アンドリュー・ウェイクフィールド

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アンドリュー・ウェイクフィールド
生誕 1957年(59–60歳)
国籍 英国
教育 en:King Edward's School, Bath
出身校 en:St Mary's Hospital Medical School, London
職業 医師生物医学研究
活動拠点 英国バース

アンドリュー・ジェレミー・ウェイクフィールド(1957年生まれ、: Andrew Jeremy Wakefield)は、イギリスの元医師で生物医学研究者。1998年に「新三種混合ワクチン予防接種自閉症になる」という論文を『ランセット』誌に発表した[1]。この論文は科学的に間違っており、2010年に撤回されたのだが、ワクチン接種を嫌う人々の英雄的な医師として崇められ、各国で新三種混合ワクチンの接種率の大幅な低下を招いた。その後、世界の多くの子供麻疹(ましん、はしか)に感染した。ウェイクフィールドの医師免許が剥奪される懲戒処分を受けた。

経歴[編集]

  • 1957年(0歳):神経科医の父、家庭医の母のもとに生まれる。英国、バースで高校まで過ごす
  • 1981年(23歳):英国、聖マリー病院医科大学卒業。医師
  • 1986年(28歳):カナダトロント大学で研究。小腸移植研究
  • 1989年(31歳):英国、ロイヤル・フリー・ホスピタルの医師。肝臓移植研究
  • 1993年(35歳):麻疹ウイルスとクローン病(原因不明の消化器の炎症性疾患)の関係の研究を開始
  • 1998年(40歳):後に大問題となる論文を『ランセット』誌に発表[1]
  • 2001年(43歳):英国、ロイヤル・フリー・ホスピタルを辞任し、アメリカ合衆国移住した(2004年説もある)
  • 2010年(52歳):英国の医事委員会(General Medical Council)は、『ランセット』誌の論文を不正と結論し、ウェイクフィールドの医師免許を剥奪した

研究不正事件[編集]

1998年2月28日、ウェイクフィールドは、『ランセット』誌に新三種混合ワクチン自閉症との関係を示唆する論文を出版した。12人の子供の患者を対象に研究し、「腸疾患」と「自閉症」と「三種混合ワクチン」が関連した新しい病気「自閉症的全腸炎(autistic enterocolitis)」を発見したと報告した[1]

論文発表の前に記者会見し、「新三種混合ワクチン予防接種自閉症になる」と述べ、ワクチン接種を否定し、ワクチン接種が自閉症の原因だとしたため、論文はすぐに大きな論争になった。

2004年2月、『ランセット』編集長のリチャード・ホートンは、ウェイクフールドが『ランセット』に開示していなかった重大な利益相反(conflict of interest)があったと、同論文の一部を撤回した[2] (Lancet 2004;363:750)[3]

ウェイクフィールドの論文内容は科学的にも問題点が指摘され、2010年1月、英国の医事委員会(General Medical Council)は、新三種混合ワクチンと自閉症の関連性を否定した[4]。そして2010年に論文全体が撤回された。

しかし、その間、及びその後も、ウェイクフールド論文を信じた英国、フランス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの人々は子供に予防接種するのを避けた。そのために、多くの子供が麻疹(ましん、はしか)に感染した[4][5]

関連項目[編集]

脚注・文献[編集]

外部リンク[編集]