エカテリーナ・ユンゲ

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エカテリーナ・ユンゲ
Ekaterina Junge
民族衣装を着たユンゲ(1863年)
誕生日 1843年11月24日
出生地 サンクトペテルブルク
死没年 1913年1月20日
死没地 モスクワ
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エカテリーナ・ユンゲ: Екатерина Фёдоровна Юнге / ラテン字母転写の例:Ekaterina Fyodorovna Junge、結婚前の姓:トルスタヤ、 Tolstaya、1843年11月24日 - 1913年1月20日)はロシアの画家、著述家である。ロシアの文豪、レフ・トルストイのいとこで、1890年代になって、回想記を出版した。

略歴[編集]

サンクトペテルブルクに生まれた。貴族の家柄で父親のフョードル・ペトローヴィチ・トルストイ(Fyodor Petrovich Tolstoy: 1783-1873)はロシア帝国美術アカデミーの副会長で、レフ・トルストイ(1828-1910)の父親、ニコライ・イリッチ・トルストイ(Nikolai Ilyich Tolstoy:1794–1837)の兄だった。エカテリーナは父親の2番目の配偶者の娘で、異母姉に作家のマリア・カメンスカヤがいる。

文学や音楽を愛する家庭で、多くの文化人を客として迎えた。10歳になる前のエカテリーナが父親の邸を訪れた、すでに有望な文学者と見なされていたレフ・トルストイに会ったことが、後に回想録に記されている。

1860年から1861年にかけて、両親と一緒にドイツとフランスを経てイタリアに旅し、ダヴィンチの壁画「最後の晩餐」に感銘を受けた。フィレンツェでロシア出身の画家、ニコライ・ゲーや、彫刻家のパルメン・ペトロヴィッチ・ザベロらに会った。

1863年9月に、眼科医で、サンクトペテルブルクの医学校の教授のエデュアルド・ユンゲと結婚した。夫は眼科の教授として働くとともに、ワイン用のブドウ栽培と育種の研究にも取り組んでいた。夫は1883年まで軍の医学校の校長をした後、農学校の校長に転じた。1883年にクリミアに広大な農地を購入し、ワイン造りの実験を始めた。

エカテリーナの画家としての活動は、画家の訓練を父親から受けた後、デュッセルドルフに旅し、風景画家のオスヴァルト・アッヒェンバッハと風俗画家のバンジャマン・ヴォーティエから指導を受け、パリに旅した時は風景画家のシャルル=フランソワ・ドービニーの指導を受けた。水彩で風景を描き、ロシアの水彩画家協会の展覧会に出展した。1864年に美術アカデミーの展覧会で銀メダルを受賞した。

1882年から1887年まで、キエフの美術学校で教師として教え、後にモスクワの美術学校でも教えた。1885年に美術アカデミーの名誉会員の称号を得た。

レフ・トルストイとは1884年に再び会う機会があり、その後、連絡を取り合い、トルストイの小説『ハジ・ムラート』の執筆のための資料を提供したとされる。

作品[編集]

著作[編集]

  • F. P. Tolstoi, Kindheit und Jugend. In: Russisches Kunstarchiv, 1892.
  • Из моих воспоминаній. Iz moikh vospominanīĭ. In: Westnik Jewropy, 1905 .
  • Воспоминания: 1843–1860. Sphinks, Sankt Petersburg 1914.
  • Воспоминания. Переписка. Сочинения. 1843–1911, Kutschkowo, Moskau 2017

参考文献[編集]

  • Junge, Fjodorowna Jekaterina. In: Hans Vollmer (Hrsg.): Allgemeines Lexikon der Bildenden Künstler von der Antike bis zur Gegenwart. * Begründet von Ulrich Thieme und Felix Becker. Band 19: Ingouville–Kauffungen. E. A. Seemann, Leipzig 1926, S. 326.
  • F. I. Bulgakow: Unsere Künstler auf den akademischen Ausstellungen der letzten 25 Jahre [Наши художники на академнческихъ выставкахъ послѣдняго 25-ти лѣтія]. 1890.
  • S. N. Kondakov: Die Kaiserliche Kunstakademie [Кондаков, С. Н.: Академия Императорская художественная / Akademija Imperatorskaja Chudožestvennaja]. Band 2.
  • A. Novizkij: Vorwort zu Vospominanija. 1913.
  • A. Novizkij: Nekrolog. In: Parlament [Рада], 1913, Nr. 22.
  • M. A. Voloshin: Tagebuch. 5/III, 1932.
  • John Milner: A Dictionary of Russian and Soviet Artists 1420-1970. Woodbridge 1993.
  • Yunge, Ekaterina. In: Wolodymyr Kubijowytsch, Danylo Husar Struk (Hrsg.): Encyclopedia of Ukraine. Band 5, University of Toronto Press, Toronto 1993, S. 782.
  • Hans Paffrath, Kunstmuseum Düsseldorf (Hrsg.): Lexikon der Düsseldorfer Malerschule. Band 2, Anhang. Bruckmann, München 1998, ISBN 3-7654-3010-2.
  • Junge, Ekaterina Fedorovna. In: Allgemeines Künstlerlexikon: Bio-bibliographischer Index A–Z. K. G. Saur Verlag, München 2000, Band 5, S. 380.
    • P. D. Tsukanov: E. F. Junge. Katalog von Kunstpostkarten. In: Filokartia. Nr. 2 (8), 2008 (Abb.) [П.Д. Цуканов: Е. Ф. Юнге. Каталог художественных открыток. № 2 (8) журнала „Филокартия“. 2008]