アールスト

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アールストオランダ語: Aalst [aːlst]フランス語: Alost、ブラバント方言: Oilsjt)は、ベルギーオースト=フランデレン州の東部に位置する都市で、同名の行政区画の中心地である。1977年の初めに、アールスト、バールドヘム(Baardegem)、ヘイズヘム(Gijzegem)、ヘルドルセム(Herdersem)、ホフスタード(Hofstade)、メルドルト(Meldert)、モールセル (Moorsel)、ニーウェルケルクン(Nieuwerkerken)の8市及びエーレムボードヘム(Erembodegem)の一部の合併により成立した。人口77,007人(2005年)。面積78.11km²。

ほとんどデンデル(Dender)河域に位置して、幾分(起伏のある)砂質のローム・フランデレン地帯の北部周縁にあるアールスト市は、人口でオースト=フランデレン州第2の都市である。アールスト市の中心地域、ホフスタード及びエーレムボードヘムは中位の都市圏を構成し、合併市の他の市街地は個々の中心部を成す。

概要[編集]

主要産業としては、過去興隆した繊維産業の他に、金属工業やプラスチック工業、家具製造業、建築材料産業、食品工業、製靴業などがある。アールストには発電所があり、合計300ha余りになる6ヶ所の工業団地がある。農業はホフスタード、メルドルト及びモールセルに集中し、ホップ栽培や花卉栽培が主で花卉市場やホップ市場がある。

総労働人口の89%を占める就業人口31,285人(1991年)の1.7%は第一次産業、28%は第二次産業、64.8%は第三次産業に従事していて、5%は職業未詳。首都ブリュッセルへ通勤する労働者も多い。

またデンデル川地帯のサービス業の中心地で、教育機関、病院、商法廷、劇場、美術館などがある。鐘楼には神父ダーンス記念館(Daensmuseum)及びフランデレンにおける社会闘争文書館(Archief van de Vlaamse sociale strijd、1982年開館)がある。

毎年四旬節前、灰の水曜日直前の日曜日から大規模なカーニバルが開催される。翌日の月・火曜日に多くの人々が仮装し、鐘楼から市の象徴である玉葱が投下される。火曜日は女装の行列などもあり、人形を燃やすことで終了する。このカーニバルはユネスコ無形文化遺産に登録されていたが、2019年12月13日、国連教育科学文化機関政府間委員会はカーニバルの無形文化遺産登録抹消を決めた。2019年3月に行われた際、山車の一つが反ユダヤ主義的で人種差別だと批判されていた。ユネスコ無形文化遺産で登録抹消は初めて[1]

風物[編集]

デンデル河畔にある旧市街はいくつかの面白い建物が残っている。1481年に礎石を据えられたブラバント=ゴシック建築様式の聖マルティヌス教会(St.Maartenskerk)は未完成のままになっている。父のヒエロニマス・ドゥケノワ (Hieronimus Duquesnoy, Sr)に彫刻された後期ルネサンス大理石の(聖体を保存する)聖櫃(せいひつ)やルーベンス、クラーヤー(Gaspar de Crayer)、フェーン(Otto van Veen)の壁画などでインテリアが貴重である。もともと13世紀の、スヘルデ=ゴシック建築様式のスヘーペンホイス(旧州裁判所、Schepenhuis)は15世紀に建て直されたものである。それにすぐ接続している鐘楼(15世紀)には低地地方で最も古い機械仕掛けのカリヨン(52口の鐘)が据え付けてある。優雅な後期ルルネサンスのボルス=ヴァン=アムステルダム(文字通りに「アムステルダムの証券取引所」Borse van Amsterdam、17世紀)はもとのバルバラ室(Barbarakamer)というレトリシャン会館である。すてきなロココ様式の正面をしているアールスト州のもとの行政官庁であるラントホイス(Landhuis, 1643年 - 1646年)は今の古典風の市庁舎(1825年 - 1830年)と全体を構成する。もとのベギン会修道院は1787年に始まった古典風の教会しか残っていない。

歴史[編集]

アールストの教会
1775年頃のフェラーリの地図

870年の文献にアールストの城が初めて登場する。城市は中世にアールスト伯爵領、その後に貨幣鋳造権を有するアールスト州首都となった。1576年にスペイン軍によって略奪され、1582年にアランソン公フランソワによって征服された後、結局1583年にイングランド軍によって占領され、3万ダカットの代金と引き換えにネーデルラント総督であるパルマ公アレッサンドロ・ファルネーゼに譲渡された。1667年に要塞はテュレンヌ子爵によって攻略され、破壊された。1676年と1701年に軍事行動で大打撃を受け、1914年と1940年に戦災で被害を受けた。19世紀末から20世紀初頭はアールスト市とその付近には、繊維産業の貧困労働者のために闘ったダーンス兄弟のキリスト教国民党が活躍していた。

カーニバル[編集]

アールストは、四旬節の前に毎年祝われるカーニバル祭りで知られている。この祝賀会では、旧市庁舎の鐘楼が伝統的な「玉ねぎの投げ捨て」の場所になっている。[11] 王子カーニバルは、「ルール」3日間、市内を許可されている方が選出される。日曜日には街を横断する大きなパレードが行われ、約70組の衣装を身に着けたボランティアとパレード車が集まる。カーニバル火曜日または告解火曜日(伝統により、灰の水曜日の前日)は、「ボイルジャンネッテン」(文字通り「汚れたジェニー」)の日、つまり男性に女性の服を着た日として知られている。祭りは伝統的に火曜日の夜に行われる「人形のを燃やし尽くし」で幕を閉じる。

姉妹都市[編集]

出身者[編集]

参考文献[編集]

  • Anon (2014年). “From Then til Now”. www.brabantia.com. 2014年8月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年8月2日閲覧。
  • Anon (2014a). “Twin Towns”. Gabrovo Municipality. 2014年8月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年8月2日閲覧。
  • Blanjean, Lucienne (1997). “Aalst”. In Johnston, Bernard. Collier's Encyclopedia. I: A to Ameland (1st ed.). New York, NY: P. F. Collier. 
  • Canby, Courtlandt (1984). “Aalst”. In Carruth, Gorton. The Encyclopedia of Historic Places. I: A-L. New York, NY: Fact on File Publications. ISBN 0-87196-126-1. https://archive.org/details/encyclopediaofhi0000canb. 
  • Clough, Shepard B. (1946) [1945]. “IX: The Flemish Movement”. In Goris, Jan-Albert. Belgium. The United Nations. Berkeley, CA: University of California Press. ASIN B001VSF64A 
  • Cohen, Saul B., ed (1998). “Aalst”. The Columbia Gazetteer of the World. New York, NY: Columbia University Press. ISBN 0-231-11040-5. 
  • Cook, Bernard A. (2004). Belgium: A History. Studies in Modern European History. 50. New York, NY: Peter Lang Publishing, Inc.. ISBN 0-8204-5824-4 
  • Hoiberg, Dale H., ed (2010). “Aalst”. Encyclopædia Britannica. I: A-Ak - Bayes (15th ed.). Chicago, Illinois: Encyclopædia Britannica, Inc.. ISBN 978-1-59339-837-8. https://archive.org/details/newencyclopaedia2009ency. 
  • Munro, David, ed (1995). “Aalst (Alost)”. The Oxford Dictionary of the World. Oxford, UK: Oxford University Press. ISBN 0-19-866184-3. https://archive.org/details/oxforddictionary00munr. 
  • Ogrizek, DoreÌ (1961) [1950]. Belgium and Luxembourg. The World in Color. ASIN B0007H5COK 
  • Young, Margaret Walsh; Stetler, Susan L., eds (1987). “Aalst”. Cities of the World. 3: Europe and the Mediterranean Middle East (3rd ed.). Detroit, MI: Gale Research Company. ISBN 0-8103-2541-1. 

外部リンク[編集]

脚注[編集]

  1. ^ ユネスコ、人種差別と登録抹消 文化遺産のベルギーのカーニバル東京新聞、2019年12月14日閲覧。