イエネズミ

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イエネズミ家鼠,家ネズミ)とは、人家やその周辺に棲息するネズミ類の総称。日本のネズミ類のうちでこれに当たるものは、ドブネズミクマネズミハツカネズミの3種類にほぼ限られる。

これに対して野外に棲息するアカネズミハタネズミなどを「ノネズミ」と言う。

分布[編集]

3種の家ネズミは、ほぼ世界中に分布し、日本にもほぼ全域に棲息するが、いずれも人間とともにユーラシア大陸から渡ってきた史前帰化動物と考えられる[誰によって?]。人間生活への随伴性を身につけ、世界に広がる前の野生動物としての原産地は、メソポタミア地方の河川流域や沼沢地帯と考えられている。

都市化とイエネズミの増加[編集]

かつての日本家屋では、天井に営巣するクマネズミと、台所や下水道に穴居するドブネズミが、生活の場を棲み分けていた。ハツカネズミはもともと他の2種と比べると少ない。 その後、戦後の都市化とともに、地下街や下水道など湿った場所を好むドブネズミが勢力を伸ばしたが、1970年ごろからの高層ビル建築ラッシュとともに、乾燥した高いところを好み登攀力に優れ、配管等を伝ってフロア間を自由に行き来することができるクマネズミが目立ち始めた。現在、都内での調査によるとネズミ関連の相談件数で種の断定ができたものの9割合以上がクマネズミであり、都会の高層階でもクマネズミが大量発生している。[1]現在、住宅の屋根裏に生息するのはクマネズミであるが、近年は再開発の影響で地中に生息しているドブネズミがすみかを追われて都心に出てきており、渋谷や銀座の繁華街ではドブネズミも頻繁に見られるようになっている。

なお、クマネズミは他のネズミより警戒心が強く捕獲しにくく、殺鼠剤に耐性のある肝臓の毒代謝能力の高いものが多く現れており、捕獲が難しくこれも増加の一因となっている。ビル内は一年中温度が一定に保たれているため、冬でもさかんに繁殖し、東京では特に夏期に繁殖活動が上昇しており、主要都市を中心に増殖し続けている。

人間との関わり[編集]

「野ネズミ」は愛玩動物の一種として飼育する愛好家も存在し、自然観察の愛好者からも人気が高い一方で、「家ネズミ」は病原体を媒介したり樹木や建物、電気機器などの内部や通信ケーブルなどをかじったりして人間に直接・間接の害を与える衛生害獣であり、駆除の対象となっている。 家ネズミが原因の火災も発生しており、業者等に駆除を依頼するケースも多い。

鼠害を受けたLANケーブル

脚注[編集]

関連項目[編集]