インダカテロール

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インダカテロール
(R)-Indacaterol Structural Formulae.svg
Indacaterol ball-and-stick animation.gif
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
販売名 Onbrez, Arcapta
Drugs.com 国別販売名(英語)
International Drug Names
ライセンス EMA:リンクUS FDA:リンク
胎児危険度分類
  • US: C
法的規制
投与方法 Inhalation
識別
CAS番号
312753-06-3 チェック
ATCコード R03AC18 (WHO)
PubChem CID: 6433117
ChemSpider 5293751 チェック
UNII 8OR09251MQ チェック
KEGG D09318 en:Template:keggcite
ChEBI CHEBI:68575en:Template:ebicite
ChEMBL CHEMBL1095777en:Template:ebicite
化学的データ
化学式C24H28N2O3
分子量392.490 g/mol
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インダカテロール(Indacaterol)は超長時間作用性アドレナリンβ2受容体作動薬の一つである[1]慢性閉塞性肺疾患(COPD)の長期管理に用いられる。商品名オンブレスEMAに2009年11月30日に承認[2]された後、FDA[3]厚生労働省[4]に2011年7月1日に承認された。類薬のホルモテロールサルメテロールと異なり、1日1回の吸入で用いられる[5]ドライパウダー吸入器英語版に充填した形で市販されている。本剤とグリコピロニウムとの配合剤(商品名ウルティブロ)も、同様に、COPDの長期管理に用いられる。また、本剤とモメタゾンが配合されたICS/LABA合剤(商品名アテキュラ)および本剤、グリコピロニウム、モメタゾンが配合されたICS/LAMA/LABA合剤(商品名エナジア)は、いずれも、気管支喘息のコントローラーとして用いられるが、COPDの適応はない。

効能・効果(単剤、およびグリコピロニウムとの配合剤)[編集]

慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解

副作用(単剤)[編集]

添付文書に記載されている重大な副作用は、重篤な血清カリウム値の低下である[6]

そのほか、咳嗽が5%以上に見られるほか、5%未満とされる副作用は、鼻咽頭炎、頭痛、心房細動、動悸、口腔咽頭痛、蕁麻疹、筋痙縮、末梢性浮腫である。

臨床試験[編集]

2010年3月に公表された第III相臨床試験の結果、COPD患者に対するインダカテロールの有効性と安全性が確認された[7]。この試験は米国、ニュージーランド、ベルギーで実施され、416名の重症(平均FEV1=1.5L)COPD患者にインダカテロールと偽薬を割り付けた。インダカテロールは偽薬と比べて統計学的に FEV1およびAUCを改善し、救急薬の使用回数を低減させたが、安全性および忍容性は偽薬と同程度であった。

2010年に発表された1年間の偽薬対照臨床試験では、1日2回のホルモテロール吸入よりも統計学的に有意にFEV1を改善することが示された。救急薬の使用回数も減少させたが、有意差は付かなかった。またインダカテロール群とホルモテロール群で再増悪率には差が付かなかった[8]

2011年には、インダカテロールとチオトロピウムを12週間に渡り比較した臨床試験の結果が欧州呼吸器雑誌(European Respiratory Journal)に掲載された。その試験では両薬剤でのFEV1改善効果に有意差は見られなかった。インダカテロールは息切れスコア(Transition Dyspnoea Index、TDI)のトータルならびに呼吸器QOLスコア(St. George’s Respiratory Questionnaire、SGRQ)のトータルを大きく改善した[9]

出典[編集]

  1. ^ Cazzola M, Matera MG, Lötvall J (July 2005). “Ultra long-acting beta 2-agonists in development for asthma and chronic obstructive pulmonary disease”. Expert Opin Investig Drugs 14 (7): 775–83. doi:10.1517/13543784.14.7.775. PMID 16022567. 
  2. ^ European Public Assessment Report for Onbrez Breezhaler
  3. ^ “FDA approves Arcapta Neohaler to treat chronic obstructive pulmonary disease” (プレスリリース), U.S. Food and Drug Administration, (2011年7月1日), http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm261649.htm 2011年7月2日閲覧。 [1]
  4. ^ 慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬「オンブレス吸入用カプセル150 μg」製造販売承認を取得”. ノバルティスファーマ (2011年7月1日). 2015年1月20日閲覧。
  5. ^ Beeh KM, Derom E, Kanniess F, Cameron R, Higgins M, van As A (May 2007). “Indacaterol, a novel inhaled beta2-agonist, provides sustained 24-h bronchodilation in asthma”. Eur. Respir. J. 29 (5): 871–8. doi:10.1183/09031936.00060006. PMID 17251236. 
  6. ^ オンブレス吸入用カプセル150µg 添付文書” (2015年3月). 2016年6月30日閲覧。
  7. ^ Feldman, G; Siler, T; Prasad, N; Jack, D; Piggott, S; Owen, R; Higgins, M; Kramer, B et al. (2010). “Efficacy and safety of indacaterol 150 mcg once-daily in COPD: a double-blind, randomised, 12-week study”. BMC pulmonary medicine 10: 11. doi:10.1186/1471-2466-10-11. PMC 2848004. PMID 20211002. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2848004/. 
  8. ^ Dahl R Chung KF Buhl R and others (June 2010). “Efficacy of a new once-daily long-acting inhaled beta2-agonist indacaterol versus twice-daily formoterol in COPD”. Thorax英語版 65 (6): 473–9. doi:10.1136/thx.2009.125435. PMID 20522841. 
  9. ^ R. Buhl L.J. Dunn C. Disdier and others (October 2011). “Blinded 12-week comparison of once-daily indacaterol and tiotropium in COPD”. European Respiratory Journal英語版 38 (4): 797–803. doi:10.1183/09031936.00191810. PMID 21622587.