エイケン (企業)
![]() 本社ビル | |
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 |
![]() 〒116-0003 東京都荒川区南千住6丁目56番7号 北緯35度44分9.59秒 東経139度47分42.28秒 / 北緯35.7359972度 東経139.7950778度座標: 北緯35度44分9.59秒 東経139度47分42.28秒 / 北緯35.7359972度 東経139.7950778度 |
設立 | 1969年3月10日 |
業種 | 情報・通信業 |
法人番号 |
1011501005618 ![]() |
事業内容 | アニメーション制作およびその関連事業 |
代表者 | 代表取締役社長 中村達朗 |
資本金 | 1000万円 |
純利益 | 1489万3000円(2020年12月期)[1] |
総資産 |
8億3267万9000円 (2020年12月31日現在)[1] |
従業員数 | 約50名 |
決算期 | 12月31日 |
主要株主 | 株式会社ADKエモーションズ 70% |
関係する人物 |
村田英憲(創業者、初代社長・会長) 毛内節夫(相談役、2代社長) |
外部リンク |
eiken-anime![]() |
株式会社エイケン(英: EIKEN Co.,Ltd.)は、日本のアニメ制作会社。日本動画協会正会員。
沿革[編集]
前史[編集]
1952年、テレビの放送開始に合わせ、テレビ受像機の輸入販売会社として、当時のヤナセ社長である梁瀬次郎の発案で日本テレビジョン株式会社[2](Television Corporation of Japan Co.,Ltd.、以下TCJ)が設立。しかし、テレビの普及が予想以上に早かったことから、1950年代半ばにはサイドビジネスとしてテレビCMの制作に手を出すようになり、間もなくそのCM制作の方が本業になっていた。そのCM制作の際にいわゆるアニメCMを多く手掛けていた事が、エイケン発足のきっかけとなる。
TCJ映画部発足~動画センター分社設立[編集]
1963年、『鉄腕アトム』の影響でアニメブームが起きる直前、アニメCMの制作陣を分離独立する形で、TCJ映画部を発足。彼らを真っ先にテレビアニメ制作に当たらせ、『仙人部落』を制作した。その後、『鉄人28号』のヒットで、経営は軌道に乗る。最盛期には作画から編集に至るまで300名以上の従業員を抱えていた。
1969年4月、日本テレビジョンが株式会社テイ・シー・ジェーに商号変更した際に、テレビアニメ制作を担っていた映画部が株式会社テイ・シー・ジェー動画センターとして分社化(登記は3月10日)。映画部部長の村田英憲が社長に就任し、これを現在のエイケンの創業とした。同時期、これまでアニメ制作の中心だった企画室長の高橋茂人が上司の村田と袂を分かつ形で独立し、瑞鷹[3]を興した。分社に伴って人員を大幅に削減して経営をスリム化。社屋も東京都港区港南(品川)から荒川区南千住の東京スタジアム(現在の荒川総合スポーツセンター)付近に移転した。
1969年10月5日、『サザエさん』(フジテレビ系列)放送開始。1979年9月16日に最高視聴率となる39.4%を記録(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム)し、放送開始から半世紀以上経過した現在も安定した視聴率を獲得する長寿番組に成長。国民的アニメとして広く認知される。以後、『サザエさん』の制作がエイケンの経営の柱となる。また、『サザエさん』はアニメ業界のデジタル化、ハイビジョン化を経てもハンドトレス、セル彩色、フィルム撮影といったアナログ作業工程を長らく堅持し続けた。映画用フィルムやセル画材の生産終了、アナログ作業に対応可能な外注先の事業撤退・廃業など物理的要因が重なり、2013年10月6日放送分よりデジタル作業工程に移行している。
エイケンに商号変更~現在[編集]
1973年5月、TCJが保有株式をすべて譲渡したことにより、同社及びヤナセからは資本的に独立。株式会社エイケンに商号を変更した。社名は梁瀬が村田の名前「英憲」(ひでのり)の音読み(えいけん)を採用して命名した。株式譲渡に伴ってTCJはアニメーション制作事業から撤退したため、映画部ならびに動画センター時代に手掛けた作品の著作権は一部を除いてエイケンに移管されている。

1976年10月1日、『ほかほか家族』放送開始。これ以降、フジテレビによる教養・情報系ミニアニメ(ミニ番組)枠は一貫してエイケンが制作を担当し、『親子クラブ』に至るまで幾度の放送時間変更を繰り返しながら続いた。同番組終了後もミニアニメ枠は維持され、2016年からは『ぼのぼの』を制作・放映している。
1990年、自社ビル落成。現在地に社屋移転。
2002年7月、広告代理店のアサツー ディ・ケイ(ADK)がエイケンの発行済み株式の70%を取得。同時にフジテレビが10%を取得してADKの関係会社となった。
2007年には、代表取締役社長の村田が代表取締役会長に就任し、副社長の毛内節夫が代表取締役社長に就任した。
2008年、東京国際アニメフェア2008にて、村田が第4回功労賞表彰を受章。
2014年、「エイケンクラシカル」ブランドを立ち上げ。ベストフィールドにより、初期作品のDVD-BOXが展開された。
2017年8月31日、村田英憲が代表取締役を退任し、名誉会長に就任した[5]。
2018年3月10日、2019年に分社化から50周年を迎えるのに伴い「エイケン50周年プロジェクト」を開始。併せてエイケンがこれまで制作した人気アニメの登場キャラクターが集合したメインビジュアルも公開された[6]。
2018年3月27日、毛内節夫が代表取締役を退任して取締役相談役に異動したことに伴い、取締役の中村達朗が代表取締役社長に昇任した。
作品履歴[編集]
TCJ時代
タイトル | 放送期間 | 放送局 | 備考 |
---|---|---|---|
仙人部落 | 1963年-1964年 | フジテレビ | TCJ名義 |
エイトマン | TBS | TCJ動画センター名義 | |
鉄人28号 | 1963年-1966年 | フジテレビ | TCJ名義 |
スーパージェッター | 1965年-1967年 | TBS | |
宇宙少年ソラン | |||
遊星少年パピイ | 1965年-1966年 | フジテレビ | |
遊星仮面 | 1966年-1967年 | ||
冒険ガボテン島 | 1967年 | TBS | |
スカイヤーズ5 | |||
サスケ | 1968年-1969年 | ||
忍風カムイ外伝 | 1969年 | フジテレビ | TCJ動画センター名義 |
サザエさん | 1969年-放送中 | TCJ動画センター名義→エイケン | |
動物村ものがたり | 1970年 | NET | TCJ動画センター名義 |
ばくはつ五郎 | TBS | TCJ名義 | |
のらくろ | 1970年-1971年 | フジテレビ | TCJ動画センター名義 |
忍風カムイ外伝 月日貝の巻 | 1971年 | アニメ映画 | |
スカイヤーズ5(カラー版) | 1971年-1972年 | TBS | TCJ名義 |
おんぶおばけ | 1972年-1973年 | 読売テレビ | TCJ動画センター名義 |
エイケン時代
タイトル | 放送期間 | 放送局 | 備考 |
---|---|---|---|
冒険コロボックル | 1973年-1974年 | 読売テレビ | |
ジムボタン | 1974年-1975年 | 毎日放送 | |
イルカと少年 | 1975年 | TBS | フランスとの合作 |
UFO戦士ダイアポロン | 1976年 | ||
ほかほか家族 | 1976年-1982年 | フジテレビ | |
UFO戦士ダイアポロンII アクションシリーズ | 1976年-1977年 | 東京12チャンネル | |
キャプテン(スペシャル版) | 1980年 | 日本テレビ | |
どんべえ物語 | 1981年 | ||
キャプテン(TVシリーズ版) | 1983年 | ||
ガラスの仮面 | 1984年 | ||
銀河パトロールPJ | フジテレビ | フランスとの合作 | |
ドタンバのマナー | 1984年-1987年 | ||
六三四の剣 | 1985年-1986年 | テレビ東京 | |
ことわざハウス | 1987年-1994年 | フジテレビ | |
志村けんのだいじょうぶだぁ | 1987年-1993年 | オープニングタイトルアニメーション制作 | |
ハーイあっこです | 1988年-1992年 | 朝日放送 | |
シートン動物記 | 1989年-1990年 | 日本テレビ | サンシャインコーポレーション・オブ・ジャパンと共同制作 |
コボちゃんスペシャル 秋がいっぱい!! | 1990年 | 読売テレビ | |
コボちゃんスペシャル 夢いっぱい!! | 1991年 | ||
生命の科学ミクロパトロール | OVA | フランスとの合作で、日本ではOVAとしてリリースされた | |
コボちゃん(TVシリーズ版) | 1992年-1994年 | 読売テレビ | 実制作はメルヘン社 |
クッキングパパ | 1992年-1995年 | 朝日放送 | 実制作はサンシャインコーポレーション・オブ・ジャパン |
コボちゃんスペシャル 祭りがいっぱい! | 1994年 | 読売テレビ | |
親子クラブ | 1994年-2013年 | フジテレビ | 制作協力:ワック、ロケットビジョン(2009年頃~) |
いじわるばあさん(第2作) | 1996年-1997年 | 実制作はメルヘン社 | |
きこちゃんすまいる | TBS | 実制作はマジックバス | |
男はつらいよ 寅次郎忘れな草 | 1998年 | ||
コボちゃんスペシャル 約束のマジックディ | 読売テレビ | ||
すてき!さくらママ | 2000年-2001年 | BSフジ | 初のデジタル制作作品 |
ゴーゴー五つ子ら・ん・ど | 2001年-2002年 | TBS | 実制作はマジックバス |
ゴキブリちゃん | 2005年 | TBSチャンネル | |
プレイボール | 2005年-2006年 | 民間放送各局 | 実制作はマジックバス |
鉄人28号ガオ! | 2013年-2016年 | フジテレビ | シリーズ制作協力(作画工程)はTYOアニメーションズ |
ぼのぼの | 2016年-放送中 | シリーズ制作協力(作画工程)はゆめ太カンパニー |
パイロットアニメ
タイトル | 制作年 | 備考 |
---|---|---|
アルプスの少女ハイジ | 1967年 | パイロットフィルム、TCJ名義 |
ケネディ騎士団 | パイロットフィルム、TCJ動画センター名義 | |
ワタリ | 1969年 | パイロットフィルム、TCJ名義 |
家電クンフー | 2009年 | パイロットアニメ |
関連人物[編集]
製作・プロデューサー[編集]
- 鷺巣政安
- 小室常夫
- 毛内節夫
- 関孝行
- 一色弘安
- 小野辰雄
- 渡辺米彦
- 霜田正信
- 山口秀憲
- 田中洋一
- 芝原豊(プロデューサー兼制作進行)
- 清水菜未(アシスタントプロデューサー)
- 小林利雄(元宣弘社代表取締役社長)
- 松本美樹(元宣弘社プロデューサー)
- 松下洋子(元常務取締役、キティ・フィルム→アサツー ディ・ケイ出身)
アニメーター・演出家[編集]
その他[編集]
- 野坂律子(脚本家、文芸担当)
- 江川真規(美術→文芸担当)
- 面出明美(脚本家、元文芸担当)
- 成島由紀子(脚本家、元文芸担当)
- 大浜誠(脚本家、元文芸担当)
- 中座洋次(草薙創業者、元美術担当)
- 藤田勉(スタジオWHO代表、元美術担当)
- 中島理(フリー、元美術担当)
- 宇田川幸勅(宣伝担当、現:テレビせとうち)
- 近藤栄三(制作担当、元総合ビジョンプロデューサー、現:NHKエンタープライズ)
- 吉田宰祐(制作担当)
- 貝田貴仁(制作担当)
脚注[編集]
参考文献[編集]
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- 『アニメーションノート No.04』(ISBN 4-416-80678-7)、誠文堂新光社 、2006年、44-57頁。
- 小野耕世 『高橋茂人、日本におけるテレビCMとTVアニメの創世記を語る(TCJからズイヨーへの歴史)』「京都精華大学紀要」26号、2004年。
- 但馬オサム, 鷺巣政安:「アニメ・プロデューサー鷺巣政安 さぎすまさやす・元エイケン製作者」、ぶんか社、ISBN 978-4821144266 (2016年4月15日)。
外部リンク[編集]
- 公式サイト
- ㈱エイケン【公式】 (@EK_eiken) - Twitter
- エイケン公式チャンネル - YouTubeチャンネル