コンテンツにスキップ

アレックス・カッツ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

アレックス・カッツAlex Katz, 1927年7月24日 - )は、アメリカ合衆国ポップアート運動に参加した美術家(フィギュラル・アーティスト)。特に彫刻版画が有名である。

経歴と作品

[編集]

1927年7月24日、ニューヨーク州ブルックリンユダヤ人一家の家庭に生まれる。父親はウクライナオデッサで所有していた工場を失い、国外に移住。 1928年にクイーンズセント・オールバンズに引っ越し、そこで幼少期を過ごす。

1946年から1949年まではニューヨークのクーパーユニオンで、1949年から1950年まではメイン州スカウヒーガン絵画彫刻学校英語: Skowhegan School of Painting and Sculptureで学ぶ。スカウヒーガンでは実物の絵画に触れ、それが画家として大きな影響を与え、スカウヒーガンでの戸外制作が「絵画に人生を捧げる理由」を与えてくれたと語るほど、今日でも彼の制作活動の中心となっている

1954年から1960年にかけて静物画、メイン州の風景画、小人物を描いた小さなコラージュを多数制作。

1954年、最初の個展がニューヨークのロコ・ギャラリーで開催。

1957年のギャラリーオープニングで、ニューヨーク大学で生物学を学んでいたエイダ・デル・モロと出会い、二人は1958年2月1日に結婚。

1960年、息子ヴィンセント・カッツを授かる。ヴィンセント・カッツにはアイザックとオリバーという二人の息子がおり、彼らはカッツの絵画の題材にもなっている。

画家としての最初の10年間、カッツは1000枚の絵を破棄したことを認めた。1950年代以降、カッツは美術家として成長し、自身が「考えられる以上に不変の」絵を描くことを試みるという意味で、より自由な作品を創作することを試みた。カッツの作品はシンプルに見えるが、カッツによれば、それらはより縮小されていて、自分の個性に合っているということである[1]

1994年、クーパー・ユニオン美術学校は、カッツに寄贈された10点の絵画を売却したことでもたらされた基金とともに「Alex Katz Visiting Chair in Painting」を作った。

ファイドン・プレス(Phaidon Press)は2005年にCarter Ratcliff、Robert StorrIwona Blazwick共著の図解概説書『Alex Katz』を出版した。

ここ10年カッツの美術は広く世界に受け入れられ、現在多くの若い世代の芸術家に影響を与えている。2007年、カッツはニューヨーク州美術館(New York State Museum)で個展を開いた。

80歳になったカッツは小さな美術界での最小限の名声から飛び出し、主要なアメリカ合衆国の画家と見られるようになった。カッツは仲間の美術家たちからより尊敬を受け、若い発展途上の美術家たちはカッツを偶像視している[2]

2007年、カッツの作品展がシカゴのリチャード・グレイ・ギャラリー、ニューヨークのロバート・ミラー・ギャラリーとペース・ウイルデンスタイン(ギャラリー)で催された。

1954年以降、メイン州リンカンヴィル(Lincolnville, Maine)のサマーレジデンスで、カッツは地元のコルビー大学との関係を深めている。コルビー大学は1984年にカッツに名誉博士号を授与した。1996年10月、コルビー大学美術館は、カッツが寄贈した400点以上の油絵、コラージュ、版画をおさめた新棟をオープンさせた[3]

カッツの作品は、テート・モダン[4]ニューヨーク近代美術館[5]も所蔵している。

脚注

[編集]
  1. ^ Robert Ayers (January 18, 2006), National Alex Katz, ARTINFO. Retrieved on 16 April 2008
  2. ^ Ted Loos (June 14, 2007), Cool Katz, ARTINFO. Retrieved on 16 April 2008
  3. ^ colby.edu, accessed September 21, 2007.
  4. ^ tate.org.uk, accessed September 21, 2007.
  5. ^ moma.org, accessed September 21, 2007

外部リンク

[編集]