インダストリー4.0

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インダストリー4.0: Industrie 4.0: Industry 4.0)は、ドイツ政府が推進する製造業の高度化を目指す戦略的プロジェクトであり、情報技術を駆使した製造業の革新の事を差す。 工業、特に製造業を高度にデジタル化する事により、製造業の様相を根本的に変え、マスカスタマイゼーションを可能とし、製造コストを大幅に削減することを主眼に置いた取り組みである。 全ての機器がインターネットによってつながり、またビッグデータを駆使しながら、機械同士が連携して動く事はもとより、機械と人とが連携して動くことにより、製造現場が最適化されると想定している。

現在ドイツの電子機器メーカーや自動車メーカー、IT・通信企業が中心となり、「スマートファクトリー」つまり「自ら考える工場」を目指して機器の開発やビッグデータの扱い・標準化について取り組んでいる。

工場を中心にインターネットを通じてあらゆるモノやサービスが連携することで、新しい価値やビジネスモデルの創出を目指した取り組みであり、ドイツに限らず、北米や日本にもその考え方が波及しており、米国では「インダストリアルインターネット」として同様の取り組みがなされている。

インダストリー4.0の理論的源流は「客業生産」理論である[編集]

2004年5月10日 出版の河内保二著「チェックリストによる少量・短納期生産モデル縫製工場実践ガイド」(繊維流通研究会刊)の第13章に「客業個産モデルへの挑戦ガイド」として述べられている内容が、インダストリー4.0の理論的源流となっている。同書は日中両国語併記で、同書の生産理論資料編にはその理論根拠となる資料が添えられている。同書は、日中両国で発売され、特に中国で関心を持たれた。 客業生産は工業の大量生産を止めて、オーダーメードとするカスタマイゼーションのことであり、著者により工業でなく、客業と命名され、"ORDUSTRY" と造語され、21世紀の生産のあるべきモデルとして提唱された理論である。この考え方は中国からEUの繊維・アパレル業界に伝わり、同年12月にEURATEX(EU繊維・アパレル産業協会)の2020年ビジョンに次のように取り入れられて、発表された。「EUはコモディティを脱出してカスタマイズの生産へ」の見出しで、20世紀の「何でも量産」「何時でも量産」という工業生産は、工業製品のコモディティ化という低価値化を招来するとし、繊維・衣服製品のコモディティ化の脱却のために、製品差別化を図り、大量生産を廃止して、カスタマイゼーションヘの転換を進めると説いたのである[1]。これはまさに「客業生産」の考え方と同考の2020年ビジョンである。生産を見込みの仮需である大量生産から実需のカスタマイゼーションへと変革する考え方は、その後、2011年にドイツ政府の第4次産業革命[2][3]と位置づける開発プロジェクト「インダストリー4.0」として取り上げられるに至っている。

(客業生産の詳細については、「客業生産」と検索して閲覧できます)

インダストリー4.0で実現する事[編集]

インダストリー4.0の語源[編集]

第一次産業革命では蒸気動力源とした機械を使った生産の事を指し、第二次産業革命では電気を使い機械を動かして分業の仕組みを取り入れたことにより大量生産(マス・プロダクション)が可能となり、そして第三次産業革命ではコンピュータ制御(プログラマブルロジックコントローラ)により生産工程の自動化(コンピュータ統合生産)が実現された[4]インダストリー4.0はそれに続く「第四次産業革命」という意味合いで名づけられたものである。

インダストリー4.0の呼称[編集]

インダストリー4.0は、英語ではIndustry 4.0、ドイツ語ではIndustrie 4.0と記され、日本語ではインダストリー4.0として認知されているが、インダストリ4.0やインダストリアル4.0と表記されることもある。

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]