イルハン・オマル

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2018年

イルハン・オマル(Ilhan Omar,1984年10月4日-)は、アメリカ合衆国政治家ムスリム女性初、ソマリア出身者初のアメリカ合衆国下院議員

経歴[編集]

ソマリア出身。8歳の時にソマリア内戦から逃れるためにケニアへ移動。4年間難民キャンプで暮らした後、1997年に両親とともにミネソタ州へ移住した[1]

ミネソタ州からアメリカ初のムスリム議員となったキース・エリソンの後継者として、2018年の中間選挙ミネソタ民主農民労働党(ミネソタ州の民主党組織)から下院議員に立候補し当選した[2]

下院議員としての活動[編集]

イスラエル色を鮮明にし、ワシントンの親イスラエル派の有力なロビー団体がアメリカの政治に影響力を振るっていると批判している。イスラエルに対する批判については、民主党内からも反ユダヤ主義的で不適切と見なされることもあり、2019年の下院議会では、他国に対する米国の忠誠心や、ユダヤ人に対する差別的発言など歴史的にデリケートな問題について討論を活発にさせた。2019年3月8日には、ヘイトスピーチ全般に反対する決議を可決する原動力となり、ドナルド・トランプ大統領からは「民主党は反イスラエル党になってしまった。反ユダヤ党だ」と批判をされるに至った[3]

2019年4月、ニュージーランドで発生したクライストチャーチモスク銃乱射事件発生を受けて、アメリカ最大のイスラム人権団体「アメリカイスラム関係評議会(CAIR)」演説を行った。演説の中では、イスラム嫌悪に触れ「ずいぶん長い間、われわれは二級市民扱いという不快感を強いられており、正直に言ってうんざりしている」、「CAIRはアメリカ同時多発テロ事件の後に創設された。一部の人々があることをやらかし、われわれ全員が市民としての自由を失い始めたからだ」などと述べた点は、多くの犠牲者を出した事件を過小評価しているとして、トランプ大統領を始め保守派から強い批判を集めた[4]

2019年7月14日、トランプ大統領はツイッターで、民主党の非白人系の女性議員らを念頭に「もともといた国に帰り、犯罪まみれの国を立て直すのを手伝ったらどうか」と発言。さらに翌日、ホワイトハウスで行われたイベントでも報道陣に対し、「彼女らは文句しか言わない」、「彼女らは米国を嫌悪する人々だ」、「ここが嫌ならば、出ていけばいい」などと語った。この時点で特定の議員名を名指しされていなかったものの、イルハン・オマル、アレクサンドリア・オカシオ=コルテスラシダ・タリーブアヤンナ・プレスリーの4人は同日中に記者会見を開き、トランプ大統領の発言を批判した。トランプ大統領の発言は、共和党内からも批判を招いたほか、ドイツアンゲラ・メルケル首相も攻撃された女性議員に対して連帯意識を表明した[5][6]

批難・攻撃を受けた経験[編集]

  • 2018年12月 - 下院議員としてホワイトハウスで行われた政策会議に出席した後、宿泊しているホテルに向かうタクシー内で、運転手からISISと呼ばれ、「ヘジャブを剥いでやる」という暴言で脅されたとフェイスブックで訴えた[7]

脚注[編集]

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  1. ^ ムスリム女性初の連邦議員2人、元難民とパレスチナ系移民 米中間選挙”. AFP (2018年11月7日). 2019年7月21日閲覧。
  2. ^ 先住民女性から初の米連邦議員 歴史的出来事の背景”. 日経スタイル (2018年11月26日). 2019年7月21日閲覧。
  3. ^ トランプ氏「民主党は反ユダヤ」 物議醸したムスリム議員への対応非難”. AFP (2019年3月9日). 2019年7月21日閲覧。
  4. ^ ムスリム議員への暴力扇動? トランプ氏の動画ツイートが物議”. AFP (2019年4月15日). 2019年7月21日閲覧。
  5. ^ トランプ氏の「国に帰れ」発言、メルケル首相が批判”. 朝日新聞デジタル (2019年7月17日). 2019年7月24日閲覧。
  6. ^ トランプ氏、今度は「嫌なら出ていけ」 非白人系女性議員ら反論、与党からも批判” (2019年7月16日). 2019年7月24日閲覧。
  7. ^ 元難民の米議員、首都のタクシー内でイスラム嫌悪の暴言被害”. AFP (2018年12月8日). 2019年7月21日閲覧。