ウォタルー街

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ウォタルー街
Waterloo Road
監督 シドニー・ギリアット
脚本 シドニー・ギリアット
原案 ヴァル・ヴァレンタイン英語版
製作 エドワード・ブラック英語版
出演者 ジョン・ミルズ
スチュワート・グレンジャー
ジョイ・シェルダン
ジーン・ケント
アラステア・シム
撮影 アーサー・クラブトゥリー英語版
編集 アルフレッド・ルーム英語版
製作会社 ゲインズボロ・ピクチャーズ英語版
配給 イギリスの旗 ジェネラル・フィルム・ディストリビューターズ英語版
日本の旗 ニッポンシネマコーポレーション
公開 イギリスの旗 1945年2月5日[1]
日本の旗 1948年5月15日
上映時間 73 分
製作国 イギリスの旗 イギリス
言語 英語
興行収入 522,090人入場(フランス[2]
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ウォタルー街』(ウォタルーがい、Waterloo Road1945年イギリスの映画で、南ロンドン英語版ウォータールー地区を舞台に、ジョン・ミルズスチュワート・グレンジャーアラステア・シムが主演し、シドニー・ギリアット英語版が監督を務めた。英国映画協会 (BFI) のデータベースによると、この作品は、『Millions Like Us』(1943年)、『Two Thousand Women』(1944年)に続く、ギリアットの「非公式3部作 (unofficial trilogy)」の最後の作品とされている[3]

あらすじ[編集]

兵士ジム・コルター(ミルズ)は敵前逃亡を冒して南ロンドンに戻り、徴兵逃れをしたテッド・パーヴィス(グレンジャー)に言い寄られる妻を救おうとする。

キャスト[編集]

役名 俳優 日本語吹替
テレビ版1 テレビ版2
ジム・コルター ジョン・ミルズ 内田稔
テッド・パーヴィス スチュワート・グレンジャー 露口茂 市川治
モンドメリー博士 アラステア・シム英語版 宮口精二
ティリー・コルター ジョイ・シェルダン英語版 来宮良子
ルビー アリソン・レガット英語版
コルター夫人 ベアトリス・ヴァーレー英語版
トム・メイソン ジョージ・カーニー英語版
マイク・ダガン レスリー・ブラッドレー英語版
トニ ジーン・ケント英語版
ルイス伍長 ベン・ウィリアムズ英語版
メイ アンナ・コンスタム英語版
ヴェラ・コルター ヴェラ・フランシス英語版
  • テレビ版1:放送日1965年06月20日 NHK『劇映画』[4]
  • テレビ版2:放送日1968年3月30日 KTV 24:15 -

制作[編集]

この映画は、当初は『Blue for Waterloo』という題名が予定されていた[5]

スチュワート・グレンジャーは、この作品の役柄が、「悪役だが、リアルなキャラクターだった (was a heel, but a real character)」として、気に入っていたことを後に語っている[6]。グレンジャーによれば、この映画はわずか10日間で制作され、その間に彼は『愛の物語』(Love Story) の撮影も掛け持ちしていたという。彼は、ジョン・ミルズとの喧嘩の場面を特に自慢していた[7]

シドニー・ギリアットは、この作品の完成前に、フィルムを取り上げられたと語っている。まだ屋外での撮影が残っていた段階で、制作は中止された。プロデューサーだったブラックは去り、オストラー家 (the Ostrers) が録音スケジュールの最後になってフィルムを抑えた。しかし、オデオン系列の映画館を運営していたアール・セント・ジョン英語版がこの映画を気に入り、その意向を受けて録音を終えることができた[8]

ギリアットによれば、アラステア・シムの役柄に、コメンテーターの役回りを振ったのは、オリジナルのヴァル・ヴァレンタインの脚本に基づいてはいるが、自分のアイデアだったという。しかし、ギリアット自身も、これは「少々ゴタゴタしてしまった (proved a bit of a mess)」と認めている[8]

反響[編集]

Kinematograph Weekly』誌によれば、この作品は1945年のイギリスで好調な興行成績を収めたという[9]

脚注[編集]

  1. ^ ウォタルー街 - MOVIE WALKER PRESS
  2. ^ Box office information for Stewart Granger films in France at Box Office Story
  3. ^ BFI Database entry
  4. ^ 劇映画「ウォタールー街」シドニー・ギリアット監督 イギリス映画”. NHKクロニクル. 2022年7月14日閲覧。
  5. ^ Motion Picture Herald (via: Lantern: Search, Visualize & Explore the Media History Digital Library)” (English). Motion Picture Herald; lantern.mediahist.org (Nov–Dec 1943). 2017年4月8日閲覧。
  6. ^ GRANGER'S RANGE: At Home and Abroad With A Rising British Star By HOWARD THOMPSON. New York Times (1923-Current file) [New York, N.Y] 8 November 1953: X5.
  7. ^ Brian MacFarlane, An Autobiography of British Cinema, Methuen 1997 p 230
  8. ^ a b Brian MacFarlane, An Autobiography of British Cinema, Methuen 1997 p 225
  9. ^ Robert Murphy, Realism and Tinsel: Cinema and Society in Britain 1939-48 2003 p 208

関連項目[編集]

外部リンク[編集]