エアスピネル

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エアスピネル
Air-Spinel IMG 2111r2 20151220.JPG
現役期間 2015年 -
欧字表記 Air Spinel
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 栗毛[1]
生誕 2013年2月10日(5歳)[1]
死没 (現役競走馬)
キングカメハメハ[1]
エアメサイア[1]
母の父 サンデーサイレンス[1]
生国 日本の旗 日本北海道千歳市[1]
生産 社台ファーム[1]
馬主 ラッキーフィールド[1]
調教師 笹田和秀栗東[1]
競走成績
生涯成績 16戦4勝[1]
獲得賞金 3億6158万0000円[1]
(2018年4月22日現在)
 
勝ち鞍
GII デイリー杯2歳ステークス 2015年
GIII 京都金杯 2017年
GIII 富士ステークス 2017年
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エアスピネル (:Air Spinel)は、日本競走馬である。主な勝ち鞍は2015年のデイリー杯2歳ステークス (GII)、2017年の京都金杯富士ステークス (GIII)。馬名の由来は、冠名+タイに伝わる伝説の竜の形をした馬[2]

現役時代[編集]

2歳(2015年)[編集]

2015年9月12日阪神第5レース(阪神競馬場芝1600m)[3]でデビューし、単勝1.9倍の1番人気に推される[4]。パドックでは馬っ気を出すなど幼い面も見せていたが[5]、レースでは3番手を進み、最後の直線でハリケーンバローズが外から並びかけようとするところを突きはなし、2馬身差で快勝[4]。タイムは1分34秒5であった[4]。なお、このときエアスピネルから5馬身差の3着馬は翌年のシンザン記念で後の桜花賞ジュエラー[6]をクビ差[7]抑え勝利する[7]ロジクライだった[3]。また、奇しくもデビューを勝利で飾った9月12日[3]は母のエアメサイアが亡くなってちょうど1年経った日であった[注 1]

新馬戦後の9月17日、エアスピネルは宮城県にある山元トレーニングセンター(以下山元トレセン)に放牧に出された[9]。調教師の笹田は、「秋が深まった頃に復帰」とコメントした[9]

2戦目は11月14日京都デイリー杯2歳ステークス(京都競馬場芝1600m、GII)に出走[10]が降り[11]稍重馬場状態の中で開催された[11]。1番人気こそデビュー3連勝中で中京2歳ステークス(オープン)と小倉2歳ステークス(GIII)を制したシュウジ[12]に譲ったものの、レースでは逃げるシュウジをマークする展開のあと、最後の直線で肩ムチを一発入れただけでシュウジをあっさりかわし、2着馬シュウジに施行距離が1600mになってから最大の着差となる3馬身半差をつけて[11]2連勝を飾った[10]

朝日杯FS、最後の直線の様子
(奥の緑帽がエアスピネル・2015年12月20日)

3戦目となった12月20日の朝日杯フューチュリティステークス(以下朝日杯FS。阪神競馬場芝1600m、GI)[13]は、母エアメサイアの主戦を務め、エアスピネルのデビューから3戦続けて騎乗する武豊の史上初JRAGI全制覇なるかどうかという一戦であり、単勝1.5倍の圧倒的な1番人気に支持された[14]。レースでは中団を進み、最後の直線残り300mで持ったまま先頭に立つ。そこから他馬を引き離すも大外から2番人気リオンディーズの強襲に遭い、残り100mあたりで並ばれ、残り50メートル地点で差し切られ2着[15]。GI制覇には3/4馬身及ばなかった[15]。しかし3着シャドウアプローチに4馬身差つけており[15]、負けてなお強しという結果だった。奇しくも、10年前の2005年に行われた第66回優駿牝馬(オークス)でリオンディーズの母シーザリオがエアメサイアを後方からゴール寸前で差し切ったのと似た結末となり、大記録を逸した武は「そこまでお母さんに似なくていいのにね」とコメントした[14]

朝日杯FS後は山元トレセンへ放牧に出され、クラシック一冠目、皐月賞を目指すことが発表された[16]0

3歳(2016年)[編集]

年内初戦として、皐月賞トライアルの弥生賞(中山競馬場芝2000m、GII)[注 2]に出走。このレースでは、朝日杯FS覇者の1番人気リオンディーズ(1.9倍)、2連勝で若駒Sを勝った2番人気マカヒキ(2.6倍)、そしてエアスピネル(4.2倍)の3頭が人気を分け合い、4番人気タイセイサミットのオッズ20.8倍が示す通り3強の争いとなった[17]。エアスピネルは先団に位置し、直線では3強の争いになったが、途中からマカヒキとリオンディーズが競り合う形となり、エアスピネルはそれについていくも上位2頭から2馬身離れた3着に終わった[17]。しかし4着馬タイセイサミットには5馬身差付けており、負けてなお強しといった内容だった。マカヒキの勝ちタイムは1分59秒9で、弥生賞が1984年に2000mで施行されるようになってから初めて2分を切るタイムだった[注 3][19]。エアスピネル自身は2分0秒2で走破したが[18]、これも1993年ウイニングチケットの2分0秒1に次ぐ速いタイムだった[注 3]。エアスピネルに騎乗した武は「不思議な感覚です。いいレースができて、馬自身も最後までしっかり走っています。普通なら勝てるレベルの内容の3着でした。今年の馬たちは強い。」と語った[19][注 4]。リオンディーズにはまたも先着を許した[18]が、3着以内に与えられる皐月賞の優先出走権は得た。

迎えたクラシック三冠第1戦・皐月賞(中山競馬場芝2000m、GI)[注 5]に4番人気で出走[22]。また、初めてメンコを着用しての臨戦となった[注 6]。レースでは、先行策をとり直線に入るときには3番手と早めにスパートをかけた。しかし迎えた直線、先に先頭に立ったリオンディーズと並んだ際リオンディーズが斜行し不利を受ける[注 7]。その頃後方から鋭い脚で伸びてきた8番人気の共同通信杯ディーマジェスティに交わされ、またマカヒキやきさらぎ賞サトノダイヤモンドにも交わされリオンディーズとの4着争いの末5位で入線した[25]が、審議になった[24]。約15分の審議の末、最後の直線でリオンディーズがエアスピネルに馬体を寄せに行った際に進路妨害したとして[24]、4位入線のリオンディーズは5着に降着[24]、そこからハナ差[23]で5位入線のエアスピネルは4着に繰り上がりとなった[23]。降着が適用されたのは2013年に降着制度が変更されて[注 8]から、GIでは初の事例となった[23]

続く日本ダービー(東京競馬場芝2400m、GI)[注 9][26]では3連敗を喫したこともあり7番人気と評価を落とした[27]。レースでは常時単独5番手に付け最終コーナーでは徐々に前へ詰めていった。最後の直線では隙を見つけそこから先頭に立ち、そのまま残り100m地点まで粘るも、追い込んできたマカヒキやサトノダイヤモンド、ディーマジェスティに交わされ4着[27]。その結果について、騎乗した武は「生まれた年が悪かった。」とコメントした[21][注 4]

日本ダービーの後は、山元トレセンへ放牧に出された[28]。その後、神戸新聞杯からクラシック三冠第3戦・菊花賞に向かうことが発表された[29]

秋初戦となった菊花賞トライアルの神戸新聞杯(阪神競馬場芝2400m、GII)では、本競走に出走する予定だった[30]2歳時からのライバル、リオンディーズが浅屈腱炎を発症した[31]ため回避し[32]、不在となった[注 10]。人気では、サトノダイヤモンドの1強ムードとなった。エアスピネルは、少し差の開いた2番人気に支持された[注 11]。レースでは、珍しく鞍上の武が後方待機策を選択。しかし最後の直線で思うように伸びず5着に敗れた[34]

そして迎えたクラシック三冠のラスト一冠、菊花賞(京都競馬場芝3000m、GI)[35]。単勝オッズは1番人気のサトノダイヤモンドが2.3倍[36]、2番人気のディーマジェスティが3.2倍[36]、3番人気のカフジプリンスが11.7倍[36]と、完全な2強ムードとなった。エアスピネルは3000mという距離への不安がささやかれ[37]、20.5倍の6番人気[36]と評価を低くしてしまった。レースでは、スタートしてすぐ鞍上の武豊が、内に入れる好騎乗を見せたが、エアスピネルは道中かかって[注 12]しまう[37]。常時3番手をキープし迎えた最後の直線では、先に抜け出したサトノダイヤモンドを追走する形となった。ディーマジェスティは振り切ったものの、9番人気であり札幌記念古馬に混じり3着だった[38]後の春の天皇賞レインボーラインにゴール前交わされ3着となった[36]。武はレース後、「折り合っていたら違っていたと思う」とコメントした [39]

菊花賞後は山元トレセンへ放牧に出され[40]、年内は休養に充てた[40]。翌年はマイル路線に転向し、上半期の最大目標を安田記念とすることが発表された[41]。また、年明け初戦に京都金杯中山金杯のどちらに出走するか定まっていなかったものの[42]、その後京都金杯に出走することも発表された[41]

4歳(2017年)[編集]

年明け初戦には1月5日に行われた京都金杯(京都競馬場芝外1600m、GIII)に出走。久々のマイル戦で、前走の菊花賞から1400mもの距離短縮となったため、うまく対応できるかという不安要素はあったものの[43]、単勝1.8倍の圧倒的な1番人気に支持された[44]。レースでは落ち着かない面も見せたが、中団あたりで競馬を進めると最後の直線で末脚を伸ばし、同じ4歳馬のブラックスピネルに強襲されはしたものの、ハナ差、推定僅か14㎝差[45]しのいで優勝[46]。デイリー杯2歳S以来[46]、実に約1年2か月ぶりの勝利となった。騎乗した武は、この勝利により31年連続重賞制覇の記録を達成した[47]

続いてもマイル戦の東京新聞杯(東京競馬場芝1600m、GIII)に出走。10頭立てと少数頭で行われ[48]、ここでも単勝1.8倍の1番人気に推される[48]。レースでは、まずまずのスタートを切るとちょうど中団の5番手あたりに位置を取る[48]。良いスタートで先頭に立った、斤量が1kg軽いブラックスピネル[48]が前半1000ⅿ62.2秒[49]のスローペース[49]を作り出し、中団以下に控える馬にとって苦しい展開となった。前走とは違いなんとか折り合いをつけてレースを進めたものの、最後の直線では逃げたブラックスピネルの脚は衰えず、逆に引き離しにかかった。エアスピネルは外から差し切りを図るも、同じ4歳馬で斤量が1kg軽いプロディガルサン[48]に競り掛けられるとそのまま交わされ、最後はブラックスピネルが逃げ切り1着、エアスピネルは3着と、人気を裏切る結果に終わった。そして前走で破ったブラックスピネル、菊花賞で11着[35]のプロディガルサンにも先着を許してしまった。なお、上がり3ハロンタイムは優勝馬ブラックスピネルが32秒7[48]、2着プロディガルサンは東京マイル史上最速[50]の32秒0[48]、3着エアスピネルは32秒3[48]、本競走に出走した最も遅い馬でも33秒3[48]と、いわゆる「ヨーイドン」の展開となり[51]、エアスピネルがそれを苦手とすることが露呈する結果となった[51]

東京新聞杯後は山元トレセンに短期放牧に出され[52][53]マイラーズカップから中5週のローテーションで安田記念を目指すことが発表された[54][53]

4月23日、予定通り[54]マイラーズカップ(京都競馬場芝1600m、GII)に出走。本競走が行われる京都マイルのコースは、今まで2戦無敗[50]、重賞2勝を挙げ[50]得意としているコースであった。人気では2014年の皐月賞馬イスラボニータ、前走東京新聞杯で先着を許した同じく4歳馬ブラックスピネルらを抑え、混戦模様の中、3.1倍の1番人気に推される[55]パドック返し馬の際はいつも通りメンコを着用していたものの、ゲート入りの前の輪乗りの段階で外し、弥生賞以来となるメンコなしでの臨戦となった。レースではややかかる[注 12]そぶりを見せるも中団の外で控えて進めた[55]。最終コーナーで外目からいい手ごたえで進出すると、最後の直線では逃げ粘るサンライズメジャーやその外から並びかけるヤングマンパワーをエアスピネルが外から交わそうと並びかけると、エアスピネルと同じく中団でレースを進めていた[55]2番人気イスラボニータが内側から馬群の間を縫って進出し、並びかけられ互いに上がり3ハロン32.9秒の脚を使い合う[55]競り合いとなる[56]も、最後はイスラボニータに半馬身及ばず2着[55]。重賞3勝目とはならなかった。

6月4日、2017年上半期の最大目標に掲げていた安田記念(東京競馬場芝1600m、GI)に出走[57]。迎えた本番のレースでは、鞍上の武が後方からの競馬を選択し、第3コーナー付近では後方3番手まで位置取りを下げ、内側で待機した。レースは前半600mが33秒9[57]とややハイペースで推移し、迎えた最後の直線、内側から強襲を試みるもう前の馬群が壁となり進出することができず、そのまま残り200mを通過した[58]。しかしそこからばらけた馬群を捌いて伸びるも[58]前には届かず、5着に敗れた[59]。なお、勝利した7番人気サトノアラジン[60]から2着ロゴタイプまではクビ差[57]、そこから3着レッドファルクスまでもクビ差[57]、更にそこから4着グレーターロンドンまでもクビ差[57]、更に5着エアスピネルまでもそこからクビ差[57]で入線し、着順掲示板の着差欄は全て「クビ」が表示されるという珍事となった。レース後、武は「直線はなかなか前が開かなかった。」[61]また、「4コーナーで前にレッドファルクスに入られたのが痛かったです。勢いがあっただけにあのワンプレーがなければ勝てていたかもしれないです。」とコメントした[58]

7月19日、管理調教師の笹田和秀がエアスピネルの次走を札幌記念8月20日札幌競馬場芝2000ⅿ、GII)にすることが発表された[62]。だが、その鞍上はデビューから12戦手綱を執り続けてきた武豊でなく[62]、クリストフ・ルメールになることが明らかにされた[62]。それは武が同日に小倉競馬場で行われるメイショウカイドウ誘導馬引退式に出席すること[63]北九州記念に騎乗するためであった[注 13]。また天皇賞・秋を見据え、武は天皇賞でキタサンブラックに騎乗するため、エアスピネルには騎乗できないことから、その前哨戦である札幌記念から鞍上交代することとなった[65]

迎えた8月20日、皐月賞以来の2000m戦、さらに初経験の洋芝コースとなった札幌記念では、13頭立ての中8枠13番と大外枠からの発走となった[66]。抜群のスタートを切ると[65]、新たな鞍上のルメールが先行策を選び1番人気のヤマカツエースを見ながら3番手を外目からの追走で競馬を進めた。最終コーナーで進出し、最後の直線で一旦は先頭に並びかけるもそこから伸びあぐね、勝利した伏兵サクラアンプルールや伏兵ナリタハリケーン、更にヤマカツエースやサウンズオブアースにもかわされ5着[66]。レース後、騎乗したルメールは「リラックスして問題なかったけど、4コーナーで反応が遅かった。止まってないけど伸びてない。距離は少し長いと思う」と2000mを敗因に挙げた[67]。安田記念と札幌記念の2戦続けての5着を喫し、今後へ課題を残す結果となった[65]

その後、札幌記念の結果を受け、秋の目標を天皇賞・秋ではなくマイルチャンピオンシップ (以下マイルCS)に決定し、その前哨戦として一時はスワンステークス (10月28日、京都競馬場芝1400m、GII)への出走の可能性が示唆されていたが[68]、最終的に富士ステークス (10月21日、東京競馬場芝1600m、GIII)への出走が決定した[69]。また鞍上は前走札幌記念に騎乗したルメールからもともともの主戦騎手である武豊に戻ることも決定した[69]

10月21日、マイルCS前哨戦の富士ステークスに出走。降り続く雨の影響で、不良馬場の中開催された[70]。単勝オッズは3.9倍ながら1番人気に推された[70]。レースでは先頭集団に加わり、中団より前で進め、最終コーナーで早くも先頭に立つと鞍上の武がエアスピネルを馬場の中央より外に出し、ムチを2発ほど入れただけでそのままリードを保ち、追い込みを図った2着イスラボニータ[注 14]に2馬身差つけ快勝[70]。京都金杯以来となる[72]、重賞3勝目を飾る[70][72]とともに、1着馬に与えられるマイルCSへの優先出走権を獲得した[72]。レース後、 騎乗した武は「完勝でしたね。スタートが良かったし、道中も良い走りができた。道悪も苦にしませんでした。どんな距離も走るけど、マイルが一番安定している」[72]と、道悪[注 15]への適性があること、様々な距離を走る中でマイルが一番安定していることを明らかにした[72]。また、調教師の笹田は「稍重のデイリー杯2歳ステークスを勝っているので、馬場はこなすと思っていました。ジョッキーがうまく前で競馬をしてくれたし、不利なく、スムーズな競馬ができた。強かったですね。いつもより前で競馬をしていたので、後ろから来られるんじゃないかと思ったけど、押し切ってくれました。マイル戦は競馬がしやすいし、左回りだと折り合いがつく。次はマイルチャンピオンシップに武豊騎手で行きます。GIを取れる力はあるので、何とかタイトルを取らせたい」と述べた[72]

前哨戦を快勝し、マイルチャンピオンシップ(11月19日、京都競馬場芝1600ⅿ、GI)へ向けて調整されていたエアスピネルだったが、11月8日に主戦騎手の武が調教中に落馬し負傷[73]。右膝の内側側副靱帯損傷と診断され[73]、エアスピネルはライアン・ムーアへの乗り替わりとなることが発表された[73]。その理由について調教師の笹田は、「武豊騎手の怪我の状態と舞台がGIであることを考慮しオーナーサイドと最善の形を取った」と述べた[73]

迎えたマイルチャンピオンシップは、前日に降った雨が残り、稍重の馬場状態の中開催された。人気は前走先着したイスラボニータに次ぐ2番人気に支持された。6枠11番[74]からスタートすると常時中団前で競馬を進め、最終コーナーにかけて徐々に進出、最後の直線では早めに抜け出して外目から先団をまとめて交わし、一気に先頭に立つとそのまま勝利するかと思われたが、後方待機から直線で馬群の間を縫って伸びてきたペルシアンナイトに強襲され、最後は首の上げ下げとなりほとんど同時に入線した。写真判定の結果ハナ差で敗れ2着[75][76]。6度目の挑戦で悲願のGI制覇を僅か20cmでまたも逃してしまう結果となった[77]。勝ったペルシアンナイトは3歳馬で、3歳馬の勝利は史上4頭目17年ぶりであった[76][注 16]。またデムーロ自身もJRA・GI年間最多勝タイとなる6勝目を挙げた[76][注 17]。そんな中、エアスピネルに騎乗したムーアは「反応が良すぎて、早めに抜け出してしまった」と述べた[75]

マイルCS後は山元トレセンへ放牧に出され[78]、年内はレースには出走せず休養に充てることが発表された。

5歳(2018年)[編集]

1月17日、エアスピネルは栗東トレーニングセンターに帰厩[79]。調教師の笹田により、始動戦を中山記念2月25日、中山競馬場芝1800m、GII)とし[79]、その後マイラーズカップ(4月22日、阪神競馬場芝1600m、GII)から安田記念(6月3日、東京競馬場芝1600m、GI)での悲願のGI制覇を目指すことが発表された[80][79]。また、前走マイルCSでムーアが騎乗した[80]ため鞍上に注目が集まったが、主戦騎手の武に戻ることが発表された[79][80]。笹田は「去年は京都金杯から始動したけど、今年はハンデを考えて見送りました。武豊騎手とのコンビで予定しています。」とコメントした[79]

しかし2月14日、右前橈骨(とうこつ)に骨膜炎を発症したため中山記念を回避することが発表された[81]。調教師の笹田は「程度としては軽いもの。大事を取って来週は見送ることにしました。」とコメントした[81]。その後は放牧に出され[81]、マイラーズカップで復帰する予定が発表された[81]

骨膜炎で中山記念を回避し[82]、山元トレセンで手当を受けたエアスピネルであったが[82]4月22日、安田記念の前哨戦であるマイラーズカップ(GII)に前年同様に出走。前年のマイルCS以来5か月ぶりの実戦であったが1番人気に支持された[83]。レースでは中団で待機すると最終コーナーで進出し、最後の直線でモズアスコットを捉えにかかるも差が縮まらず、さらに後方から前年のマイルCS3着馬サングレーザーに交わされ、一度も先頭に立つことなく3着に敗れた[84]。サングレーザーの勝ちタイム1分31秒3はコースレコード更新となった[84]。騎乗した武は「次はよくなる」とコメントした[83]

しかし5月9日、調教師の笹田により、安田記念を回避することが発表された[85]。笹田は「今週まで楽をさせたが、疲労が抜けないため安田記念には間に合わないと判断した。今週中に山元トレセンへ放牧に出す。」[85]また、「前走の疲労が抜けず、反動が出ている。レースまであと3週間あるが、間に合いそうにないので」[86]と述べた。マイラーズカップから疲労回復が長引いたことによる判断であった[85]。その後は山元トレセンに放牧に出され[85]、復帰は秋になる見込み[85]

競走成績[編集]

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2015.09.12 阪神 2歳新馬 芝1600m(良) 11 5 5 001.90(1人) 01着 01:34.5(33.9) -0.3 武豊 54.0 (ハリケーンバローズ) 480
0000.11.14 京都 デイリー杯2歳S GII 芝1600m(稍) 14 8 13 002.60(2人) 01着 01:35.9(34.0) -0.6 武豊 55.0 (シュウジ) 482
0000.12.20 阪神 朝日杯FS GI 芝1600m(良) 16 6 11 001.50(1人) 02着 01:34.5(34.0) -0.1 武豊 55.0 リオンディーズ 484
2016.03.06 中山 弥生賞 GII 芝2000m(良) 12 4 4 004.20(3人) 03着 02:00.2(34.4) -0.3 武豊 56.0 マカヒキ 484
0000.04.17 中山 皐月賞 GI 芝2000m(良) 18 7 15 016.10(4人) 04着 01:58.4(35.5) -0.5 武豊 57.0 ディーマジェスティ 480
0000.05.29 東京 東京優駿 GI 芝2400m(良) 18 3 5 021.30(7人) 04着 02:24.4(34.0) -0.4 武豊 57.0 マカヒキ 476
0000.09.25 阪神 神戸新聞杯 GII 芝2400ⅿ(良) 15 4 7 006.70(2人) 05着 02:26.4(34.5) -0.7 武豊 56.0 サトノダイヤモンド 476
000. 010.23 京都 菊花賞 GI 芝3000m(良) 18 7 13 020.50(6人) 03着 03:03.7(34.6) -0.4 武豊 57.0 サトノダイヤモンド 478
2017.01.05 京都 京都金杯 GIII 芝1600m(良) 18 3 6 001.80(1人) 01着 01:32.8(34.9) -0.0 武豊 56.5 ブラックスピネル 480
0000.02.05 東京 東京新聞杯 GIII 芝1600m(良) 10 7 7 001.80(1人) 03着 01:35.0(32.3) -0.1 武豊 57.0 ブラックスピネル 484
0000.04.23 京都 マイラーズC GII 芝1600ⅿ(良) 11 4 4 003.10(1人) 02着 01:32.3(32.9) -0.1 武豊 56.0 イスラボニータ 484
0000.06.04 東京 安田記念 GI 芝1600m(良) 18 4 8 005.90(2人) 05着 01:31.7(33.9) -0.2 武豊 58.0 サトノアラジン 476
0000.08.20 札幌 札幌記念 GII 芝2000ⅿ(良) 13 8 13 003.80(2人) 05着 02:00.8(35.7) -0.4 C.ルメール 57.0 サクラアンプルール 480
0000.10.21 東京 富士S GIII 芝1600ⅿ(不) 15 4 6 003.90(1人) 01着 01:34.8(35.0) -0.3 武豊 57.0 (イスラボニータ) 476
0000.11.19 京都 マイルCS GI 芝1600ⅿ(稍) 18 6 11 004.20(2人) 02着 01:33.8(34.6) -0.0 R.ムーア 57.0 ペルシアンナイト 480
2018.04.22 京都 マイラーズC GII 芝1600m(良) 14 3 4 002.90(1人) 03着 01:31.6(33.9) -0.3 武豊 56.0 サングレーザー 478

血統[編集]

血統背景[編集]

父はNHKマイルカップをレースレコードで、東京優駿(日本ダービー)をコースレコードで勝利し、いわゆる「変則二冠」を達成したキングカメハメハ[87]、母は秋華賞の勝ち馬であるエアメサイア[88]。エアメサイアの祖母のアイドリームドアドリーム[89]は、クラシック二冠馬エアシャカール[90](父サンデーサイレンス)やクイーンSの勝ち馬で優駿牝馬(オークス)2着などの成績を残したエアデジャヴー[91](父ノーザンテースト)、後述のエアラグーン[92]などを輩出した。そしてそのエアデジャヴーがエアメサイアの母である。エアデジャヴーはエアメサイアの他にAJCC勝ち馬エアシェイディ[93]などを輩出、本馬はエアメサイアの全兄にあたる(エアメサイアもエアシェイディも父サンデーサイレンス)。またエアラグーンは毎日王冠鳴尾記念などの勝ち馬エアソミュール[94]を輩出している。エアスピネルの全弟にはエアウィンザーがいる[95]

エアスピネルの母方の近親馬(主な馬のみ掲載)

アイドリームドアドリーム(1987・父Well Decorated)[牝][89]
エアデジャヴー(1995・父ノーザンテースト)[牝][91]
||エアシェイディ(2001・父サンデーサイレンス)[牡][93]
||エアメサイア(2002・父サンデーサイレンス)[牝][88]
|||エアスピネル(2013・父キングカメハメハ)[牡][1]
|||エアウィンザー(2014・父キングカメハメハ)[牡][95]
エアシャカール(1997・父サンデーサイレンス)[牡][90]
|エアラグーン(1998・父サンデーサイレンス)[牝][92]
||エアソミュール(2009・父ジャングルポケット)[牡][94]

また、エアスピネルはNorthern Dancer(以下ND)の5×5×4のインブリードを持つ[96](父キングカメハメハはNDの4×4のインブリードを持つ[97])。

血統表[編集]

エアスピネル血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系

キングカメハメハ
2001 鹿毛
父の父
Kingmambo
1990 鹿毛
Mr. Prospector
1970 鹿毛
Raise a Native
Gold Digger
Miesque
1984 鹿毛
Nureyev
Pasadoble
父の母
*マンファス
1991 黒鹿毛
*ラストタイクーン
1983 黒鹿毛
*トライマイベスト
Mill Princess
Pilot Bird
1983
Blakeney
The Dancer

エアメサイア
2002 鹿毛
*サンデーサイレンス
1986 青鹿毛
Halo
1969
Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well
1975
Understanding
Mountain Flower
母の母
エアデジャヴー
1995 鹿毛
*ノーザンテースト
1971 栗毛
Northern Dancer
Lady Victoria
*アイドリームドアドリーム
1987 鹿毛
Well Decorated
Hidden Trail
母系(F-No.) アイドリームドアドリーム系(FN:4-r) [§ 2]
5代内の近親交配 Northern Dancer 5・5×4 [§ 3]
出典
  1. ^ [96]
  2. ^ [96]
  3. ^ [96]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ エアメサイアは、2014年9月12日に放牧中の事故により死亡した[8]
  2. ^ レース詳細は「第53回弥生賞」を参照。
  3. ^ a b ちなみに2着馬リオンディーズも1分59秒9で走破した[18]。現在と過去では芝の高速化の影響もあるため、単に比べることはできない(過去の勝ち馬、タイムについては「弥生賞#歴代優勝馬」を参照)。
  4. ^ a b 弥生賞での武のコメント[19]により2016年3歳クラシック世代がマスコミなどによって「最強世代」[19]や「ハイレベル世代」[20]などと呼ばれるようになったといわれている[19]。そしてダービーでのコメント[21]もそれらを意識したものであった。
  5. ^ レース詳細は「第76回皐月賞」を参照。
  6. ^ メンコは勝負服に合わせた黄色青色のデザインだった(母エアメサイアのものと同様)。
  7. ^ エアスピネルの外にはサトノダイヤモンドが追い込んできたため、3頭が並ぶ形となった。リオンディーズの斜行によりエアスピネルが体勢を崩し、さらにそれの影響を受けたサトノダイヤモンドも不利を受けたが[23]、加害馬であるリオンディーズに先着したため着順変更はなかった[24][23]
  8. ^ リオンディーズとエアスピネルの入線時の着差はハナ差だったため[23]、新ルールの降着の基準である「その走行妨害がなければ被害馬が加害馬に先着していた」という項目を適用しやすかったといわれている[23]。新ルール詳細は「降着制度」を参照。
  9. ^ レース詳細は「第83回東京優駿」を参照。
  10. ^ その約2週間後、リオンディーズの現役引退及び種牡馬入りが発表された[33]
  11. ^ サトノダイヤモンドは1.2倍、エアスピネルは6.7倍[34]
  12. ^ a b かかる=騎手が手綱を抑えても馬が指示に従わず前に行きたがること。この状態ではスタミナを必要以上に消耗しレースを不利に進めることになる。詳細は「折り合い」を参照。
  13. ^ 武はこの北九州記念をダイアナヘイローで制している[64]
  14. ^ 鞍上は前走札幌記念でエアスピネルに騎乗していたC.ルメールであった[71]
  15. ^ 道悪(みちわる)=馬場の含水量が多く湿った状態。道悪適性で成績が大きく左右されることもある。
  16. ^ 過去の3歳での勝利はサッカーボーイ1988年)、タイキシャトル1997年)、アグネスデジタル2000年)の3頭。
  17. ^ 2017年内のマイルCSまでのデムーロのGI制覇はゴールドドリームフェブラリーS)、サトノクラウン宝塚記念)、レッドファルクススプリンターズS)、キセキ菊花賞)、モズカッチャンエリザベス女王杯)での5勝。

出典[編集]

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外部リンク[編集]