アークトゥルス

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アークトゥルス
Arcturus
仮符号・別名 うしかい座α星[1]
星座 うしかい座
視等級 (V) -0.04[1]
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α) 14h 15m 39.67207s[1]
赤緯 (Dec, δ) +19° 10′ 56.6730″[1]
赤方偏移 -0.000017[1]
視線速度 (Rv) -5.19km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: -1093.39 ミリ秒/年[1]
赤緯: -2000.06 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π) 88.83± 0.54ミリ秒[1]
距離 36.70 ± 0.22光年[注 1]
(11.26 ± 0.07パーセク)[注 1]
絶対等級 (MV) -0.297[注 2]
物理的性質
半径 26 R[2]
質量 1~1.5 M
スペクトル分類 K0III[1]
光度 113 L[2]
表面温度 4,290 K[2]
色指数 (B-V) +1.23[3]
色指数 (U-B) +1.27[3]
色指数 (V-I) +1.63[1]
金属量 太陽の20~50%
年齢 4.6 × 109
別名称
別名称
うしかい座16番星[1]
Alramech, Abramech
BD +19 2777[1], FK5 526[1]
HD 124897[1], HIP 69673[1]
HR 5340[1], SAO 100944[1]
LTT14184[1]
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アークトゥルス(Arcturus)は、うしかい座α星うしかい座で最も明るい恒星で全天21の1等星の1つである赤色巨星[4]太陽を除き実視等級がマイナスとなる4つの恒星の1つ。

概要[編集]

の夜空を代表する星として昔から親しまれている。おとめ座スピカが近くに輝いており、アークトゥルスのオレンジ色とスピカの青白い色の対比から、アークトゥルスとスピカは夫婦星と呼ばれる。アークトゥルスが男性、スピカが女性である。

北斗七星の柄の部分のカーブを延長すると、アークトゥルスを通ってスピカへたどり付く。これを春の大曲線という[5]。また、アークトゥルスとスピカ、それにしし座β星デネボラを結ぶと、大きな正三角形ができる。これを春の大三角という[6]。春の大三角にりょうけん座α星を加えてできるひし形春のダイヤモンドという[6]

特徴[編集]

8.3周期で0.04等とわずかに変光している。

アークトゥルスは、固有運動が大きい高速度星として知られる。1717年ハレー彗星の発見者でもあるエドモンド・ハレーは、自分が観測したアークトゥルスの位置と、1800年前の古代ギリシャで観測された位置が、約1度(月の視直径2個分)ずれていることを発見した。これが、恒星の固有運動の発見となった。アークトゥルスは、太陽系に対して秒速140km[7]でおとめ座の方向へ移動している。およそ50000年後には、アークトゥルスとスピカが非常に接近して輝くという。

名称[編集]

学名はα Boötis(略称はα Boo)。アークトゥルス(アルクトゥルス[8]、アークトゥールス、アルクツルス、アークツルスとも。英語発音はアークチュアラスに近い[8])は、ギリシア語で「熊を護るもの」を意味する Αρκτουρος (Arktouros ; アルクトゥーロス)に由来している[8][9][10]。これは、日周運動によっておおぐま座の後を追いかけて行くように見えることから来ている[9]

日本[編集]

アークトゥルスには、「麦星[8][11]」、「麦刈星[8][11]」、「麦熟れ星[11]」、「五月雨星[8][12]」など多数の和名がある。このうち、麦星などは麦を刈り入れる頃になると日没後にアークトゥルスが頭上に輝くことから名付けられている[8]。また、敵性外国語が禁じられていた戦時中、野尻抱影スピカの日本名として「真珠星」を提案した際に、山本一清はアークトゥルスを「珊瑚星」と命名することを提案したが、真珠星のように世に広まることはなかった[13]

中国[編集]

伝統的に「大角」と呼ばれている[8]。これは、アークトゥルスが二十八宿の初めの角宿にもともと配置されており、さそり座あたりを東方青竜と見たてて、その2本の角の1つとしたものである[8]が、その後は次の宿である亢宿おとめ座あたり)に配置変えされている[14]

ハワイ[編集]

アークトゥルスは、ハワイ語で「ホクレア (Hōkūle‘a) 」(喜びの星 star of gladness の意)と呼ばれている[15]。南のポリネシア人はこの星を頼りにポリネシア航法で北のハワイ諸島へ達したといわれており、この航法を復活するために「ホクレア号」が建造されている[16]

逸話[編集]

1858年ドナティ彗星の尾がアークトゥルスと重なった。このとき尾を通してアークトゥルスが輝いて見えたため、彗星の尾が極めて希薄であることがわかった[17]

1933年シカゴ万博の開会式で、アークトゥルスの光を集光し、それを動力に変えてイルミネーションを点灯させるというセレモニーが行われた。これは前回のシカゴ万博から40年を記念して、40年前にアークトゥルスから放たれた光[注 3]を使ったものであった[18]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算(誤差も同様)、光年はパーセク×3.26より計算。各有効桁小数第2位
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。有効桁小数第3位
  3. ^ 当時、アークトゥルスとの距離は40光年と考えられていた。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t SIMBAD Astronomical Database”. Results for NAME ARCTURUS. 2013年1月15日閲覧。
  2. ^ a b c Jim Kaler. “Arcturus”. 2015年11月19日閲覧。
  3. ^ a b 輝星星表第5版
  4. ^ 赤色巨星”. JAXA宇宙情報センター. 2016年8月30日閲覧。
  5. ^ 野尻抱影 1977, pp. 79-80.
  6. ^ a b 野尻抱影 1977, pp. 70-71.
  7. ^ 野尻抱影 1977, p. 81.
  8. ^ a b c d e f g h i 原恵 『星座の神話 - 星座史と星名の意味』 (新装改訂版) 恒星社厚生閣、1996年6月30日、122-123頁。ISBN 4-7699-0825-3 
  9. ^ a b 野尻抱影 1977, p. 77.
  10. ^ Online Etymology Dictionary
  11. ^ a b c 野尻抱影 1986, pp. 26-28.
  12. ^ 野尻抱影 1986, p. 28.
  13. ^ 野尻抱影 1986, p. 30.
  14. ^ アークトゥルス(コトバンク)
  15. ^ Founding the Polynesian Voyaging Society; Building and Naming Hōkūle‘a”. ハワイ大学システム. 2015年11月12日閲覧。
  16. ^ ハワイは喜びの星「ホクレア」が輝くベストシーズン” (2015年6月). 2015年11月12日閲覧。
  17. ^ 野尻抱影 1977, p. 82.
  18. ^ 野尻抱影 1977, p. 83.

参考文献[編集]

関連項目[編集]