イギリスのユーロビジョン・ソング・コンテスト

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イギリス
イギリス
加盟放送局 英国放送協会
国内選考大会 Eurovision: Your Country Needs You
出場
出場回数 60
初出場 1957
最高順位 第1位: 19671969197619811997
最低順位 最下位: 200320082010
外部リンク
BBC page
Eurovision.tvのイギリスのページ

イギリスのユーロビジョン・ソング・コンテストでは、イギリス(連合王国)におけるユーロビジョン・ソング・コンテストについて述べる。イギリスは、ユーロビジョン・ソング・コンテストの第2回大会である1957年大会で初めて出場した。英国放送協会(BBC)は1956年大会への参加も希望していたが、欧州放送連合に参加の申請をしたのは締め切りの後であった。2017年の時点で、イギリスは最長の連続参加記録を持っている。1958年大会での不出場の後、1959年大会から1度も欠かさず参加し続けている[1]。参加回数ではドイツのみがイギリスよりも長い参加経歴を持つ。

1999年大会ではルールが改正され、イギリスはドイツフランススペインと共に、過去の順位に関わらず、無条件で大会の決勝に参加できるものとされた。これは、この「Big4」と呼ばれる4国が欧州放送連合への拠出が大きいことによる。2008年、「Big4」の無条件での決勝進出の権利がなくなり、全ての参加国は準決勝から始めなければならなくなる、との言説が流れた[2]。しかし、「Big4」は2009年大会でも準決勝を経ずに決勝進出が無条件に認められることが確認された[3]

1998年大会までの間、イギリスはほとんど毎回、上位10位以内に入っていた。その後は、2002年大会ジェシカ・ガーリックJessica Garlick)、2009年大会ジェイド・ユエンJade Ewen)を除いて、順位は低迷し、10位以内に入ることはなかった。2003年はイギリスは1ポイントも得ることができず、史上初めて最下位となり、イギリスのユーロビジョンの負の歴史となった。2008年にも同様の結果が繰り返された。2007年では、イギリス代表のスクーチScooch)に対して、アイルランドマルタのみが得点を入れた。特に、マルタはイギリスに最高得点の12点をつけた。この年、アイルランドのみがイギリスよりも順位が低かった。1999年のルール改正によって、参加国は自国の公用語以外の言語も歌詞に使用できるようになった。それまでのルールでは歌詞に英語を使えるのはイギリスとアイルランド、マルタのみであったが、1999年以降はこの利点は失われた。

2008年2月、スコットランドがユーロビジョンに参加することを妨げることはできないと報じられた[4]。これは、さらにはイングランドとウェールズ、北アイルランドも、イギリス(連合王国)としてではなくそれぞれ個別に参加の可能性をも示唆するものであった。しかし、欧州放送連合は、この可能性に関して「議論したことはない」とし、英国放送協会とはイギリス全体として大会に参加する契約をしているが、英国放送協会がこれを変更する計画はないとした[5]。2008年5月26日、英国放送協会は2009年大会にイギリスとして参加することを発表した[6][7]

記録[編集]

イギリスは全ての大会を通しての累積得点が最も高く、また5回の優勝を経験している。これは、7回の優勝を経験したアイルランドに次いで2番目に多い。イギリスは15回、2位となっている。

イギリスは2004年大会までは毎年1点以上の得点を得て、その最長連続記録を保持している。1997年大会ではカトリーナ・アンド・ザ・ウェイヴスKatrina and the Waves)の「Love Shine a Light」は参加26箇国から227得点を集めた。しかし、2003年にこの連続記録は途絶え、26箇国の参加があったにも関わらず、1点も得られなかった。

1976年、イギリスは17箇国から164得点を集めた。これは1箇国あたりにすると9.64得点であり、この記録は破られていない。

イギリスはまた過去に8回、大会を主催しており、その数も最多である。イギリスの優勝回数は5回であるが、このほかに、前年度優勝して主催権を持った別の国が、主催権を返上したり大会に出場しなかったりした年にイギリスで開催された回数を含む。アイルランドは7回優勝し、大会を7回主催している。

イギリスは1回の大会で、最高得点である12点を最も多くの国から得た記録も持っている。1997年、10箇国から12得点がイギリスに入った。しかし、2009年にノルウェーが16箇国から12得点を集め、これに並んだ。ただし、1997年は25箇国が大会に参加していた一方、2009年は42箇国が参加しており、両者は単純には比較できない。

参加者[編集]

アーティスト 言語 決勝 得点 準決勝 得点
1957 パトリシア・ブレディン
Patricia Bredin
英語 "All" 7 6 準決勝なし
1958 不出場
1959 パール・カー&テディ・ジョンソン
Pearl Carr & Teddy Johnson
英語 "Sing, Little Birdie" 2 16
1960 ブライアン・ジョンソン
Bryan Johnson
英語 "Looking High, High, High" 2 25
1961 アリソンズ
The Allisons
英語 "Are You Sure" 2 24
1962 ロニー・キャロル
Ronnie Carroll
英語 Ring-a-Ding Girl" 4 10
1963 ロニー・キャロル
Ronnie Carroll
英語 "Say Wonderful Things" 4 28
1964 マット・モンロー
Matt Monro
英語 "I Love the Little Things" 2 17
1965 キャシー・カービー
Kathy Kirby
英語 "I Belong" 2 26
1966 ケネス・マッケラー
Kenneth McKellar
英語 "A Man Without Love" 9 8
1967 サンディー・ショウ
Sandie Shaw
英語 恋のあやつり人形
"Puppet on a String"
1 47
1968 クリフ・リチャード
Cliff Richard
英語 コングラチュレーションズ
"Congratulations"
2 28
1969 ルル
Lulu
英語 恋のブンバガバン
"Boom Bang-a-Bang"
1 18
1970 メリー・ホプキン
Mary Hopkin
英語 しあわせの扉
"Knock Knock, Who's There?"
2 26
1971 クローダ・ロジャーズ
Clodagh Rodgers
英語 "Jack in the Box" 4 98
1972 ニュー・シーカーズ
The New Seekers
英語 僕は素敵な恋泥棒
"Beg, Steal or Borrow"
2 114
1973 クリフ・リチャード
Cliff Richard
英語 力を我等に
"Power to All Our Friends"
3 123
1974 オリビア・ニュートン=ジョン
Olivia Newton-John
英語 青空の天使
"Long Live Love"
4 14
1975 シャドウズ
The Shadows
英語 レット・ミー・ビー・ザ・ワン
"Let Me Be the One"
2 138
1976 ブラザーフッド・オブ・マン
Brotherhood of Man
英語 想い出のラスト・キッス
"Save Your Kisses for Me"
1 164
1977 リンジー・ディ・ポール&マイク・モーラン
Lynsey De Paul & Mike Moran
英語 ロック・ボトム
"Rock Bottom"
2 121
1978 ココ
Co-Co
英語 "The Bad Old Days" 11 61
1979 ブラック・レイス
Black Lace
英語 "Mary Ann" 7 73
1980 プリマ・ドンナ
Prima Donna
英語 "Love Enough for Two" 3 106
1981 バックス・フィズ
Bucks Fizz
英語 夢のハッピーチャンス
"Making Your Mind Up"
1 136
1982 バルドー
Bardo
英語 "One Step Further" 7 76
1983 スウィート・ドリームズ
Sweet Dreams
英語 "I'm Never Giving Up" 6 79
1984 ベル・アンド・ザ・デヴォーションズ
Belle and the Devotions
英語 "Love Games" 7 63
1985 ヴィッキー・ワトソン
Vikki Watson
英語 "Love Is" 4 100
1986 ライダー
Ryder
英語 "Runner in the Night" 7 72
1987 リチャード・ピーブルズ
Rikki
英語 "Only the Light" 13 47
1988 スコット・フィッツジェラルド
Scott Fitzgerald
英語 "Go" 2 136
1989 ライヴ・レポート
Live Report
英語 "Why Do I Always Get it Wrong?" 2 130
1990 エンマ
Emma
英語 "Give a Little Love Back to the World" 6 87
1991 サマンサ・ジャナス
Samantha Janus
英語 "A Message to Your Heart" 10 47
1992 マイケル・ボール
Michael Ball
英語 "One Step Out of Time" 2 139
1993 ソニア
Sonia
英語 "Better the Devil You Know" 2 164 予選なし
1994 フランシズ・ラフェル
Frances Ruffelle
英語 "We Will Be Free (Lonely Symphony)" 10 63 準決勝なし
1995 ラヴ・シティ・グルーヴ
Love City Groove
英語 "Love City Groove" 10 76
1996 ジーナ G
Gina G
英語 "Ooh Aah... Just a Little Bit" 8 77 3 153
1997 カトリーナ&ザ・ウェイブス
Katrina and the Waves
英語 "Love Shine a Light" 1 227 準決勝なし
1998 イマーニ
Imaani
英語 "Where Are You?" 2 166
1999 プレシャス
Precious
英語 "Say It Again" 12 38
2000 ニッキー・フレンチ
Nicki French
英語 "Don't Play That Song Again" 16 28
2001 リンジー・ドラカス
Lindsay
英語 "No Dream Impossible" 15 28
2002 ジェシカ・ガーリック
Jessica Garlick
英語 "Come Back" 3 111
2003 ジェミナイ
Jemini
英語 "Cry Baby" 26 0
2004 ジェイムズ・フォックス
James Fox
英語 "Hold On to Our Love" 16 29 "Big 4"
2005 ジャヴァイン・ヒルトン
Javine Hylton
英語 "Touch My Fire" 22 18
2006 ダズ・サンプソン
Daz Sampson
英語 "Teenage Life" 19 25
2007 スクーチ
Scooch
英語 "Flying the Flag (for You)" 23 19
2008 アンディ・エイブラハム
Andy Abraham
英語 "Even If" 25 14
2009 ジェイド・ユエン
Jade Ewen[8][9][10]
英語 "My Time"[11] 5 173
2010 ジョッシュ・ドゥボウヴィー
Josh Dubovie[12][13]
英語 "That Sounds Good to Me"[12][13] 25 10
2011 ブルー
Blue
英語 "I Can" 11 100 "Big 5"
2012 エンゲルベルト・フンパーディンク
Engelbert Humperdinck
英語 "Love Will Set You Free" 25 12
2013 ボニー・タイラー
Bonnie Tyler
英語 "Believe in Me" 19 23
2014 モリー・スミッテン=ダウンズ
Molly Smitten-Downes
英語 "Children of the Universe" 17 40
2015 エレクトロ・ヴェルヴェット
Electro Velvet
英語 "Still in Love with You" 24 5
2016 ジョー&ジェイク
Joe and Jake
英語 "You're Not Alone" 24 63
2017 ルーシー・ジョーンズ
Lucie Jones
英語 "Never Give Up on You" 15 111

1968年大会に関して、2008年、スペインのドキュメンタリーの中で、映画製作者のモントセ・フェルナンデス・ビラ(Montse Fernandez Vila)は、フランシスコ・フランコによる投票操作によって、クリフ・リチャードの「Congratulations」は優勝を逃したとの嫌疑を示した。「Congratulations」は1点差での2位であった[14]

投票履歴(1975年 - 2015年)[編集]

2003年まで、イギリスは旧植民地の国々からの得点を常態的に得続けており、アイルランド、マルタ、そしてより軽微ながらキプロスやイスラエルから得点が入っていた。しかし2003年にイギリスは初のゼロ得点を記録して以来、アイルランドのみがイギリスに得点を与え続けるようになった。

イギリスから高得点が送られた国々:

順位 得点
1 アイルランドの旗 アイルランド 240
2 スウェーデンの旗 スウェーデン 194
3 ドイツの旗 ドイツ 168
4 スイスの旗 スイス 166
5 デンマークの旗 デンマーク 122

イギリスに高得点を送った国々:

順位 得点
1 アイルランドの旗 アイルランド 225
2 スイスの旗 スイス 206
3 フランスの旗 フランス 189
4 オーストリアの旗 オーストリア 188
5 ベルギーの旗 ベルギー 181

出典:[15]

得点の合計は決勝のときのもののみであり、準決勝のものは含まない。

主催[編集]

場所 会場 司会
1960 イングランドの旗 ロンドン ロイヤル・フェスティバル・ホール Katie Boyle
1963 イングランドの旗 ロンドン BBC Television Centre Katie Boyle
1968 イングランドの旗 ロンドン ロイヤル・アルバート・ホール Katie Boyle
1972 スコットランドの旗 エディンバラ アッシャー・ホール モイラ・シアラー
1974 イングランドの旗 ブライトン Brighton Dome Katie Boyle
1977 イングランドの旗 ロンドン Wembley Conference Centre Angela Rippon
1982 イングランドの旗 Harrogate Harrogate International Centre Jan Leeming
1998 イングランドの旗 バーミンガム ナショナル・インドア・アリーナ Ulrika JonssonTerry Wogan

長年にわたり、英国放送協会による中継ではベテランのラジオやテレビのプレゼンターが起用されてきた。トム・フレミングTom Fleming)、デーヴィッド・ヴァインDavid Vine)、デビッド・ジェイコブズデーヴ・リー・トラヴィスDave Lee Travis)、ピート・マーレイPete Murray)、ジョン・ダンJohn Dunn)、マイケル・アスペルMichael Aspel)らも登場している。しかし、テリー・ウォーガンは1980年から2008年まで毎年、英国放送協会による中継を続けている[16]

スコットランドによる単独参加の可能性[編集]

スコットランドは2009年大会への参加を計画していた。スコットランド国民党は長年にわたり、スコットランドのユーロビジョン参加を訴え続けてきた。しかし、スコットランドがイギリス(連合王国)の一部であり、英国放送協会がイギリスのユーロビジョンを代表していることから、スコットランドの参加は拒否され続けてきた[17]

2008年2月11日、欧州放送連合は、スコットランドの放送局が欧州放送連合に加盟することは可能としつつ、現行の規定ではユーロビジョンに関しては英国放送協会がイギリス全体を代表する排他的権利を有するとした[17]

スコットランドを代表しうる放送局としてはSTVBorder TVBBC Scotlandがある。欧州議会議員のアラン・スミス(Alan Smyth)は欧州議会にて、「他の小国は(大会に参加)できた。このプロセスを進める全ての放送局を、私は喜んで助けたい。」と述べた[18][19][20][21]

しかし、もしスコットランドが参加すると、ウェールズ北アイルランドの参加にも道が開かれることになる。ウェールズの放送局S4Cは既に参加意欲を表明しており、のみならず毎年ウェールズの国内大会Cân i Gymruを開催している[22]

しかし、2008年5月、イギリスが2009年大会に参加することが発表され、これによってスコットランドが単体で大会に参加することはできなくなった[23]

テリー・ウォーガン[編集]

2008年8月12日、テリー・ウォーガン(Terry Wogan)はユーロビジョン・ソング・コンテストのイギリス向けの中継への参加を止めることが確認された。BBC Radio 2のDJで37年間にわたって英国放送協会の報道の顔であった彼は、「誰かと交代すべき時だ」と語った[24]。後任はグラハム・ノートンGraham Norton)となった。

脚注[編集]

  1. ^ O'Connor, John Kennedy (2007). The Eurovision Song Contest - The Official History. UK: Carlton Books. ISBN 978-1-84442-994-3. 
  2. ^ Murray, Gavin (2008年5月28日). “Big 4: May lose automatic place in Eurovision final”. ESCToday. 2008年5月28日閲覧。
  3. ^ Viniker, Barry (2008年9月14日). “Eurovision 'Big Four' final spots confirmed”. ESCToday. 2008年9月14日閲覧。
  4. ^ Eurovision Song Contest Serbia 2008 | News - Scotland: first Eurovision Song Contest entry?
  5. ^ Eurovision Song Contest Serbia 2008 | News - Scotland: There are no discussions!
  6. ^ United Kingdom will not withdraw”. ESCToday.com. 2008年5月26日閲覧。
  7. ^ BBC defends Eurovision funding”. Digitalspy.co.uk. 2008年5月26日閲覧。
  8. ^ Rendall, Alasdair (2009年1月31日). “United Kingdom: Jade wins Your Country Needs You”. Oikotimes. 2009年1月31日閲覧。
  9. ^ Klier, Marcus (2009年1月31日). “United Kingdom: Eurovision entrant chosen”. ESCToday. 2009年1月31日閲覧。
  10. ^ Our Country Needs... JADE!”. British Broadcasting Company (2009年1月31日). 2009年1月31日閲覧。
  11. ^ Sanderson, Elizabeth (2009年1月24日). “We wrote the Eurovision song in two hours, says Lloyd Webber”. Daily Mail. 2009年1月24日閲覧。
  12. ^ a b Webb, Glen (2010年3月12日). “Josh flying the flag for United Kingdom in Oslo”. European Broadcasting Union. 2010年3月12日閲覧。
  13. ^ a b Hondal, Victor (2010年3月12日). “The United Kingdom sends Josh to the Eurovision Song Contest”. ESCToday. 2010年3月12日閲覧。
  14. ^ Fiona Govan (2008年5月5日). “How Franco cheated Cliff out of Eurovision title”. Daily Telegraph. 2009年3月1日閲覧。
  15. ^ Points to and from the United Kingdom (1975-2008)”. EurovisionRecords. 2008年2月11日閲覧。
  16. ^ http://eurovisionarchive.members.beeb.net/trivia.htm
  17. ^ a b Scotland heading for 2009 bid?”. eurovision.tv. 2008年2月12日閲覧。
  18. ^ Scotland given the go-ahead to enter Eurovision!”. oikotimes.com. 2008年2月11日閲覧。
  19. ^ Scotland may submit its own Eurovision entry”. TheHerald.co.uk. 2008年2月11日閲覧。
  20. ^ Scotland Given Go-Ahead To Launch Own Eurovision Entry”. DailyRecord.co.uk. 2008年2月11日閲覧。
  21. ^ breaking up the United Kingdom? Scotland: first Eurovision Song Contest entry?”. esctoday.com. 2008年2月11日閲覧。
  22. ^ Cân i Gymru”. S4C.co.uk. 2008年3月1日閲覧。
  23. ^ Kuipers, Michael (2008年5月28日). “United Kingdom will not withdraw”. ESCToday. 2008年5月26日閲覧。
  24. ^ Fletcher, Alex (2008年8月12日). “Terry Wogan quits Eurovision role”. Digital Spy. 2008年8月12日閲覧。

外部リンク[編集]