ウランバートル・レールバス
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ウランバートル・レールバス(蒙: Улаанбаатар рэйлбус、英: Ulaanbaatar Railbus)は、モンゴル国の首都ウランバートル市で運行されていた鉄道ベースの公共輸送システムである。2000年代以降にウランバートル市内道路の混雑が悪化した[1]ことを踏まえて導入されたが、利用が広がらず運行停止した[2]。
概要
[編集]ウランバートル鉄道が所有するウランバートル市内の既存鉄道インフラを活用して運行された[3]。首都ウランバートル市内の西側にあるTolgoit駅から始まり、市内中心部を通って、市内の東側にあるAmgalan駅へ至る1路線であった。 運行ルートには、駅が全8駅ある[4]。
駅一覧
[編集]Tolgoit駅とウランバートル駅間は、本サービス導入のために複線化された[3]。
車両
[編集]本サービスのために、385万ドル[3]の予算を投じてロシアのメトロワゴンマッシュ製RA-2レールバス2両編成が導入された。
サービスの開始と終了
[編集]2014年6月6日に運行が開始され、翌7日からは時刻表に基づく定時運行が開始された。平均速度100 km/h (60 mph)、Tolgoit駅からAmgalan駅の間を所要時間45-47分で結んだ[7]。午前・午後にそれぞれ3往復が設定され、運賃は1駅ごとに500トゥグルグ、Tolgoit~Amgalanの乗り通しで3500トゥグルグであった[5]。
しかし、開業から3ヶ月を経て乗車人数が30~40人程度の日もある[8]など旅客が伸び悩んだ[9]。原因として運賃の高さと、駅が中心市街から遠いことなどが指摘された[2]。赤字額は5億トゥグルグに達し[10]運行は停止された。RA-2レールバスはウランバートルとダルハンを結ぶ列車に転用された[2][9]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ Baatarzorig 2014, p. 3.
- ^ a b c 24tsag 2015.
- ^ a b c Baatarzorig 2014, p. 4.
- ^ Uchral, G. (2014年6月19日). “Railbus: A time saver for Ulaanbaatar”. UB Post. オリジナルの2016年3月4日時点におけるアーカイブ。 2014年7月16日閲覧。
- ^ a b c MNEWS 2014.
- ^ a b c “ウランバートル市内のレールバス”. UB RAILFAN. 2025年9月4日閲覧。
- ^ “City Railbus in service from today”. English News MN. (2014年6月6日) 2025年9月4日閲覧。
- ^ “Алдагдалтай ажиллаж буй “Railbus”-ыг албаныхан татан буулгах сонирхолгүй байна [当局は赤字レールバスを清算せず]”. (2014年9月26日) 2025年9月4日閲覧。
- ^ a b Baatarzorig, Mandkhai; Toi, Satoshi; Kajita, Yoshitaka (2018-08). “A Study on Alternative Urban Transportation Mode Choices in Ulaanbaatar City of Mongolia” (PDF). 九州大学工学紀要 (九州大学大学院工学研究院) 78 (3): 3.
- ^ “レールバス運行、赤字額が5億トゥグルグに”. 国営モンツァメ通信社. (2025年9月21日) 2025年9月4日閲覧。
参考文献
[編集]- BAATARZORIG, Mandkhai; TOI, Satoshi; KAJITA, Yoshitaka; OEDA, Yoshinao; MATSUNAGA, Chiaki. “A Study on Transportation Infrastructure Investment Issues in Urban Areas in Ulaanbaatar, Mongolia” (PDF). 土木計画学研究・講演集 49 (290): 1-9.
- “"Railbus"-ийн зорчигч тээвэрлэх цагийн хуваарь [レールバス旅客輸送スケジュール]”. (2014年6月7日). オリジナルの2014年6月10日時点におけるアーカイブ。
- “Өндөр үнээр худалдаж авсан Railbus хаачсан бэ? [高額で買ったレールバスはどこへ?]”. (2015年10月8日) 2025年9月4日閲覧。