ウォンバット

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ウォンバット
ヒメウォンバット
ヒメウォンバット Vombatus ursinus
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 双前歯目 Diprotodontia
亜目 : Vombatiformes
: ウォンバット科 Vombatidae
学名
Vombatidae Burnett, 1829[1]
タイプ属
Vombatus Geoffroy, 1803
和名
ウォンバット科[2]
属・種

ウォンバットは、双前歯目ウォンバット科(ウォンバットか、Vombatidae)に分類される構成種の総称。名前はアボリジニの言葉で「平たい鼻」を意味する。生態は異なるがコアラに近い種族である。

分布[編集]

オーストラリアクイーンズランド州の一部、及び、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、南オーストラリア州、西オーストラリア州、タスマニア州の低木林や草原に分布する[3]

形態[編集]

頭胴長は70-110cm、尾長は25-60mm、体重は19-33kg[3]。尾は痕跡的[4]。ヒメウォンバット属は粗い、ケバナウォンバット属は柔らかい体毛で被われる[2]。雌のほうが雄よりも大きい。ずんぐりとした体付きで、内股で歩く。

ヒメウォンバット属の耳介は短く丸みを帯びるが、ケバナウォンバット属の耳介は長く三角形[2]。ヒメウォンバット属の吻端は裸出する(鼻鏡がある)が、ケバナウォンバット属は吻端が短い体毛で被われる[2]。歯は無根歯で、一生伸び続ける[4]。四肢は短い[4]。体色は黒、褐色、灰色。頑丈な前脚を持ち、トンネル状の大きな巣穴を作る。

分類[編集]

以下の分類・英名はMSW3(Groves, 2005)、和名は(阿部・小野, 1992)(白石, 1992)に従う[1][2][5]

生態[編集]

草食性で植物の葉や根を食べる。夜行性で昼間は主に巣穴の中で過ごすが、曇りの日などはエサを求め動き回ることもある。1腹1子。短い距離であれば、時速40kmほどで走ることができる[3]

人との関わり[編集]

ウォンバットの掘った巣穴にトラクターや家畜が落ちることがあるため害獣とされ、かつては駆除されていたこともあるが、現在は保護動物である[3][6]。しかし、現在も南オーストラリア州西オーストラリア州南部において、不法に駆除されることがあり減少を止められていないが、政府や動物保護団体などが保護している[7]。キタケバナウォンバットはクイーンズランド州のエッピング・フォレスト国立公園のみに分布が限られ[2]、家畜の放牧などにより生息数は減少し家畜の侵入を防ぐ柵が設けられるなど保護対策が進められている[4]

2016年5月現在、日本では東山動物園名古屋市)や、五月山動物園池田市)などでウォンバットを見ることが出来る。過去には多摩動物公園日野市)でもオス1頭が1986年9月より飼育展示されていたが、2014年11月に死亡した[8]。 飼育下では人に良く馴れ、人懐っこく人との接触を好む。

おとなしい性質だが、極めて稀に人を襲うこともある。ある事故では被害者がキャラバンから降りた際に、疥癬にかかったことにより興奮状態になったウォンバットの上に立ってしまったことが原因で襲われた。[9]

画像[編集]

参考文献[編集]

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  1. ^ a b Colin P. Groves, "Family Vombatidae," Mammal Species of the World, (3rd ed.), Volume 1, Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (ed.), Johns Hopkins University Press, 2005, pp. 43-44.
  2. ^ a b c d e f 白石哲 「おとなしい「穴掘り名人」 ウォンバット」『動物たちの地球 哺乳類I 2 カンガルー・コアラほか』第8巻 38号、朝日新聞社1992年、60-61頁。
  3. ^ a b c d Cath Jones and Steve Parish, Field Guide to Australian Mammals, Steve Parish Publishing, ISBN 174021743-8
  4. ^ a b c d e 橘川次郎 「キタケバナウォンバット」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ7 オーストラリア、ニューギニア』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社、2000年、138頁。
  5. ^ 阿部永・小野勇一編著 「有袋目(フクロネズミ目)の分類表2」『動物たちの地球 哺乳類I 2 カンガルー・コアラほか』第8巻 38号、朝日新聞社、1992年、64頁。
  6. ^ デイビッド・バーニーほか編 日高敏隆ほか日本語版監修 『世界動物大図鑑』、ネコ・パブリッシング、2004年初版第2刷、95頁
  7. ^ Wombat killing 'out of control' LARINA STATHAM October 01, 2009 12:01am[リンク切れ]
  8. ^ ウォンバット「チューバッカ」が死亡しました”. 東京ズーネット. 2016年5月1日閲覧。
  9. ^ jp.reuters.com - オーストラリアの男性、ウォンバットに襲われ病院に。telegraph.co.uk - Man in hospital after wombat attack. Bonnie Malkin, Telegraph, 2010年4月9日閲覧。news.sky.com[リンク切れ] - Bushfire Victim Hurt In Freak Wombat Attack. Adam Arnold, SKy News Online, 2010年4月9日閲覧

関連項目[編集]