インドボダイジュ
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インドボダイジュ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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![]() インドボダイジュの葉と幹
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分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Ficus religiosa L.[1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
インドボダイジュ[1] (印度菩提樹) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Bo tree Peepal Pipal Bodhi Tree |
インドボダイジュ(印度菩提樹、覚樹(かくじゅ)、道場樹(どうじょうじゅ)、学名:Ficus religiosa、梵: pippala または aśvattha)は、クワ科イチジク属の植物の一種[2]。仏教の発祥地であるインドの国花になっている。「仏教三霊樹」のひとつで、仏教の経典にはテンジクボダイジュ[1](天竺菩提樹)の別名を持つ。
リンネの『植物の種』(1753年) で記載された植物の一つである[3]。
特徴[編集]

熱帯地方では高さ30メートル (m) に生長する高木[4]。本来は落葉性であるが、常に多湿なところでは常緑となる[4]。葉は長さ15 - 18センチメートル (cm) の円状卵形で、先端が細長く突き出すように伸びて尾状になるのが特徴[4]。葉身の表面は明るい緑色になる[4]。
他のイチジク属と同様、絞め殺しの木となることがある。耐寒性が弱く元来は日本で育てるには温室が必要であるが、近年では地球温暖化の影響で、関東以南の温暖な地域では路地植えで越冬できたり、または鉢植えの観葉植物として出回っている。先述の通り原産地のインドが仏教発祥の地であることから仏教を信仰する国々で広く栽培されている。温帯地方の日本では、各地の仏教寺院では本種の代用としてシナノキ科の植物のボダイジュがよく植えられている。そのためボダイジュが「菩提樹」であるかのように誤解されることが多いが、本種が仏教聖樹の「菩提樹」である。
分布[編集]
諸言語における呼称[編集]
南アジア[編集]
インド:
- サンスクリット: अश्वत्थ (aśvattha-)、पिप्पल (pippala-)、कुञ्जराशन (kunjarāśana-)〈象の食べ物〉、चलदल (caladala-)〈葉がそよぐもの〉、प्लक्ष (plakṣa-)[7]
インドおよびバングラデシュ:
- ベンガル語: অশ্বত্থ (/ɔʃwɔtːʰɔ/ オシュウォット あるいは /ɔʃːɔtʰːɔ/ オッショット)、পিপ্পল (/pipːɔl/ ピッポル)、প্লক্ষ (/plokːʰɔ/ プロッコ)、চলদল (/cɔlɔdɔl/ チョロドル)、অশোত (/ɔʃot/ オショト)、আশোত (/aʃot/ アショト)、পিপলী (/pipɔli/ ピポリ)、মঙ্গল্য (/moŋɡolːɔ/ モンゴッロ)、শ্রীবৃক্ষ (/sɾibɾikːʰɔ/ スリブリッコ)[7][8] - 左記のほか পিপুল (/pipul/ ピプル) をインドボダイジュのこととする資料も存在する[9]が、これはサンスクリットの語源本来の意味ではヒハツのことを指す[7][8]。
- シンハラ語: බෝ (bō)、බෝගහ (bō-gaha)、බෝදුම (bōduma)、බෝධි (bōdhi)、අශ්වත්ථ (aśvattha)、ප්ලක්ෂ (plakṣa)、චෛත්ය වෘක්ෂ (caitya-vr̥kṣa)、මඩලපත් (maḍala-pat)、සසලදල (sasaladala)[10]
東南アジア[編集]
- ビルマ語: ညောင်ဗောဓိ[11] ([ɲàʊm bɔ́dḭ] ニャウンボーディ)、ညောင်ဗုဒ္ဓဟေ[11] ([ɲàʊm boʷʔdəhè] ニャウンボウッダヘー)、ဗောဓိပင်[12] ([bɔ́dḭ bɪ̃̀] ボーディビン)
仏教三大聖樹[編集]
無憂樹・沙羅双樹 と並び 仏教三大聖樹(仏教三霊樹)の一つ[4]。釈迦がその下で悟り(菩提)を開いたとされる樹木[4][2]。
「菩提樹」も参照
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ a b c d
- ^ a b 岩波 仏教辞典 2002, p. 923-924.
- ^ Linnaeus, Carolus (1753) (ラテン語). Species Plantarum. Holmia[Stockholm]: Laurentius Salvius. p. 1059
- ^ a b c d e f g h 土橋豊 1992, p. 113.
- ^ 小学館ランダムハウス英和大辞典 第2版 編集委員会 編『小学館ランダムハウス英和大辞典』(第二版)、1994年。ISBN 4-09-510101-6。
- ^ 熱帯植物研究会 編『熱帯植物要覧』(第4版)養賢堂、1996年、37頁。ISBN 4-924395-03-X。
- ^ a b c Haughton, Graves C. (1833). A Dictionary, Bengálí and Sanskrit, Explained in English, and Adapted for Students of Either Language. London: J. L. Cox & Son. pp. 234, 736, 1062, 1739, 1740, 1861
- ^ a b দাস, জ্ঞানেন্দ্রমোহন (1937). বাঙ্গলা ভাষার অভিধান (2nd ed.). কলিকাতা: দি ইণ্ডিয়ান্ পাব্লিশিং হাউস. pp. 259, 753, 1342, 1343, 1441, 1707, 1965(ベンガル語)
- ^ Upendra Kishore Ray Choudhury (1966). পৌরাণিক কাহিনী. কলকাতা: নিউস্ক্রিপ্ট প্রকাশক(ベンガル語)
- ^ Clough, B. (1892). A Sinhalese-English Dictionary. Kollupitiya, Colombo: Wesleyan Mission Press. pp. 56, 403, 432, 451, 673, 788
- ^ a b 大野, 徹『ビルマ(ミャンマー)語辞典』大学書林、2000年、208頁。ISBN 4-475-00145-5。
- ^ Judson, A.; Stevenson, Robert C.; Eveleth, F. H. (1921). The Judson Burmese-English Dictionary. Rangoon: American Baptist Mission Press. p. 714
参考文献[編集]
- 土橋豊『観葉植物1000』八坂書房、1992年9月10日、112-114頁。ISBN 4-89694-611-1。
- 中村元ほか(編)『岩波 仏教辞典』(第二版)岩波書店、2002年10月。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 天竺菩提樹を育てる会
- 植物図鑑DB 植物こぼれ話 インドボダイジュ (日本新薬株式会社)
- 古写真で見る聖なる菩提樹