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ウコンラッパバナ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウコンラッパバナ
ウコンラッパバナの花
(Wikimedia Commonsより)
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : キク類 asterids
階級なし : シソ類 garryidae
: ナス目 Solanales
: ナス科 Solanaceae
: ラッパバナ属(ソランドラ属) Solandra
: ウコンラッパバナ
S. maxima
学名
Solandra maxima (Sessé & Moc. ex Dunal) P.S.Green
シノニム

Datura maxima Moc. & Sessé ex Dunal

和名
ウコンラッパバナ
英名
cup of gold vine, golden chalice vine, Copa de Oro, or Hawaiian lily

ウコンラッパバナ(学名:Solandra maxima)はナス科つる性常緑樹。和名と英名は花の色と形にちなむ[1]

特徴

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長さ2–7 m、20mに達するともされる。茎の節から気根を出して他物に絡みつき這い上がる。葉は楕円形で長さ12–20 cm、表面に光沢があり厚く、全縁で互生する。長い葉柄を持つ。花は径10–20 cmの巨大なラッパ状で、花冠はくすんだ黄色鬱金色)で、5裂して先は反転し、内側に紫色のすじが入る。花は微かな芳香を放つ。開花時の花色は緑白色で、徐々に黄色に変化する。雄しべは5本。花期は12–5月[2][3][4][5][6][1][7]。樹液は有毒であり注意を要する[7]

原産地と利用

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メキシコ[3][5][6][1][7]~熱帯アメリカ[2][4]原産。つる植物の中では大きな花をつける植物として知られ[6]、熱帯~亜熱帯の各地で庭や公園へ地植え、棚仕立てやパーゴラの他、フェンスや壁面緑化に用いられる[4][6][7]。挿し木で繁殖可能で[3][4]、気根のついた茎を挿し木すると容易に根付く[2]。日当たりの良い湿り気のある肥沃な場所を好むが[4]、窒素肥料が多すぎると花がつきにくい。新芽の先に花をつけるので、剪定整枝により鉢栽培も可能。冬季は6–8℃以上を保てば越冬可能[5]。徒長枝が出やすいため適宜間引き剪定を行い樹姿を整える必要がある。病虫害の発生は少ない[4]

近縁種

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  • ナガラッパバナ S. longiflora
キューバ[3]西インド諸島[5]原産。白~淡黄色の花を咲かせる。花径はウコンラッパバナよりやや小さいが、長さは30 cmと大きく[4]、内側に紫色のすじが入る[3]

ギャラリー

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脚注

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  1. ^ a b c (沖田原 2021, p. 447)
  2. ^ a b c (池原 1979, p. 83)
  3. ^ a b c d e (白井 1980, p. 28)
  4. ^ a b c d e f g (海洋博記念公園管理財団 1997, p. 144)
  5. ^ a b c d (高林 1997, pp. 4–6)
  6. ^ a b c d (平良ほか 2009, p. 148)
  7. ^ a b c d (林 & 名嘉 2023, p. 56)

参考文献

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  • 池原直樹「ウコンラッパバナ」『沖縄植物野外活用図鑑 第2巻 栽培植物』新星図書出版、1979年。 
  • 白井祥平「ウコンラッパバナ、ナガツツラッパバナ」『沖縄園芸植物大図鑑』 4巻《熱帯花木》、沖縄教育出版、那覇市、1980年。 
  • 海洋博記念公園管理財団「ウコンラッパバナ」『沖縄の都市緑化植物図鑑』新星出版、那覇市、1997年。ISBN 9784902193732 
  • 高林成年 著「ソランドラ・マクシマ、ソランドラ・ロンギフロラ」、岩槻邦男ら監修 編『朝日百科 植物の世界』 3巻、朝日新聞社、東京、1997年、4–6頁。ISBN 9784023800106 
  • 平良一男; 新里隆一・仲村康和・松田正則「ウコンラッパバナ」『沖縄 花めぐり』沖縄都市環境研究会、2009年。 
  • 沖田原耕作「ウコンラッパバナ」『おきなわの園芸図鑑 園芸植物とその名前』新星出版、那覇市、2021年。ISBN 9784909366832 
  • 林将之; 名嘉初美「ウコンラッパバナ」『沖縄の身近な植物図鑑』(第2版)ボーダーインク、2023年。ISBN 9784899824350 

外部リンク

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