ウクライナ人の名前

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ウクライナ人の名前 

概要[編集]

10世紀末以前のウクライナにおいて、古スラブ語圏に共通する名前は、もっとも一般的な名前であった。そのような名前は、語頭と語尾をあわせた二重構造を持っていた。『ルーシ年代記』によれば、典型的な語頭と語尾、そしてその意味は以下ほどのものであった。

語頭と語尾をあわせ、多様な意味をもつ名前をつくることができた。その数例は次の表に載せてある。

また、古スラブ人は悪霊・病霊を払うために子供に否定的な意味を持つ名前を与えることもあった。この風習は19世紀初めまでにウクライナの農村部に残存されていた。そのような名前に以下ほどのものが含まれている。


キエフ大公国がキリスト教を受容すると、ウクライナの住民は伝統的なスラヴ系名前のほかに洗礼名を有するようになった。例えば、ヴォロディームイル聖公の伝統的な名前は「ヴォロディームイル」と、聖バシレオスにちなむ「ヴァスィーリ」の洗礼名という2つの名前をもっていた。また、彼の息子ヤロスラーヴ賢公も、伝統的な名前の「ヤロスラーヴ」で、聖ゲオルギウスにちなむ洗礼名の「ユーリイ」を有した。普段は、洗礼名が秘密の名前とされたので、公の場では伝統的な名前しか使用されなかった。10世紀から17世紀までに子供に両名を与える風習があったが、伝統的な名前は次第に廃れ、洗礼名だけが本人の名前をさすようになった。

さらに、ヘブライ語ギリシア語ラテン語から来た多くの名前はウクライナ語化し、ウクライナ人の好みにあわせて略語化された。本来の名前のウクライナ語化・略語化を示すのは以下の表である。