アークバード

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アークバード: Arkbird)は、ナムコ(後のバンダイナムコゲームス)のPlayStation 2フライトシューティングゲームACE COMBAT 5 THE UNSUNG WAR』に登場する架空有人宇宙機。「大気機動宇宙機」と呼ばれる独自のカテゴリーに属する。本来は一種の衛星兵器として開発された機体だが、世界情勢の急激な変化によって、その役割が二転三転した。

開発経緯[編集]

SDI計画[編集]

1980年代初頭、オーシア連邦ユークトバニア連邦共和国は、イデオロギー対立による冷戦状態にあり、互いに戦略兵器の開発に明け暮れていた。当時のオーシア連邦はSDI計画に基づき、レールガン等の運動エネルギー兵器やレーザー兵器を搭載した攻撃衛星や、早期警戒衛星等の偵察衛星を配備、従来の地対空ミサイル等による迎撃システムとの組み合わせにより、多段階での迎撃を可能とする非常に高度な弾道ミサイル迎撃システムを構築した。しかし、ユークトバニア海軍のシンファクシ級潜水空母に代表される弾道ミサイル発射プラットフォームの高性能化は、オーシア側が有する迎撃能力を上回る可能性があるとされ、これを受けて国防総省高等研究計画局が対抗策として打ち出した案が「大気機動宇宙機」であった。

この大気機動宇宙機とは、通常時は一般的な衛星と同様に常に軌道上を周回、偵察衛星等によって敵国のミサイル発射が探知された場合は、大気圏上層に降下してウェーブライディングによって軌道を変更する「大気利用軌道変更」によって迅速に迎撃ポイントに移動、搭載する高出力レーザー兵器によりブースト・ミッドコース・ターミナルフェイズの全ての段階での弾道ミサイル迎撃を可能とする機体で、通常の人工衛星と比べると極めて柔軟な軌道変更が可能であり、従来の宇宙機とは比較にならない高い自由度を有していた。しかし、この兵器構想は実証建造に至る前に冷戦が終結、実現する事はなかった。

軌道清掃プラットフォーム[編集]

1990年代後半、ベルカ戦争を経て大きく疲弊していたオーシア、ユークトバニア両国は、1999年7月に地球への落着が予想されていた小惑星ユリシーズへの対処を共同で行う事となった。両国ともユリシーズに対して直接の迎撃手段を講じる人的・経済的な余裕はなく、ユリシーズ落着後の復興計画や、軌道上に大量に発生すると予想された微小隕石群の除去等で協力体制が築かれる事となった。

大気機動宇宙機は、この微小隕石の除去を行うプラットフォームとして再び着目され、実証建造に先立って製作されていたオーシアの設計案をベースに、両国の共同で建造される事となった。その用途が弾道弾迎撃から微小隕石の破砕及び除去に変更された為、両国の協議によって機体下部のレーザーユニットは取り外され、地上に対してのレーザー照射は不可能となり、かつて兵器として計画された大気機動宇宙機は純粋な平和利用に転換された。

軍事転用[編集]

2010年に勃発した環太平洋戦争中、ユークトバニアの保有するシンファクシ級潜水空母による攻撃で空母二隻を失ったオーシアは対抗手段としてアークバードの軍事転用を決定、取り外された下部のレーザーユニットを再び取り付けるため、マクネアリ空軍基地の東に位置するバセット国際宇宙基地のマスドライバーでユークトバニアの妨害攻撃の中、SSTOによる打ち上げに成功した。 レーザーユニットを取り付けたアークバードは弾道ミサイル迎撃能力という本来の能力を発揮しシンファクシの散弾ミサイルによる攻撃からサンド島飛行部隊を守り、さらにはシンファクシに対するレーザー攻撃をも行いシンファクシ撃沈に貢献したが、後にスパイによる破壊工作のため動力部を破損し、以後ミサイル防衛として利用されることはなかった。

オーシア軍の精鋭航空部隊であるサンド島分遣隊が軍を脱走した後、ベルカの手に落ち、その機能を回復する。加えて無人戦闘機フォーゲルとフォーゲルの射出装置を追加され、さらにはベルカより8492飛行隊(グラーバク)の手で輸送された戦術核を受け取り、ユークトバニアのオクチャブルスク市に対する核攻撃を敢行しようとする。しかし、オクチャブルスク市へ向かうべく軌道変更の為に大気圏上層へと降下した際、囚われていたオーシア人の宇宙飛行士ジョン・ハーバードが脱出の際に機体に細工を行ったことで低高度への降下を余儀なくされ、その状況でラーズグリーズ隊と交戦。ロケットエンジンを破壊されたことでオクチャブルスク市への移動が不可能になるも、その事態を想定して用意されていた第2作戦に従い、オーシア領内への核攻撃を企図する。しかし激戦の末、複合サイクルエンジンと緊急用のロケットエンジンを全て破壊され、セレス海上空で撃墜された。

特徴[編集]

上記「開発経緯」項にて説明されている通り、厳密には人工衛星に区別されるが、衛星大気圏上層に降下し、軌道面を大きく変更する「大気利用機動変換」ができるため、従来の宇宙プラットフォームにはない機動性能を持つ。この性能実現のため、機体全体のシルエットは一般的な人工衛星とはかけ離れた特殊な形状となっており、さながら巨大な航空機のような印象を与えるU字型に反った二等辺三角形に近いものである。

その規模の巨大さゆえ、就航後は地上に降りることなく軌道上を周回しており、補給は単独シャトル(SSTO)による往還にて行われている。

機体背面には半球状の突起があり、ユリシーズの破片を破壊するためのレーザー砲台が取り付けられている。なお、こちらはユークトバニア製となっている。

環太平洋戦争中はオーシア・ベルカ両軍によって争奪されつつ軍事利用されたため、下部レーザー砲台や空対空ミサイル、無人機射出装置などの重武装が施された。戦争後期には核兵器が搭載されていたという説があるが、実際に行使されることなく機体が撃墜された経緯もあり、搭載の有無やその攻撃手段などの詳細は不明なままである。

関連設備[編集]

バセット国際宇宙基地
オーシアとユークトバニアの両国が共同で管理している施設。

戦歴[編集]

  • 1980年
    • 打ち上げに成功。
  • 2010年10月3日
    • バセット国際宇宙基地から打ち上げられたレーザーモジュールの受け渡しに成功。ミサイル迎撃能力を回復させる。
  • 2010年10月4日
    • ユークトバニア軍によるサンド島上陸作戦の迎撃に参加。潜水艦シンファクシによる散弾ミサイルにレーザーで対抗し、ミサイル迎撃に成功。また、同艦にレーザーで援護攻撃を仕掛け、損害を与える。
  • 2010年10月25日
    • 地上より打ち上げられた補給物資の中に仕掛けられた爆弾により機関部損傷。アークバードは機動不能状態に陥る。
  • ~2010年12月
    • この間までに、工作員によりアークバードは掌握される。
    • 兵装の追加が推し進められ、レーザー、無人迎撃機などが搭載される。
  • 2010年12月19日
    • アークバードは核兵器を搭載し、ユークトバニア連邦のオクチャブルスク市に攻撃を画策したがラーズグリーズ隊の阻止に遭い撃墜される。なお、アークバードは、公式には原因不明の墜落事故を起こしたとされている。

参考資料[編集]

関連項目[編集]