アンパンマンミュージアム

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アンパンマンミュージアムは、やなせたかし原案のキャラクター「アンパンマン」を題材とした、高知県美術館アンパンマンミュージアム)、または日本各地に存在するテーマパークアンパンマンこどもミュージアム)の双方を指す呼称である。

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一覧[編集]

2023年現在、6施設が運営されており、各地方にある大都市に設けられている。

アンパンマンミュージアムの一覧(2020年時点)
名称 所在地 位置 開館 運営 入館者数
年間目標
仙台アンパンマンこどもミュージアム&モール 宮城県仙台市宮城野区 北緯38度15分50.9秒 東経140度53分15秒 2011年7月 LLP 40万人/年[1]
横浜アンパンマンこどもミュージアム 神奈川県横浜市西区 北緯35度27分30.8秒 東経139度37分31.6秒 2007年4月
(2019年7月移転)
100万人/年[2]
名古屋アンパンマンこどもミュージアム&パーク 三重県桑名市 北緯35度1分51.8秒 東経136度43分51.8秒 2010年4月 LLP 50万人/年[3]
神戸アンパンマンこどもミュージアム&モール 兵庫県神戸市中央区 北緯34度40分42.5秒 東経135度11分5.1秒 2013年4月 LLP 60万人/年[4]
香美市立やなせたかし記念館 高知県香美市 北緯33度38分51.6秒 東経133度47分1.6秒 1996年7月 公財 10万人/年[5]
福岡アンパンマンこどもミュージアムinモール 福岡県福岡市博多区 北緯33度35分41.5秒 東経130度24分20.6秒 2014年4月 LLP 50万人/年[6]

香美市立やなせたかし記念館[編集]

1996年平成8年)7月に「香北町立やなせたかし記念館 アンパンマンミュージアム」として開館し、同町の市町村合併に伴って2006年(平成18年)4月に「香美市立やなせたかし記念館」に改称された、公立の美術館。現在は、公益財団法人やなせたかし記念アンパンマンミュージアム振興財団が運営を行っている。

同館は当初、前述の「アンパンマンミュージアム」単独の施設であり、年間入館者数を10万人と見込んでいたが、開業して49日間で10万人(無料で入館できる乳幼児を含まない数)を突破するほど人気の施設となった[5]

その後、有料の「詩とメルヘン絵本館」や無料の様々な施設が次々加えられており、例えば共通券の入館料を払うことで全ての有料施設に入ることが可能である。

2013年度(平成25年度)の有料施設の年間入館者数は、アンパンマンミュージアムが15万2132人、詩とメルヘン絵本館が4万7981人となっている[7]

アンパンマンこどもミュージアム[編集]

「アンパンマンこどもミュージアム」は現在、『それいけ!アンパンマン』を放送する日本テレビの関連会社「ACM」(アンパンマンチルドレンスミュージアム)の直営、または、ACMおよび同番組を放送する日本テレビ系列地元局などが加わった有限責任事業組合 (LLP) が運営するテーマパークである。

最初に開業した横浜では当初、22者によって組成されたLLPが運営していたが、全国展開に向けて2009年(平成21年)7月に設立されたACMの直営に替わり、第2号の名古屋以降は各地の施設をACMが中心となって組成されたLLPが運営している。なお、2017年(平成29年)3月31日付で、ACMは日本テレビホールディングスの連結子会社となっている[8])。

アンパンマンこどもミュージアムの運営
施設 運営を担う有限責任事業組合の組合員(当初) 土地所有者
横浜 22者 : 日本テレビ音楽アガツマ池田模範堂、伊藤産業、稲垣服飾、オークス、協同宣伝、セガセガトイズ創通エージェンシー、東邦化工、トーホートムス・エンタテインメントナカバヤシ、ニッポンスリッパ、乃村工藝社バップバンダイバンプレスト不二家フレーベル館明治乳業[9][10] 横浜市[11]
名古屋 3者 : ACM、中京テレビ放送 (CTV)、長島観光開発(ナガシマリゾート)[12] 長島観光開発[12]
仙台 3者 : ACM、宮城テレビ放送(ミヤテレ)、仙台APMマネジメント[13] 仙台市[14]
神戸 2者 : ACM、讀賣テレビ放送 (ytv)[15] 三菱倉庫[16]
福岡 2者 : ACM、福岡放送 (FBS)[17] 東神開発[18]

基本的に、劇場や体験型のアトラクションの集まりである「ミュージアム」と、物販・飲食・サービスの店舗が並ぶ「モール」とによって構成される。入館有料のミュージアムと入館無料のモールの組み合わせになっている場合に「&モール」と命名されており、横浜(旧施設)・仙台・神戸が該当する。名古屋と福岡はミュージアムだけでなく、モールも含めて入館有料である。

2007年(平成19年)4月に横浜みなとみらい21に開業した横浜の施設は、年間の有料入館者数70万人を目標としていたが初年度に100万人を超え[19]、2014年時点でも約80万人を維持している[20]仙台駅東第二土地区画整理事業[21]施行地内に開業した仙台の施設も、40万人の目標に対して初年度に50万人を超え[22]神戸ハーバーランドに開業した神戸の施設も、60万人の目標に対して初年度に90万人を超えた[23]。いずれも有料の「ミュージアム」の入館者数であり、無料の「モール」の入館者数はその数倍である。

ナガシマスパーランドに開業した名古屋の施設は、「&パーク」との名称通り、館内に屋外遊戯施設がある。博多リバレインに開業した福岡の施設は、複合商業施設の上階にあるアトリウムを改装して設置されている。

点字ブロック問題[編集]

複数の施設において点字ブロックの鋲の一部に(隠れミッキーのように)アンパンマンの顔の装飾が施されていた。このことが問題視されたことを受けて、2023年春に神戸と仙台の施設では該当の鋲の入れ替え作業が行われた[24]

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ 【宮城】「仙台アンパンマンこどもミュージアム(仮)」への市の出資に疑問の声 横浜と桑名では民間企業のみ出資朝日新聞 2010年3月17日)
  2. ^ アンパンマン 新ミュージアムは7月7日オープン神奈川新聞〈カナロコ〉 2019年4月16日)
  3. ^ 三重・桑名にテーマパーク アンパンマンに歓声共同通信 2010年4月23日)
  4. ^ 「地元の人に愛され続ける施設に」-神戸アンパンマンこどもミュージアム&モール館長の宮本洋さんに聞く神戸経済新聞 2014年4月14日)
  5. ^ a b 戦うアンパンマン現る 高知のやなせたかし記念館(朝日新聞 2011年12月6日)
  6. ^ 「アンパンマン」ミュージアムは4月18日開業 福岡アンパンマンミュージアムinモール組合(ふくおか経済「週刊経済 No.1323」 2013年10月15日)
  7. ^ 平成25年度 事業報告書(平成25年4月1日~平成26年3月31日) (PDF) (公益財団法人やなせたかし記念アンパンマンミュージアム振興財団)
  8. ^ 日本テレビ音楽株式会社による株式会社ACMの株式の追加取得(連結子会社化)に関するお知らせ (PDF) (日本テレビホールディングス株式会社 2017年3月22日)
  9. ^ 2007年4月『横浜アンパンマンこどもミュージアム』がオープン!(日本テレビ 2007年1月5日)
  10. ^ みなとみらいに「横浜アンパンマンこどもミュージアム」が開業ヨコハマ経済新聞 2007年1月8日)
  11. ^ MM21に3事業者 清水建設、京急、アンパンマン(神奈川新聞〈カナロコ〉 2016年3月29日)
  12. ^ a b 「名古屋アンパンマンミュージアム&パーク有限責任事業組合」組成のお知らせ (PDF) (中京テレビ放送 2009年9月1日)
  13. ^ 会社概要(仙台アンパンマンミュージアム&モール)
  14. ^ 22年度報告書(公有財産に係る財務事務の執行及び管理の状況について)(仙台市)
  15. ^ 会社概要(神戸アンパンマンミュージアム&モール)
  16. ^ 神戸・ハーバーランドに西日本初の「アンパンマンこどもミュージアム」が来春開業 (PDF) (三菱倉庫 2012年6月15日)
  17. ^ 会社概要(福岡アンパンマンミュージアムinモール)
  18. ^ 「博多リバレイン/イニミニマニモ」信託受益権準共有持分の取得について (PDF) (東神開発 2012年2月28日)
  19. ^ 横浜アンパンマンこどもミュージアム 来館者100万人達成!日本テレビ放送網 2008年4月3日)
  20. ^ 暫定利用のアンパンマンミュージアム 恒久施設で開業検討(神奈川新聞〈カナロコ〉 2014年9月3日)
  21. ^ 仙台駅東第二土地区画整理事業(仙台市)
  22. ^ おかげさまで50万人目のご来館者をお迎えいたしました!(仙台アンパンマンこどもミュージアム&モール 2012年7月12日)
  23. ^ 入館90万人突破 神戸アンパンマンこどもミュージアム&モール1周年産経新聞〈産経ニュース〉 2014年4月20日)
  24. ^ 【仙台・神戸】点字ブロック交換について

関連項目[編集]

外部リンク[編集]