アレン・アイルランド

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アレン・アイルランド(Alleyne Ireland、1871年 - 1951年)は、イギリスの学者。植民政策学植民地統治研究の専門家、シカゴ大学委員、王立地理学会特別会員。コーネル大学シカゴ大学、ローウェル・インスティテュートで教鞭を執った。

生涯[編集]

1871年、イギリスに生れる。主に植民地統治に関する専門家として、アメリカの雑誌などに広く執筆活動を行う。

1901年、米シカゴ大学の招きにより、植民地運営研究の委員に任命される。約3年間にわたり極東に派遣され、イギリス、フランス、オランダ、そして日本による朝鮮統治のシステムを研究する。またフィリピンに6カ月間滞在している。コーネル大学、ローウェル・インスティテュートなどで教鞭をとり、その研究成果を著書として発表する。

その研究方法は、自身の豊富な経験やデータ分析、地政学を用いて中立的な立場で現実を把握することに努めており、当時のメディアから高い評価を受けている。

著作[編集]

著作には植民地研究の他、ジョーゼフ・ピューリツァーに関するものがある。日本での翻訳は『The New Korea』(1926年)のみ(2013年現在)。

  • Topical Colonization(Macmillan,London,1899[1]
  • The Anglo-Boer Conflict: Its History and Causes(1900)
  • China and the Powers: Chapters in the History of Chinese Intercourse with Western Nations(1902,Laurens Maynard,Boston[2]
  • The Far Eastern Tropics: Studies in the Administration of Tropical Dependencies: Hong Kong, British North Borneo, Sarawak, Burma, the Federated Malay States, the Straits Settlements, French Indo-China, Java, the Philippine Islands,( Houghton, Mifflin and company,1905[3]
  • The Province of Burma: A Report Prepared On Behalf of the University of Chicago』(1907)
  • Joseph Pulitzer: Reminiscences of a Secretary』(1914)
  • An adventure with a genius; recollections of Joseph Pulitzer』 (1920)
  • Democracy and the human equation』(1921)
  • The New Korea(E. P. Dutton & Company ,1926)
    • 日本語訳:『日英対訳 THE NEW KOREA 朝鮮が劇的に豊かになった時代』桜の花出版(2013年)

植民地研究[編集]

アイルランドは著書の中で、約40年にわたり世界中を回り、各国の政府と施政を研究してきたと語っている。訪れた国はイギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、日本、フランス、ドイツ、デンマーク、インド英領西インド諸島仏領西インド諸島、英蘭領マレー半島仏領インドシナ、英領ボルネオフィリピン諸島、その他散在する様々な植民地である。

1926年の時点で3冊の植民地研究の本を執筆している。極東のイギリスによるビルママレーシア統治、アメリカによるフィリピン統治、オランダによるジャワ島統治、フランスによるインドシナ統治である。この他に日本による朝鮮統治を現地に滞在して分析、1926年にその成果を『The New Korea』として、ニューヨークから出版している。

著作は『ライフ』誌や『ボストン・ポスト』紙など当時のメディアから高い評価を受けている。『スプリングフィールド・リパブリンカン』紙はこのように書いている。「政治(行政)分野で現存する最高位の権威の一人である。アイルランド氏は植民地統治の作品でよく知られている。同分野の英語による書籍で、その途方もなく豊かな構成と内容に匹敵するものはない』」

日本の朝鮮統治研究[編集]

『The New Korea』(1926年)は日韓併合前後の記録として、朝鮮学や日本統治を記録した貴重な文献の一つとされる。同じく当時を知る文献としてイザベラ・バードシャルル・ダレの著作が挙げられるが、アイルランドの場合はシカゴ大学から派遣された専門家として、他の欧米による植民地政策との比較や地政学を用いて、第三者的な立場で日本の朝鮮統治を評価している。商業的な目的や探検家、宣教師とは全く違う立場であり、同時代の世界情勢の中で日韓併合を分析しているという点で、稀有な記録である[4]

朝鮮総督府第3代・第5代斎藤実総督、および政務総監である有吉忠一の手腕を高く評価している。

脚注[編集]

  1. ^ [1]
  2. ^ Amrican Libraries
  3. ^ [2]
  4. ^ 『日英対訳 THE NEW KOREA 朝鮮が劇的に豊かになった時代』

関連項目[編集]