] |
興行収入 |
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『エクソダス:神と王』(エクソダスかみとおう、Exodus: Gods and Kings)は、2014年のアメリカ合衆国の叙事詩的映画。監督はリドリー・スコット、脚色はスティーヴン・ザイリアンが担当し、クリスチャン・ベールが主役を務める。
本作は、旧約聖書の出エジプト記をもとにして、モーゼに率いられたヘブライ人がエジプトを脱出する過程を描写した作品である。 キャスティングや内容的には、パラマウント映画、セシル・B・デミル製作監督、チャールトン・ヘストン主演の『十戒』のリメイク的な要素が強い。
キャスト[編集]
※括弧内は日本語吹き替え
- モーゼ - クリスチャン・ベール(宮内敦士[3])
- ラムセス - ジョエル・エドガートン(小山力也[3])
- セティ - ジョン・タトゥーロ(山野史人)
- ヨシュア - アーロン・ポール(石上裕一)
- ヘゲップ総督 - ベン・メンデルソーン(石川禅)
- ツィポラ - マリア・バルベルデ(杏[3])
- トゥーヤ - シガニー・ウィーバー(駒塚由衣)
- ヌン - ベン・キングズレー(川久保潔)
- ビティア - ヒアム・アッバス(滝沢ロコ)
- マラク - アイザック・アンドリュース(高山みなみ)
- 専門家 - ユエン・ブレムナー(森宮隆)
- 巫女 - インディラ・ヴァルマ(勝生真沙子)
- ネフェルタリ - ゴルシフテ・ファラハニ(長尾雅世)
- 大宰相 - ハッサン・マスード(宮崎敦吉)
- ミリアム - タラ・フィッツジェラルド(水野ゆふ)
- カーヤン司令官 - ダール・サリム(大黒和広)
- アロン - アンドリュー・ターベット(園岡新太郎)
- 書記官 - ケン・ボーンズ(田原正治)
- 総督の側近 - フィリップ・アルディッティ(新城健)
- ゲルショム - ハル・ヒューエットソン(阿久津秀寿)
- 石切場衛兵 - クリストファー・シューレフ(さかき孝輔)
- ダタン - アントン・アレキサンダー(山岸治雄)
- エトロ - ケヴォルク・マリキャン(世古陽丸)
- 当初は小川真司も吹き替えキャストとして出演が予定されていたが、体調不良(後に死去)により収録前に降板した(どの役柄で出演予定だったかは不明)。
製作[編集]
2013年3月15日、Deadline.comはリドリー・スコットがクリスチャン・ベールを主演に迎えて、映画を作ろうとしていると報じた[4]。同年8月13日には、ベール自身がモーセを演じることを認めた[5]。同日、ジョエル・エドガートンがラムセス2世を演じることが発表され、撮影開始は9月と報じられた[6]。スタジオはスペインのアルメリアとペキナに3000人から4000人、フエルテベントゥラ島に1000人から2000人のエキストラを集めた。8月27日、アーロン・ポールがヨシュアを演じることが決定し、ジョン・タトゥーロ、ベン・キングズレー、シガニー・ウィーバーにスタジオが出演オファーを持ちかけていると報道された[7]。
2014年3月7日には、スタジオがタイトルを『Exodus』から『Exodus: Gods and Kings』に変更した[8]。
撮影[編集]
2013年10月にアルメリアのタベルナスとシエラ・アルハミラで撮影が開始された[9][10]。また、追加撮影はイギリスのパインウッド・スタジオで行われた。
ポスト・プロダクション[編集]
2014年7月8日、本作の音楽をアルベルト・イグレシアスが作曲することになったと発表された[11]。
興行収入[編集]
2014年12月11日(木曜日)のレイトショーでの先行上映は2500館余りで実施され、120万ドルを稼ぎ出した[12]。12日には全米3503館で公開され、870万ドルを稼ぎ出した[13][14]。
批評家からの評価[編集]
本作に対する批評家の評価は芳しくない。映画批評集積サイトRotten Tomatoesには169件のレビューがあり、批評家支持率は28%、平均点は10点満点で4.8点となっている。サイト側による批評家の意見の要約は「ところどころ面白いシーンがあり、叙事詩的映画としても相応の物だが、『エクソダス:神と王』は古典的題材を十分に生かし切れていない。」となっている[15]。また、Metacriticには41件のレビューがあり、加重平均値は51/100となっている[16]。
ハリウッド・リポーターのステファン・ファーバーは本作に好意的な評価を下し、「リドリー・スコットは2000年に公開されてアカデミー賞を受賞した『グラディエーター』でローマの叙事詩を見事によみがえらせた。このエジプトの物語は『グラディエーター』と同じ水準であるとは言い難い。しかし、ワイドスクリーンの映像を見て監督の才能が確かなものであることはわかる。3Dという技術の力を借り、目を見張るようなセットがあるので、アドベンチャー映画のファンを楽しませるには十分な映画だといえる。」と述べている[17]。
批判[編集]
いくつかの団体及び人物が、白人ではないモーセやヨシュアを白人の俳優が演じることに対して抗議している。シドニー・モーニング・ヘラルド上において、運動家のターリク・ナッシュウィードは「本作は古代オリエントを舞台としている。それにもかかわらず、古代オリエントの神々や王を演じている全員が白人の俳優で、盗賊や奴隷のような低い身分のエジプト人を演じている全員が黒人の俳優なのはおかしい」と抗議した[18]。また、Twitter上で、本作でセットとして用いられているギザの大スフィンクスの復元像の鼻がヨーロッパ的であると指摘されている[18]。クリスチャントゥデイは、本作に隠された人種差別に抗議する人々が、ネット上で、本作の鑑賞をボイコットする運動を起こしていると報じている[19]。
また、「ピラミッドやスフィンクスの建設はユダヤ教の祖とされるアブラハムが現れる時代よりも500年以上前であるのに、それらをユダヤ人奴隷が建設したことになっている」「ユダヤ人がエジプトを脱出する際に海が真っ二つに割れるのが、モーゼの奇跡ではなく地震によるものとされている」といった点が歴史的に誤っているとして、エジプトとモロッコでは本作の公開が禁止となった[20]。
参考文献[編集]
- ^ a b c “Exodus: Gods and Kings” (英語). Box Office Mojo. 2015年1月29日閲覧。
- ^ 「キネマ旬報」2016年3月下旬号 45頁
- ^ a b c “映画『エクソダス:神と王』日本語版で杏がモーゼの妻役に”. ぴあ映画生活. 2014年12月17日閲覧。
- ^ “Christian Bale Eyeing Moses?”. 2014年8月2日閲覧。
- ^ “‘Exodus’ Confirms Christian Bale as Moses, Casting Joel Edgerton as Ramses”. 2014年8月2日閲覧。
- ^ “Joel Edgerton to Battle Christian Bale in ‘Exodus’”. 2014年8月2日閲覧。
- ^ “Ridley Scott In ‘Exodus’ Talks With Ben Kingsley, John Turturro, Sigourney Weaver, Aaron Paul”. 2014年8月2日閲覧。
- ^ “Ridley Scott's 'Exodus' with Christian Bale gets a title change”. 2014年8月2日閲覧。
- ^ “First look: Christian Bale as Moses in Ridley Scott's 'Exodus'”. 2014年8月2日閲覧。
- ^ “'Exodus': Filmmaker Ridley Scott begins filming in Almeria, Spain”. 2014年8月2日閲覧。
- ^ “Alberto Iglesias to Score Ridley Scott’s ‘Exodus: Gods and Kings’”. 2014年8月2日閲覧。
- ^ “‘Exodus’, ‘Top Five’ Kickstart Weekend With Thursday Shows — UPDATE”. 2014年12月14日閲覧。
- ^ “Forecast: 'Exodus' to Reign Supreme at the Box Office This Weekend”. 2014年12月14日閲覧。
- ^ “Moses Popular With Latinos, Posting Solid Biz In The South & West – Box Office Update”. 2014年12月14日閲覧。
- ^ “Exodus: Gods and Kings (2014)”. 2014年12月14日閲覧。
- ^ “Exodus: Gods and Kings”. 2014年12月14日閲覧。
- ^ “'Exodus: Gods and Kings': Film Review”. 2014年12月14日閲覧。
- ^ a b “Ridley Scott's Exodus film cops complaints about 'racist' casting of Joel Edgerton and Sigourney Weaver”. 2014年8月2日閲覧。
- ^ “'Exodus: Gods and Kings' faces boycott calls over all-white lead cast”. 2014年8月3日閲覧。
- ^ 鯨岡孝子 (2014年12月31日). “リドリー・スコット監督の『エクソダス:神と王』、歴史的に誤りがあるという理由で、エジプトで公開禁止へ”. シネマトゥデイ 2014年12月31日閲覧。
外部リンク[編集]
- 公式ウェブサイト(日本語)
- 公式ウェブサイト(英語)
- エクソダス:神と王 - allcinema
- Exodus: Gods and Kings - インターネット・ムービー・データベース(英語)
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