アルチ語

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アルチ語
аршаттен чIат
発音 IPA: [arʃat:en t͡ʃʼat]
話される国 ロシアの旗 ロシア
地域 ダゲスタン共和国南部
話者数 970[1]
言語系統
表記体系 キリル文字
公的地位
公用語 ダゲスタン共和国の旗 ダゲスタン共和国
統制機関 統制なし
言語コード
ISO 639-1 なし
ISO 639-3 aqc
消滅危険度評価
Definitely endangered (UNESCO)
Status-unesco-definitely.svg
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アルチ語(あるちご)とは、ロシア・ダゲスタン共和国南部に住むアルチ人(аршишттиб, arʃiʃtːib)によって話される言語である。

アルチ語が話される範囲を表した地図

概要[編集]

系統的に北東コーカサス語族に属する。狭義ではレズギ諸語に属するが、他のレズギ諸語は全てサムール諸語と呼ばれるより狭いグループに属するのに対し、アルチ語は唯一のサムール諸語ではない言語のためレズギ諸語内では”孤立した”言語となっている。アルチ語は話し言葉としてのみ存在し、一般的に使われる文字は存在しない。地域的にアヴァル・アンディ諸語に属するアヴァル語と隣接しており、アルチ語話者は書き言葉としてロシア語かアヴァル語を使用している。[1]

音韻[編集]

SMG(2007)[2]によれば、70個の子音と11個の母音があるとされている。ただし本表では出現する音素とされながらも音素として数えられていない咽頭音も付けているため合計数が異なる。(咽頭音を含めると81個の子音と16個の母音からなる)

母音[編集]

/i e a o u/の単母音と長母音には強弱による声調が存在するため、それらも音素として含めると26個になる。

前舌母音 中舌母音 後舌母音
短音 長音 咽頭音 短音 長音 咽頭音 短音 長音 咽頭音
狭母音 i u
e ə o
広母音 a

子音[編集]

唇音 歯茎音 後部歯茎音 歯茎硬口蓋音 軟口蓋音 口蓋垂音 咽頭音 声門音
平音 唇音 平音 唇音 平音 平音 唇音 平音 唇音 咽頭音 咽頭音+唇音 平音 平音
鼻音 [m] [n] [ʔ]
破裂音 無声音 [p] [t] [tʷ] [k] [kʷ] [q] [qʷ] [qˤ] [qˤʷ]
有声音 [b] [d] [dʷ] [ɡ] [ɡʷ]
放出音 [pʼ] [tʼ] [kʼ] [kʷʼ] [qʼ] [qʷʼ] [qˤʼ] [qˤʷʼ]
硬音 [pː ] [tː ] [kː ] [kʷː ] [qʼː ] [qˤʼː ]
破擦音 無声音 [t͡s] [t͡sʷ] [t͡ʃ] [t͡ʃʷ] [k͡ʟ̝̊] [k͡ʟ̝̊ʷ]
放出音 [t͡sʼ] [t͡sʷʼ] [t͡ʃʼ] [t͡ʃʷʼ] [k͡ʟ̝̊ʼ] [k͡ʟ̝̊ʷʼ]
硬音+
放出音
[t͡sʼː ] [t͡ʃʼː ]
摩擦音 無声音 [s] [sʷ] [ʃ] [ʃʷ] [ʟ̝̊] [ʟ̝̊ʷ] [χ] [χʷ] [χˤ] [χˤʷ] [ħ] [h]
有声音 [z] [zʷ] [ʒ] [ʒʷ] [ʟ̝] [ʁ] [ʁʷ] [ʁˤ] [ʁˤʷ] [ʕ]
硬音 [sː ] [sʷː ] [ʃː ] [ʃʷː ] [ʟ̝̊ː ] [ʟ̝̊ʷː ] [χː ] [χʷː ] [χˤː ] [χˤʷː ]
接近音 [w] [l] [j]
ふるえ音 [r]

脚注・参考文献[編集]

  1. ^ a b Archi at Enthnologue
  2. ^ Chumakina, Marina, Dunstan Brown, Harley Quilliam and Greville G. Corbett,2007, "Electronic dictionary of Archi: Linguist Edition.", Surrey Morphology Group.