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イヌゴマ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
イヌゴマ
福島県会津地方 2017年8月
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク上類 Superasterids
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : シソ類 Lamiids
: シソ目 Lamiales
: シソ科 Lamiaceae
亜科 : オドリコソウ亜科 Lamioideae
: イヌゴマ属 Stachys
: エゾイヌゴマ(広義)
S. aspera
変種 : イヌゴマ S. a var. hispidula
学名
Stachys aspera Michx. var. hispidula (Regel) Vorosch.[1]
シノニム
和名
イヌゴマ(犬胡麻)[7][8]

イヌゴマ(犬胡麻、学名Stachys aspera var. hispidula)は、シソ科イヌゴマ属多年草。別名、チョロギダマシ[7][8][9]

特徴

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地下に白色の細長い地下茎を伸ばしてふえる。は直立し、高さは30-70cmになり、4稜があって、稜に下向きの短い刺毛が生え、触るとざらざらする。ふつう分枝しない。は対生し、葉身は披針形で、長さ3-9cm、幅0.5-2.5cmになり、先は鋭頭、縁に細かい鋸歯があり、基部に長さ2-10mmになる短い葉柄がある。葉の表面にはしわがあり、裏面の葉脈の主脈に沿って下向きの短い刺毛が生え、触るとざらざらする[7][8][9]

花期は7-8月。花は輪散花序になってつき、茎先に数段に分かれた輪生状になった花穂をつくる。は筒状の鐘形で長さ6-8mmになり、等しく5裂して萼裂片の先は刺状に鋭くとがる。花冠は長さ12-15mmになる2唇形で、淡紅色をし、上唇はまっすぐに伸び長さ4-5mm、下唇は開出して3裂し内面に淡紅色の細点がある。雄蕊は4個あり、下側の2個が長く、上唇の内側に沿って伸びるが、上唇の先までは伸び出さない。雌蕊は1個ある。果実は長さ約2mmになる分果で、4個ある[7][8][9]

分布と生育環境

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日本では、南千島、北海道、本州、四国、九州に分布し、湖畔、川岸、休耕田などの湿地に生育する。国外では、朝鮮半島中国大陸(東北部・北部)、極東ロシアに分布する[7][8][9]

下位分類

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  • エゾイヌゴマ Stachys aspera Michx. var. baicalensis (Fisch. ex Benth.) Maxim.[10] - 植物体の茎、葉、萼などに開出した剛毛が密生する。本州、北海道、千島列島サハリン朝鮮半島極東ロシア東シベリアに分布する[9][8]
  • ケナシイヌゴマ Stachys aspera Michx. var. japonica (Miq.) Maxim. [11] - 植物体の茎、葉、萼などに毛が無く、茎の稜にごくまばらに短い刺がある。葉柄は少し長い。本州中部地方以西、四国、九州、沖縄島、朝鮮半島、中国大陸に分布する[9]

名前の由来

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和名イヌゴマは、「犬胡麻」の意で、果実の形が食用のゴマ(胡麻)に似るが、食用にならず役に立たないのでいう[7][8]。また、別名のチョロギダマシは、草姿が塊茎を食用にする栽培種のチョロギに似ているが、食用にならないためいう[7]

学名の種小名(種形容語)aspera は「粗面の、ざらざらした」の意味[12]

それぞれの変種名 hispidula は「やや剛毛のある」、baicalensis は「バイカル湖地方産の」の、japonica は「日本の」の意味[12]

ギャラリー

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脚注

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  1. ^ イヌゴマ 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ イヌゴマ(シノニム) 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
  3. ^ イヌゴマ(シノニム) 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
  4. ^ イヌゴマ(シノニム) 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
  5. ^ イヌゴマ(シノニム) 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
  6. ^ イヌゴマ(シノニム) 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
  7. ^ a b c d e f g 『山溪ハンディ図鑑1 野に咲く花』p.163
  8. ^ a b c d e f g 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1072
  9. ^ a b c d e f 『改訂新版 日本の野生植物 5』p.125
  10. ^ エゾイヌゴマ 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  11. ^ ケナシイヌゴマ 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  12. ^ a b 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1477, p.1484, p.1485, p.1496, p.1498

参考文献

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