ザンダー・ボガーツ

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ザンダー・ボガーツ
Xander Bogaerts
サンディエゴ・パドレス #2
2023年7月9日
基本情報
国籍 オランダの旗 オランダ
出身地 アルバの旗 アルバ自治領サンニコラス英語版
生年月日 (1992-10-01) 1992年10月1日(31歳)
身長
体重
6' 2" =約188 cm
218 lb =約98.9 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 遊撃手三塁手二塁手
プロ入り 2009年5月 アマチュアFA
初出場 2013年8月20日
年俸 $25,454,545(2023年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム オランダの旗 オランダ
WBC 2013年2017年2023年

ザンダー・ジャン・ボガーツXander Jan Bogaerts[注 1], 1992年10月1日 - )は、オランダ領アルバサンニコラス出身のプロ野球選手二塁手)。右投右打。MLBサンディエゴ・パドレス所属。愛称は"X-MAN"他(後述)。代理人はスコット・ボラス[2]

経歴[編集]

プロ入りとレッドソックス時代[編集]

ボストン・レッドソックス時代
(2018年8月10日)

2009年5月にボストン・レッドソックスに入団した。契約金は41万ドルだった[3]

2010年6月にレッドソックス傘下マイナーでプロデビュー。

2011年9月20日に第39回IBAFワールドカップのオランダ代表に選出された[4]。同大会ではヨーロッパの代表としては、1938年大会イギリス代表以来73年ぶりの優勝を果たした。この栄誉を称えて代表24人全員に「サー」の爵位が贈られ[5]、ボガーツにも贈られた。

2012年の開幕前にはベースボール・アメリカの有望株ランキングでウィル・ミドルブルックスに次ぐ球団2位、全体では58位にランクインした[6]。7月にはオールスター・フューチャーズゲームに世界選抜の一員として出場[7]。8月には1A+から2Aへ昇格した。シーズンの通算成績は打率.307、21本塁打、81打点だった[8]

2013年はシーズン開幕前の3月には開催された第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)オランダ代表に選出された[9]。また、開幕前のベースボール・アメリカの有望株ランキングではレッドソックスで1位、全体で8位にランクインした[10]。8月20日にメジャーに昇格した。ポストシーズンには12試合に出場し、チームのワールドシリーズ制覇に貢献した。

2014年3月7日にレッドソックスと1年契約に合意した[11]ジャコビー・エルズベリーが退団したことから、自ら志願して背番号を「2」に変更した(これは尊敬するデレク・ジーターと同じ)。この年は144試合の出場で規定打席に到達したが、打率.240、12本塁打、46打点という成績に終わった。

2015年はシーズン終盤まで首位打者争いを演じ、最終的にタイトル獲得とならなかったが、いずれもア・リーグ2位の打率.320、196安打を記録した。

2016年5月6日から6月2日まで26試合連続安打を記録するなど、5月は打率.395と好調だった。自身初のオールスターにもファン投票で選出された。157試合の出場で打率.294、21本塁打、89打点、13盗塁、OPS.802。リーグ6位の115得点も記録した。オフの12月5日に第4回WBCオランダ代表に選出され、2大会連続2度目の選出を果たした[12]

2017年はシーズン開幕前に選出されていた第4回WBCに参加。

2018年4月9日に左足首を骨折して故障者リスト入りした[13]影響もあり、136試合の出場に留まったが、打率.288、23本塁打、103打点を記録した。

2019年オフに同年から新設されたオールMLBチームのファーストチーム遊撃手に選出された。

2020年COVID-19の影響で60試合の短縮シーズンとなる中、56試合の出場で打率.300、11本塁打、28打点を記録した。

2021年7月1日に通算3度目、ファン投票では2度目となるオールスターゲームに選出された[14]。また、チームメイトで三遊間を組むラファエル・デバースもファン投票で選出されており、同じチームの三遊間が揃ってファン投票でオールスターゲームに選出されたのは2011年のヤンキースのデレク・ジーターアレックス・ロドリゲス以来だった[15]。オールスターゲーム前日の7月12日に「3番・遊撃手」で先発出場することが発表された[16]。7月13日に開催されたオールスターゲームに先発出場し、5回裏にブルージェイズのボー・ビシェットに交代した[17]

2022年は打率.307、15本塁打、73打点を記録し、自身5度目となるシルバースラッガー賞を受賞した。オフにオプトアウトの権利を行使し、FAとなった[18]。レッドソックスからはクオリファイング・オファーを提示されたが、これを拒否した[19]。11月17日に全米野球記者協会(BBWAA)の投票による最優秀選手賞では4位票1、6位票2、7位票2、8位票2、9位票7、10位票5の計50ポイントで9位にランクインした[20]。11月には代理人のスコット・ボラスとパドレスのGMであるA.J.プレラー英語版が会談していた[2]

パドレス時代[編集]

2022年12月9日にサンディエゴ・パドレスと11年総額2億8000万ドルの契約を結んだ[21][22]。契約金は500万ドル、11年間の年俸は一律2500万ドルとなり、全球団に対するトレード拒否権が含まれる[22]。オプトアウトもなく、事実上のパドレスでキャリアを終える契約となっている[2]。12月9日にパドレスの本拠地ペトコ・パークで入団会見を行った[2]。背番号2が初めてお披露目された[2]。会見ではGMのプレラーからパドレスには内野手が豊富に揃っているが、ボガーツは正遊撃手で起用することが明言された[2]。また背景には、2023年オフにマニー・マチャドがオプトアウトの権利、フアン・ソトがFAとなることを見越しての補強でもあった[2]

2023年はシーズン開幕前の3月に開催された第5回WBCオランダ代表に選出され、3大会連続3度目の選出を果たした。しかし、オランダは4大会ぶりとなる1次ラウンド敗退となった。

2024年はスプリングトレーニングの際に金河成を正遊撃手としてボガーツを正二塁手として起用することを新しく監督に就任したマイク・シルトが発表した[23]。3月20日に開幕ロースター入りした[24]

人物[編集]

愛称は複数あり、"X"[25]、 "ボギー"("Bogie")[26]、"X-MAN"[27]、"Xan Man"[2]の他に、パドレス入団時はボガーツのスペルに合わせて"Xan Diego"とも称された[2]

プレイヤーズ・ウィークエンド英語版では、2017年は"X"[25]2018年は"ボギー"("Bogie")[26]2019年は"X-MAN"を背ネームに使用している[27]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2013 BOS 18 50 44 7 11 2 0 1 16 5 1 0 0 1 5 0 0 13 1 .250 .320 .364 .684
2014 144 594 538 60 129 28 1 12 195 46 2 3 2 7 39 1 8 138 11 .240 .297 .362 .660
2015 156 654 613 84 196 35 3 7 258 81 10 2 3 3 32 1 3 101 16 .320 .355 .421 .776
2016 157 719 652 115 192 34 1 21 291 89 13 4 0 3 58 0 6 123 14 .294 .356 .446 .802
2017 148 635 571 94 156 32 6 10 230 62 15 1 0 2 56 6 6 116 17 .273 .343 .403 .746
2018 136 580 513 72 148 45 3 23 268 103 8 2 0 6 55 4 6 102 14 .288 .360 .522 .883
2019 155 698 614 110 190 52 0 33 341 117 4 2 0 6 76 2 2 122 11 .309 .384 .555 .939
2020 56 225 203 36 61 8 0 11 102 28 8 0 0 1 21 2 0 41 3 .300 .364 .502 .867
2021 144 603 529 90 156 34 1 23 261 79 5 1 0 7 62 2 5 113 13 .295 .370 .493 .863
2022 150 631 557 84 171 38 0 15 254 73 8 2 0 7 57 2 10 118 14 .307 .377 .456 .833
2023 SD 155 665 596 83 170 31 2 19 262 58 19 2 0 6 56 0 7 110 21 .285 .350 .440 .790
MLB:11年 1419 6054 5430 835 1580 339 17 175 2478 741 93 19 5 49 517 20 53 1097 135 .291 .355 .456 .811
  • 2023年度シーズン終了時

年度別打撃成績所属リーグ内順位[編集]





















2013 21 ア・リーグ - - - - - - -
2014 22 - - - - - - -
2015 23 2位 2位 - - - - -
2016 24 - 5位 - - - - -
2017 25 - - - 6位 - - -
2018 26 - - 5位 - - 6位 -
2019 27 7位 4位 2位 - - 3位 -
2020 28 8位 - - - - - 7位
2021 29 8位 - - - - - -
2022 30 3位 8位 10位 - - - -
2023 31 ナ・リーグ 10位 8位 - - - - -
  • -は10位未満(打率は規定打席未到達の場合も-と表記)

年度別守備成績[編集]



三塁(3B) 遊撃(SS)
























2013 BOS 9 9 9 0 1 1.000 8 6 20 0 1 1.000
2014 44 37 64 10 2 .910 99 138 256 10 54 .975
2015 - 156 236 429 11 95 .984
2016 - 157 195 355 12 73 .979
2017 - 146 199 336 17 75 .969
2018 - 136 163 336 10 65 .980
2019 - 153 165 347 13 70 .975
2020 - 53 59 130 5 26 .974
2021 - 138 152 362 9 76 .983
2022 - 146 170 401 10 78 .983
2023 SD - 146 167 368 8 64 .985
MLB 53 46 73 10 3 .922 1338 1650 3340 105 677 .979
  • 2023年度シーズン終了時

表彰[編集]

MiLB
MLB

記録[編集]

MiLB
MLB

背番号[編集]

  • 72(2013年)
  • 2(2014年 - )

代表歴[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ オランダ語発音: [ˈsandər jon ˈboxart͡s] サンデル・ヨン・ボハルツ, 英語発音/ˈzændər d͡ʒɑn ˈboʊgɑrt͡s/ ザンダー・ジョン・ボーガーツ

出典[編集]

  1. ^ Xander Bogaerts Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2023年1月9日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i AJ Cassavell (2022年12月10日). “'More the merrier': Xander joins stacked Padres” (英語). MLB.com. 2022年12月12日閲覧。
  3. ^ Minor League Prospect Report: Xander "The Eliminator" Bogaerts, SS, Boston Red Sox Minor League Ball
  4. ^ Netherlands announces Roster for Baseball World Cup - IBAF
  5. ^ ジーター後継者は「サー」の爵位持つ24歳のグリゴリアス
  6. ^ Three Red Sox On Baseball America's Mid-Season Top 50 Prospects Over the Monster
  7. ^ Prospects pack rosters for 2012 All-Star Futures Game MLB.com
  8. ^ Xander Bogaerts Minor League Statistics & History Baseball-Reference.com
  9. ^ 2013 Tournament Roster” (英語). The official site of World Baseball Classic. 2015年2月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年2月27日閲覧。
  10. ^ 2013 Top 100 Prospects List
  11. ^ Red Sox Agree to Terms With 19 Players on 2014 Contracts”. MLB.com Red Sox Press Release (2014年3月7日). 2014年3月8日閲覧。
  12. ^ 24 All-Stars among initial confirmed players for 2017 World Baseball Classic MLB.com Press Release (英語) (2016年12月5日) 2016年12月15日閲覧
  13. ^ “レッドソックスのボガーツが足首骨折でDL入り”. 日刊スポーツ. (2018年4月10日). https://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/201804100000315.html 2018年10月5日閲覧。 
  14. ^ Matt Kelly, Manny Randhawa (2021年7月2日). “Here are your 2021 All-Star Game starters” (英語). MLB.com. July 11, 2021閲覧。
  15. ^ @thexman2 and @rafael.devers will be the 1st teammates to start at SS/3B in the ASG for the AL since Derek Jeter and @AROD in 2011. #TBT”. MLB ⚾ (@mlb) - Instagram. July 12閲覧。
  16. ^ Anthony Castrovince (2021年7月12日). “All-Star Game starting pitchers, lineups, FAQ” (英語). MLB.com. 2021年7月13日閲覧。
  17. ^ Ian Browne (2021年7月14日). “Barnes, Bogaerts lead Sox quintet at ASG” (英語). MLB.com. 2021年7月31日閲覧。
  18. ^ Xander Bogaerts Opt Out Of Red Sox Contract” (英語). MLB Trade Rumors. 2022年11月11日閲覧。
  19. ^ Two Players Accept Qualifying Offer; 12 Players Decline” (英語). mlbplayers.com (2022年11月6日). 2022年11月14日閲覧。
  20. ^ Outfielder Aaron Judge adds another MVP Award to Yankees’ collection” (英語). BBWAA – Baseball Writers' Association of America (2022年11月17日). 2022年11月18日閲覧。
  21. ^ Padres sign Xander Bogaerts to 11-year contract” (英語). MLB.com. 2022年12月10日閲覧。
  22. ^ a b Padres Sign Xander Bogaerts To 11-Year Deal” (英語). MLB Trade Rumors. 2022年12月10日閲覧。
  23. ^ AJ Cassavell (2024年2月16日). “Bogaerts moving to second; Kim named Padres' shortstop” (英語). MLB.com. 2024年3月21日閲覧。
  24. ^ Padres announce 2024 Opening Day roster” (英語). MLB.com (2024年3月20日). 2024年3月21日閲覧。
  25. ^ a b Red Sox Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年9月6日閲覧
  26. ^ a b Ian Browne (2018年8月10日). “See the Red Sox Players' Weekend nicknames” (英語). MLB.com. 2022年12月13日閲覧。
  27. ^ a b Jessica Camerato, Ian Browne (2019年8月19日). “Every Red Sox Players' Weekend nickname” (英語). MLB.com. 2022年12月13日閲覧。
  28. ^ “メジャーリーグ シルバースラッガー賞発表 引退オルティスの名も”. スポニチアネックス. (2016年11月11日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2016/11/11/kiji/K20161111013703170.html 2016年11月11日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]