インテリジェントキーシステム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
スマートエントリー > インテリジェントキーシステム
インテリジェントキー(楕円型、日産・フーガ後期型用)

インテリジェントキーIntelligent Key)は、日産自動車の、機械的な鍵を使用せずに車両のドアの施錠/開錠、エンジン始動が可能なシステムの名称であり、同時に日産の登録商標でもある(第4692385号)。リモートコントロールエントリーシステムと同じ操作も可能である。このシステムは日本の自動車メーカーでは日産がいち早く導入を開始し[1]、その後他社も同様のシステムで追随している。

2002年にフルモデルチェンジしたK12型マーチに初めて搭載され、現在では日産のほぼ全車種に搭載されている。

概要[編集]

一部グレード、車両はメーカーオプション[2]であるが日産自動車の普通乗用車のほとんど[3]がこのシステムを採用しており、AD/ADエキスパートNV350キャラバンなど一部の商用車にも採用されている。また、海外専売車(インフィニティGコンバーチブルなど)の多くにも搭載されている。2014年からアメリカ仕様のアルティマなどにリモコン・エンジン・スタート(Remote Engine Start System)機能が追加された物も登場している。

ドアのリクエストスイッチを押すと車載ユニットとIDコードの交信がされ、開錠時はピッピッ、施錠時はピッと鳴りアンサーバック(ハザードランプの点滅)がなされる[4]

鍵を車内に閉じ込めたまま施錠をしようとすると、「ピピピピピピピピ…」と鳴り、鍵がかからない仕組みになっているが、助手席ドアの車内集中ロックボタンで施錠した後に、そのドアを半ドア状態にすると全てのドアが施錠されてしまい閉じ込み状態になることもあるので注意が必要である。また金属部分(カード型は右下部分)を引っ張り出すと中から普通の鍵(メカニカルキーあるいはエマージェンシーキー)が出てくるため電池切れの際も開錠、施錠が可能である[5]

本体は最大4個(車種によっては3個や5個の場合も)まで増やすことができるが、その都度全てのキーをディーラーにて持参・登録させる必要がある(当然、その都度登録料が発生する)。 登録は基本的に本体とメカニカルキーを同時に行うため、メカニカルキーが車両に付属しているキーナンバーと異なる場合、本体の電池が切れた(あるいは交換した)場合は動作しなくなり、改めて登録し直す必要があるので注意が必要である(ゆえに、中古で本体を入手した場合は本体のみを登録しておけばこの事態は回避できる)。

なお、本体に内蔵されるメカニカルキーはイモビライザーを内蔵している関係上、純正品以外での複製は不可能である。

形状[編集]

インテリジェントキー(長方形型、Z11型キューブ前期用)
インテリジェントキー(カード型、J31型ティアナ前期用)
長方形型
初期の形。主にマーチ(3代目、K12型)キューブ(2代目、Z11型。写真)、これとは若干形が違うが、エルグランド(2代目、E51型)の初期型車両に採用されている型。いずれもマイナーチェンジにより楕円型となった。
現行では、デイズデイズルークスが共同開発相手かつ製造元の三菱自動車工業eKシリーズに搭載される長方形型のキーレスオペレーションキーを踏襲。
カード型
プレサージュ(2代目、U31型)およびティアナ(初代、J31型)の前期型、セレナ(C24型後期)およびウイングロード(Y11型後期)に採用されたが、それぞれマイナーチェンジやフルモデルチェンジによって楕円型になった。
ティアナのライセンス生産版であるルノーサムスン・SM5(2代目、EX1型)/SM7(初代、EX2型)については前・後期ともCIマークが変更されただけで、同一形状のカード型が採用された。
尚、他のタイプがメカニカルキーの一部を露出してキーホルダー等に付けやすくなっているのに対し、このタイプのみメカニカルキーをカードと同化(一体化)させたために格納式のプラスチック製ホルダーを本体のコーナーに内蔵させているが、破損しやすいので注意が必要である。
楕円型(フォブタイプ)
現行の形(ただし、ラフェスタハイウェイスター(←マツダプレマシー)やモコ(←スズキMRワゴン)等のOEM車両については同じ楕円形でも各ベース車両の形状を踏襲)。
ちなみにGT-Rのものには日産マークが付いている部分に「GT-R」ロゴが、一部改良後のZ34型フェアレディZのものには「Z」のロゴが付いているほか、日産の高級車ブランドインフィニティブランド車用と国内仕様のV37型スカイライン用、Y51型フーガ(後期)用にはインフィニティエンブレムが付けられている。
日産の自社生産車種に採用されているキー(主にコンパクトカーで使用される、施錠・解錠のボタンのみを装備したタイプ)をモチーフとしたUSBメモリが、日産の公式グッズとして発売されている。

エンジン始動方法[編集]

  • イグニッションノブ - Z11型キューブJ10型デュアリスなどが採用している。メカニカルキーを差し込むかインテリジェントキーを感知域内に保持しながら回すとエンジンが始動する。2016年11月現在、このタイプの始動スイッチを装備するのはY12型ウイングロードのみであり、他の車種はフルモデルチェンジとともに下記のプッシュエンジンスターターに置き換えられた。
  • プッシュエンジンスターター - フーガV36型スカイラインZ34型フェアレディZアルティマなどの車種が採用している。オートマチックトランスミッション車の場合はフットブレーキマニュアルトランスミッション車の場合はクラッチペダルを踏みながらボタンを押すとエンジンが始動するためイグニッションノブを回す必要がない(ノブやキーシリンダー自体が存在しない)。なお、インテリジェントキーが電池切れになった際は専用の差し込み口にメカニカルキーを取り出さずにインテリジェントキーをそのまま差し込んでスタートボタンを押すか、差し込み穴が無い場合はインテリジェントキーをスタートボタンに近づけた後にスタートボタンを押すことでエンジンを始動させる事が出来る。いずれの場合も、ドアにはキーシリンダーが存在するため電池切れ時のドア開閉にのみメカニカルキーを使用する形になる。
  • リモコンスタート - 2014年の北米仕様アルティマなどに採用されている。車外の離れた所からインテリジェントキーに付いた、エンジンスタートボタンでエンジンが遠隔始動できる。

脚注[編集]

  1. ^ インテリジェントキー以前に、日産ではF50型シーマ/プレジデントに「電子キー」、1980年代後半~1990年代前半の上級車種に「カードエントリーシステム」を採用していたことがある。前者は車両とキーの照合を機械的に行っていたものを電子的に行うように変えただけで、施錠・解錠は当時の一般的なキーレスエントリーと同じようにキーのリモコンもしくは機械的なキーで行う必要があった。後者はカードを身につけてドアハンドルのボタンを押すと施錠・解錠を行うことができるシステムであったが、エンジンの始動は従来通り機械的なキーで行う必要があった。また、S12型シルビア/ガゼールの一部グレードには「キーレスエントリーシステム」が採用されていたが、これはドアハンドルに内蔵されたキーパッドで暗証番号を入力して施錠・解錠を行うシステムであった。
  2. ^ ティアナ(2代目)スカイライン(12代目)など、プッシュエンジンスターターを装備した車種はプッシュエンジンスターターとインテリジェントキーが不可分なため全グレードに標準装備(キューブ(3代目)は一部グレードではプッシュエンジンスターターとインテリジェントキーがセットでメーカーオプション)。それ以外の車種はグレードによりメーカーオプション。ただし、ブルーバードシルフィ(2代目)はプッシュエンジンスターターがないが全グレードに標準装備。
  3. ^ モコ(2代目以降)ルークスNV100クリッパーリオ(2代目)についてはOEM元のスズキの「キーレススタートシステム」を、ラフェスタハイウェイスター(2代目)についてはOEM元のマツダの「アドバンストキーレスエントリー&スタートシステム」を、デイズデイズルークスについては共同開発相手かつ製造元の三菱自動車工業の「キーレスオペレーションシステム」をインテリジェントキーと呼んでいる。
  4. ^ ただし、2代目モコはアンサーバックのみで電子音は鳴らない。デイズとデイズルークスはリクエストスイッチを押した時のみ電子音が鳴る。
  5. ^ ただし、3代目モコ、ルークス、2代目NV100クリッパーリオでは、メカニカルキーで解錠後、20秒以内にエンジンをスタートしない場合にクラクションが作動する(設定によりクラクションを動作させないことも可能)

関連項目[編集]