アンゴラの行政区画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

Província
位置アンゴラの旗 アンゴラ
18州(1985年以降)
人口36万人 - 696万人(2014年)
面積7,290km2 - 204,000km2
区分基礎自治体
コムナ
街区、村

アンゴラは、(províncias)、ムニシピオ(municípios)、コムナ(comuna)、街区およびの4層に分かれている。なお、カビンダ州コンゴ民主共和国を挟んだ飛び地となっている。ここでは州を中心に説明する。

2014年国勢調査時の行政区画の総数[1]
階層 名称
1 州 (províncias) 18
2 ムニシピオ (municípios) 162
3 コムナ (comuna) 559
4 街区 (bairro) 2,352
村 (aldeia) 25,289

[編集]

番号順に振られたアンゴラの州地図

最上層区画は18のポルトガル語: Província、プロビンシア)である[2]。最も新しい州はベンゴ州で、1985年にルアンダ州から分離した。その後も何度か州境は変更されており、直近では2011年にベンゴ州からルアンダ州へ2つの基礎自治体(面積は合計1.7万平方キロメートル)が割譲された[3]

No. 州名 ポルトガル語名 州都 人口
(2014年国勢調査[4]
面積
(km2[4]
人口密度
(/km2
州の別称
1 ベンゴ州 Bengo カシート 356,641 20,300 17.6
2 ベンゲラ州 Benguela ベンゲラ 2,231,385 39,250 56.9
3 ビエ州 Bié クイト 1,455,255 70,800 20.6
4 カビンダ州 Cabinda カビンダ 716,076 7,290 98.2
5 クアンド・クバンゴ州 Cuando Cubango メノングエ 534,002 204,000 2.6
6 クアンザ・ノルテ州 Cuanza Norte ンダラタンド 443,386 20,500 21.6 北クアンザ州
7 クアンザ・スル州 Cuanza Sul スンベ 1,881,873 55,500 33.9 南クアンザ州
8 クネネ州 Cunene オンジヴァ 990,087 77,000 12.9
9 ウアンボ州 Huambo ウアンボ 2,019,555 33,300 60.6
10 ウイラ州 Huíla ルバンゴ 2,497,422 78,700 31.7
11 ルアンダ州 Luanda ルアンダ 6,945,386 18,835 368.7
12 ルンダ・ノルテ州 Lunda Norte ドゥンド 862,566 99,000 8.7 北ルンダ州
13 ルンダ・スル州 Lunda Sul サウリモ 537,587 83,000 6.5 南ルンダ州
14 マランジェ州 Malanje マランジェ 986,363 86,500 11.4
15 モシコ州 Moxico ルエナ 758,568 201,000 3.8
16 ナミベ州 Namibe モサメデス 495,326 57,500 8.6
17 ウイジェ州 Uíge ウイジェ 1,483,118 62,500 23.7
18 ザイーレ州 Zaire ンバンザ=コンゴ 594,428 37,300 15.9
州名の由来[5]
  • カビンダ州:現地の民族名から。
  • ルアンダ州:州都と同じ。現地住民の間では税金を指していたという。
  • ナミベ州:ナミブ砂漠に由来し、意味は現地のコイサン諸語で「何もない土地」。隣国の「ナミビア共和国」と語源は同じである。
  • ザイーレ州:コンゴ川のポルトガル語名称で、意味は現地のコンゴ語で「(大きな)川」。隣国コンゴ民主共和国の旧名称「ザイール共和国」と語源は同じである。

州別の下位区分数[編集]

2014年国勢調査時点[1]

第一級 第二級 第三級 第四級
州名 ムニシピオ コムナ 街区
ベンゴ 6 23 50 501
ベンゲラ 10 38 313 1,821
ビエ 9 39 176 2,814
カビンダ 4 12 45 381
クアンド・クバンゴ 9 31 94 1,000
クアンザ・ノルテ 10 31 89 723
クアンザ・スル 12 36 238 2,292
クネネ 6 20 46 804
ウアンボ 11 37 341 2,866
ウイラ 14 52 112 3,318
ルアンダ 7 32 292 296
ルンダ・ノルテ 10 25 122 985
ルンダ・スル 4 14 34 363
マランジェ 14 52 54 2,358
モシコ 9 30 92 1,144
ナミベ 5 14 44 353
ウイジェ 16 47 129 2,550
ザイーレ 6 25 81 720

変遷[編集]

ポルトガル領西アフリカ時代の1900年、アンゴラにはベンゲラ、コンゴ、ルアンダ、ルンダ、モサメデスの5州があった。1934年に再編が行われ、1950年にはベンゲラ、ビエ、ウイラ、コンゴ(またはルアンダ)、マランジェの5州があった。1956年にこれまで別の植民地であったポルトガル領コンゴが移管され、カビンダと名付けられた。1957年の統計には、前述の5州に加えルアンダとカビンダの2つの自治区が記述されている。

1951年に植民地から海外州へ昇格し、この年から州の追加がさかんに行われた。まず1951年から1963年までの期間で以下の変更が行われた。

  • ベンゲラ州は、ベンゲラ州、クアンザ・スル州、ウアンボ州に分割された。
  • ビエ州は、ビエ=クアンド・クバンゴ州とモシコ州に分割された。
  • ウイラ州は、ウイラ州とモサメデス州に分割された。
  • コンゴ州は、コンゴ州とクアンザ・ノルテ州に分割された。
  • マランジェ州は、マランジェ州とルンダ州に分割された。

次に、1963年から1967年までの間にコンゴ州はウイジェ州とザイーレ州に分割された。また1971年までにビエ=クアンド・クバンゴ州はビエ州とクアンド・クバンゴ州に分割された。1975年の独立時には15州があった。

独立後ウイラ州からクネネ州が分離し、欧米風の地名が脱植民地化の一環として改名された。1978年までにルンダ州は南北に分割された。1985年にモサメデス州はナミベ州に改名され、ルアンダ州からベンゴ州が分離した。

(この節の出典:[5]

ムニシピオ(広域自治体)[編集]

アンゴラのムニシピオ

州の下には162のムニシピオMunicípio)がある。日本語訳は基礎自治体市町村議会といったものがある。

コムナ[編集]

ウアンボ州の地図。星印(☆)はムニシピオ、大丸()はコムナ、小丸(○)は村の位置を示している。

ムニシピオの下には559のコムナComuna)がある。コムナはフランス語におけるコミューンと同じものを指し、そこから日本語訳は市町村基礎自治体と訳すことができる。

街区・村[編集]

コムナの下には2,352の街区(Bairro)と25,289の(Aldeia)がある。合計は27,641だが、ここには68ヶ所の無人地域が含まれている(街区か村のどちらに含まれているかは不明)。街区は主に都市部で、村は郊外部でみられる。

出典[編集]

  1. ^ a b RESULTADOS DEFINITIVOS RECENSEAMENTO GERAL DA POPULAÇÃO E HABITAÇÃO - 2014” (pdf). アンゴラ統計局. pp. 27-28. 2021年4月15日閲覧。
  2. ^ The World Factbook/Angola”. 中央情報局 (2021年4月7日). 2021年4月16日閲覧。
  3. ^ Sylvia Croese (2016年8月). “Urban Governance and Turning African Cies Around: Luanda Case Study Advancing research excellence for governance and public policy in Africa”. 2021年4月15日閲覧。
  4. ^ a b Republic of Angola”. Citypopulation.de (2020年8月14日). 2021年4月16日閲覧。
  5. ^ a b Provinces of Angola”. Statoids.com (2016年10月6日). 2021年4月16日閲覧。

関連項目[編集]