ウルヴァリン: X-MEN ZERO

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ウルヴァリン: X-MEN ZERO
X-Men Origins: Wolverine
監督 ギャヴィン・フッド
脚本 デイヴィッド・ベニオフ
スキップ・ウッズ
製作 ヒュー・ジャックマン
ローレン・シュラー・ドナー
ラルフ・ウィンター
ルイス・G・フリードマン
ジョン・パレルモ
製作総指揮 リチャード・ドナー
スタン・リー
音楽 ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
撮影 ドナルド・マカルパイン
編集 ニコラス・デ・トス
メーガン・ギル
製作会社 20世紀フォックス
マーベル・エンターテインメント
ザ・ドナーズ・カンパニー
シード・プロダクションズ
配給 20世紀フォックス
公開 アメリカ合衆国の旗 2009年5月1日
日本の旗 2009年9月11日
上映時間 108分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ニュージーランドの旗 ニュージーランド
オーストラリアの旗 オーストラリア
言語 英語
製作費 $150,000,000[1]
興行収入 $371,376,142[2]
前作 X-MEN: ファイナル ディシジョン(X-MENシリーズ前作)
次作 X-MEN: ファースト・ジェネレーション(X-MENシリーズ次作)
ウルヴァリン: SAMURAI(ウルヴァリンシリーズ次作)
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ウルヴァリン: X-MEN ZERO』(- エックスメン ゼロ、X-Men Origins: Wolverine)は、2009年アメリカ映画

概要[編集]

マーベル・コミック」のアメリカン・コミックX-メン』の人気キャラクター「ウルヴァリン」を主人公とした映画作品スピンオフシリーズとしての第1作品目である。映画『X-MEN』シリーズのスピンオフ(外伝)作品で、第1作目『X-MEN』の前日譚でもある。

日本では9月11日公開。

ストーリー[編集]

1845年カナダで、若きジェームズ・ハウレットはグランドキーパーをしていたトーマス・ローガンによって父親が殺害されるのを目撃する。そのショックによってジェームズのミュータント能力が覚醒し、骨の鉤爪が手から生え、そしてローガンを刺し殺した。だがローガンは死の間際に自分こそがジェームズの父親であると告げる。

ジェームズはその後、以後1世紀以上にわたって兄のビクター・クリードとともに生き延び、南北戦争や2度の世界大戦に参加して戦い方を学んだ。ベトナム戦争のときに、ビクターは村人へ暴行を行おうとし、さらに上官を殺してしまう。ジェームズは兄をかばったため、2人は銃殺処刑されるが、再生能力のために失敗した。そこへ軍人のウィリアム・ストライカーが現れ、エージェント・ゼロウェイド・ウィルソンジョン・ライスフレッド・デュークスクリス・ブラッドリーらを含むミュータントで編成された特殊部隊「チームX」へ2人をスカウトする。2人はチームに加わるが、ジェームズはグループの非人道的な行いに疑問を持ち、やがて脱退する。

6年後、ジェームズはローガンと名乗るようになり、恋人のケイラ・シルバーフォックスと共にカナダで暮らしていた。そこへストライカー大佐が現れ、何者かがチームXのメンバーを殺しているとローガンに警告する。

その後まもなく、ビクターによってケイラは殺害され、ローガンも重傷を負う。ストライカーは、ビクターを倒す方法を教えるとしてローガンに不壊の金属「アダマンチウム」によって骨格を強化する「ウェポンX」計画を受けさせる。手術の前にローガンは、「ウルヴァリン」と記された新しい認識票を求めた。

だが手術中にストライカーの巨大な陰謀の発言をローガンは聞き、ストライカーの研究所から脱出。その後エージェント・ゼロを含む軍隊からも追われるようになり指名手配された。

その一方、ストライカーはウェイド・ウィルソンに改造手術を行い、元チームXの仲間を始めとする多くのミュータントの能力(ローガンの不死身、ライスの短距離テレポート、サイクロップスの破壊光線など)を兼ね備える超人兵器「ウェポンXI(イレブン)」を誕生させ、ウルヴァリンの抹殺を命令する。

登場人物[編集]

主人公[編集]

ジェームズ・ハウレット / ローガン / ウルヴァリン
本作の主人公
本名はジェームズ・ハウレット。子供の頃は病気がちで、よく熱を出して寝込んでいた。ある時に父親のジョンがトーマスに殺されるのを目撃し、そこで彼は手の甲から骨の爪を出す能力に目覚め、トーマスを刺し殺す。自分の実の父親がジョンではなくトーマスであると死に際の彼から教えられ、母親の不貞の事実と父親殺しの光景に酷く錯乱した彼は家を飛び出してしまう。すぐに彼を追ってきたビクターに諭され、その後はビクターと行動を共にしていく。彼の壮大な物語の始まりであった。
それからビクターと共に150年以上にわたって生きていき、その時代の数々の戦争に身を投じていく。
銃撃を負っても致命傷になることが無いほどの脅威的な回復力を持ち[3]、手の拳の間から3本の骨の爪を出す事ができる。のちに改造によって彼の骨格にアダマンチウムを注入されたことで、3本の骨の爪もアダマンチウムの刃となる。長い間戦場に身を投じてきた経験により、改造前からミュータント能力を利用しての高い戦闘力を持つ。
喫煙(葉巻)が好きで、戦争中でも吸っている。また、悪人に対しては容赦なく殺人を行うが、民間人の殺害などにはためらいを見せ、それがビクターとの確執となっていく。チームXの非人道的な面を見て、チームXから抜ける決断をする。他にもミュータント能力を元の持ち主に返したいなどと発言していた。
終盤にストライカーに「アダマンチウム製の弾丸」で眉間を撃ち抜かれ、脳を損傷する。致命傷には至らなかったが、目論見通り全ての記憶を失ってしまう。彼に残ったのは「ローガン」「ウルヴァリン」というドッグタグネームと、その能力だけとなった。

チームX[編集]

ビクター・クリード / セイバートゥース
本作のもう一人の主人公である男性ミュータント。鋭い爪を主とした獣を思わせる戦闘術と高いヒーリング・ファクターを持つ。
ローガンの兄であり、お互いの出自と本性を深く理解していると同時に反目し合う仲となっていく。幼少の頃から爪は独特の形をしており、すでにミュータント能力は覚醒していた模様。ローガンが殺人衝動を否定するのに対し、ビクターはそれを肯定し、戦場でのレイプや民間人殺害にも全くためらいを見せない殺人狂である。
チームXとしてスカウトされるも、ローガンが袂を分かったことで二人の確執は決定的となる。数年後にチームメイトであったブラッドリーを殺害し、ついにローガンの前に現れて彼の恋人であったシルバーフォックスを殺害して因縁を作りあげる。
戦闘力はかなり高く、爪の一撃を用いた近接攻撃を得意とし、ヒーリング・ファクターで銃撃をも物ともしない。ローガンと同じく年を取らず不老。走る際には四足歩行の動物のようなモーションでビルの壁すら駆け上れる。強化される前のローガンを圧倒し、彼の骨の爪をへし折ることで憎しみを増幅させることに成功する。だがアダマンチウムで強化されたローガンとの戦闘では増強された筋力とアダマンチウムの攻撃力に完敗する。ローガンとほぼ同じ能力を持つが、ウェポンXへの強化手術は耐えられないとストライカーに判断されている。そのため、コミックなどでのアダマンチウムの牙と爪は装備されていない。
ジョン・ライス
テレポート能力を持つ男性ミュータント。陽気で親切な性格。
チームXでは戦闘向きではないためか表に出ることは少なかった。その後、ビクターを探すローガンに協力するも、ビクターとの戦闘でテレポートの移動場所を読まれて体内に拳を突き込まれ[4]、絶命する。
クリス・ブラッドリー
電気関連の超能力を持つ男性ミュータント。電気の通うものならばエレベーターから模型の電車、電球までなんでも操れる。
チームXに参加していたが、後に脱退。移動サーカスで「1ドルで三回チャレンジ、電球を消して見せろ」という芸で小銭を稼いでいた(実際には能力で操っているため、何をやろうが消すことはできない)。ビクターに居場所を突き止められ、殺害される。
フレッド・デュークス
巨体と怪力を持つ男性ミュータント。かっとなりやすい。
チームXに参加していた当時は戦車の弾丸を拳で止めるほどの頑強な体をしていた。
後に脱退するも、摂食障害により肥満体型となってしまう。ボクシングジムで減量に励んでいるが、真面目にやっておらず、あまり成果は見られない。「デブ」は禁句。
ストライカーの情報を知っており、それをネタにウルヴァリンとのボクシング勝負をする。
エージェント・ゼロ
超人的な動体視力などの身体能力を持ち、常人には到底不可能なスピードでの銃捌きを行えるミュータント。アジア系。
ローガン脱退後もチームXに所属してストライカーに協力し続ける。民間人の殺害司令をも何のためらいもなく実行するなど性格は冷酷非道。アダマンチウムで強化されたローガンの脱走時に追撃任務を行うも、乗っていたヘリを撃墜される。重傷を負い「お前がいると罪のない良い人が死ぬ」とローガンを嘲笑した後、漏れていた燃料に火を付けられて[5]機体ごと爆発して死亡する。
ウェイド・ウィルソン / デッドプール / ウェポンXI(イレブン)
日本刀を用いた二刀流を操る男性ミュータント。おしゃべりで減らず口をよく叩く。外国語に堪能。
日本刀などの手持ちの武器を超振動させ切断力を高めることができる特殊能力と、自身に連射されるマシンガンからの銃弾を全て見切って斬り落とせるほどの身体能力を持つミュータントで、ストライカーからも「無駄口さえ叩かなければ“最高の兵士”」と評されるほどに、その戦闘力を高く買われていた。
その後、死亡したとされていたが、実際は「ウェポンXI計画」の素体に利用されていた。ミュータントキラー「デッドプール[6]」として働く生体兵器「ウェポンXI(イレブン)」に変貌を遂げて映画後半に登場する。アダマンチウムの骨格に加え[7]、ヒーリング・ファクターを始めとした様々なミュータント能力の移植実験体となり、ストライカーにとっての“最高の兵士”へと変貌させられた。
ローガンと対峙した際には口を縫われた挙げ句癒着されたように封じられ、一言も喋れなくされていた。本人の意識も奪われており、ストライカーが操作するパソコン端末からの指令に従って行動する。ローガンの爪のように両腕の中にアダマンチウム製の刀身を持ち、同じように皮膚を突き破らせて取り出して使う。他にもジョン・ライスのテレポート能力や、捕獲されていた(後の)サイクロップスのオプティック・ブラストの能力を使用した。オプティック・ブラストを使用する時には、コミックでデッドプールが使用しているマスクに似た黒い模様が目の回りに浮かび上がる。
ローガンとビクターの2人を相手に互角の戦いを繰り広げるが、オプティック・ブラストを防いで熱せられたアダマンチウムの爪で首を切断され敗れる。
しかしエンドロール終了後、瓦礫の中で本体の手が何かを探すように動き、頭部に触れた瞬間に蘇生。いつの間にか縫合が解けた口で、画面越しの鑑賞者側にカメラ目線で「シィー」と口止めを求めるような声を発した。
ウィリアム・ストライカー
ミュータントにより編成された特殊部隊「チームX」を作りだした男で、本作の全ての元凶。
軍隊で銃殺刑となっても生き延びたローガンとビクターを見出し、自らの戦闘部隊「チームX」へと編入させる。性格は冷酷で目的のためなら如何なる手段をも問わない。ローガンが脱退後もチームXは活動を続けるが、ビクターとエージェント・ゼロ以外のメンバーは次々脱退していた模様。ビクターに関してはローガンに「脱走して行方は判らない」と話していたが、実際には彼らはずっと協力関係にあり、全てはローガンを強化する「ウェポンX計画」の一部であり、その強化にも成功してみせる。ローガン脱走後も権限を拡大し、研究施設である「島」で「ウェポンXI(イレブン)計画」を進めていた。
実は息子がミュータントで妻を殺害されるという事件が起きており、その怨恨が彼のミュータントへの態度と非人道性への遠因となっている。

主人公の恋人・友人[編集]

ケイラ / シルバーフォックス
ローガンがチームXから離脱して6年たった後に登場する女性。
ローガンと恋人となるが、ビクターに殺害される。彼女の言葉がローガンに「ウルヴァリン」を名乗らせる切っ掛けとなる。
実は彼女の死は偽装されたものであり、全てはストライカーの計画であったことが明かされる。彼女自身もミュータントであり、同じく能力を持った妹を人質に取られていた。接触することで精神を操作する能力を持つが、ローガンとの愛情は能力ではなく真実の物であり、彼を深く愛していた。またビクターにはその能力が通用していない。
レミー・ルボー / ガンビット
ローガンがチームXから離脱した6年後に登場する。
ストライカーの実験施設「島」で2年間人体実験を受け、脱走した過去を持つ。当初はローガンを追っ手だと思いこんでいた。
現在はカードゲームで生活費を稼いでいる。「島」にいた頃からギャンブルが得意で周囲を湧かせていたことから、「ガンビット」の異名を得た。個人で飛行機を所有している。人体実験に関して2年間地獄を味わったといい、もう「島」には戻らないと発言している。
物体にエネルギーを込め、それを自在に放出する能力をもち、作中ではカードにエネルギーを込めて弾丸のように射出したり、得意とする棒術でエネルギーを大地に流し込んで衝撃を与える事などが出来る。また、能力の応用でエネルギーを溜めることで垂直の壁面を走り、放出することで大ジャンプするといった離れ業も見せた。
研究施設を壊滅させることを条件に「島」にローガンを連れていく。一度は別れたが、後にローガンの危機に駆けつけ命を救ったり、捕らえられた子供達を逃がすのに協力するなど根はいい人物。
ミュータントの子供達
ウェポンXIのためにかき集められたミュータント能力を持つ少年少女。全員が施設内で拘束されていたが、ローガンの活躍で脱出する。
その中にまだ能力をコントロール出来ていないスコット・サマーズ(サイクロップス)がおり、既に光線発射能力を持っている。彼の能力は解析され、ウェポンXIに移植されている。脱出時にプロフェッサーXに誘導され、彼に保護された。
また、ケイラの妹のエマも劇中で自分の肉体を硬化させるミュータント能力を見せている。

キャスト[編集]

役名 俳優 日本語吹替
ローガン(ウルヴァリン) ヒュー・ジャックマン 山路和弘
ビクター・クリード(セイバートゥース リーヴ・シュレイバー 石塚運昇
ウィリアム・ストライカー ダニー・ヒューストン 野島昭生
ケイラシルバーフォックス リン・コリンズ 安藤麻吹
レミー・ルボー(ガンビット テイラー・キッチュ 平田広明
ジョン・ライスケストレル ウィル・アイ・アム 江川央生
ウェイド・ウィルソン(デッドプール / ウェポンXI ライアン・レイノルズ [8] 加瀬康之
エージェント・ゼロ ダニエル・ヘニー 磯部弘
クリス・ブラッドリー(ボルト ドミニク・モナハン 中國卓郎
フレッド・デュークス(ブロブ ケヴィン・デュランド 乃村健次
スコット・サマーズ(サイクロップス ティム・ポーコック 宮野真守
エマ・フロスト(ケイラの妹) ターニャ・トッティ 安原麗子
ジェームズ・ハウレット(幼少時のローガン) トロイ・シヴァン 本城雄太郎
ジョン・ハウレット(ジェームズの父) ピーター・オブライエン
エリザベス・ハウレット(ジェームズの母) アリス・パーキンソン
幼少時のビクター マイケル=ジェームス・オルセン 海鋒拓也
トーマス・ローガンThomas Logan・ビクターの父) アーロン・ジェフリー
マンソン将軍 スティーヴン・リーダー 大塚周夫
トラヴィス・ハドソン マックス・カレン 藤本譲
ヘザー・ハドソン ジュリア・ブレイク 翠準子
チャールズ・エグゼビア(プロフェッサーX パトリック・スチュワート 大木民夫

スタッフ[編集]

Blu-ray/DVD[編集]

20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパンより2010年1月22日Blu-ray Disc2月3日DVDの2フォーマットをリリース。

  • Blu-ray
    • ウルヴァリン:X-MEN ZERO ※2枚組/初回生産限定
※初回生産限定はキラーパッケージ仕様。またデジタルコピー用DVDも付属した2枚組。
  • DVD
    • ウルヴァリン:X-MEN ZERO ※2枚組特別編/初回生産限定
※初回生産限定は特典ディスクの中にデジタルコピー用ファイルを収録。

※先着予約特典として、Blu-ray/DVDのどちらにもMARVEL製の限定カバーアートブックを付属。

続編[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ Tourtellotte, Bob (2008年5月4日). “"Wolverine" slashes rivals in debut”. Reuters. 2009年5月24日閲覧。
  2. ^ X-Men Origins: Wolverine (2009)”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2009年10月5日閲覧。
  3. ^ プロローグのジョンの発言から、ミュータントとして覚醒する前から常人よりも治癒力が高かった描写がある
  4. ^ 瞬間移動終了間際に自身の骨格が露わになる隙を突かれ、背骨をもぎ取られた。
  5. ^ 地面に突き立てたアダマンチウム爪から飛び散った火花が燃料に引火
  6. ^ 本編1時間17分頃に、ストライカーがミュータントキラーとなる存在の通称として呼称。
  7. ^ ただし、決戦時にはまだ骨格とアダマンチウムの結合が完全には終了していなかった
  8. ^ スタント:スコット・アドキンス

外部リンク[編集]