アリバイ崩し承ります

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アリバイ崩し承ります
著者 大山誠一郎
イラスト ゆうこ
発行日 2018年9月20日
発行元 実業之日本社
ジャンル 推理小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判
ページ数 252
公式サイト j-n.co.jp
コード ISBN 978-4-408-53729-0
ISBN 978-4-408-55548-5文庫判
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アリバイ崩し承ります』(アリバイくずしうけたまわります)は、大山誠一郎による推理小説

2014年から2017年にかけて実業之日本社の雑誌『月刊ジェイ・ノベル』に掲載された。2018年9月7日に単行本[1]2019年11月25日に文庫本が刊行された[2]。2019年から『Webジェイ・ノベル』で「アリバイ崩し承ります2」が配信されている。

時計屋の若き女性店主が祖父譲りの推理力を発揮して、警察の捜査一課が頭を悩ませる難事件のアリバイ崩しに挑むさまを描く[1]

2020年1月期にテレビ朝日系で浜辺美波主演によりテレビドラマ化されている[3]

概要[編集]

2012年に収録作品全てが密室物という連作短編集『密室蒐集家』を上梓した大山誠一郎による、収録作品全てがアリバイ崩し物の連作短編集。執筆の際、トリックのパターンの分類には有栖川有栖の小説『マジックミラー』に登場する「アリバイ講義」を参考にした[4]

『2019本格ミステリ・ベスト10』にて国内ランキング1位、『このミステリーがすごい!2019年版』にて国内編15位にランクインし、第19回本格ミステリ大賞小説部門候補作にも選ばれた。

『2019本格ミステリ・ベスト10』にて羽住典子は、主人公にアリバイ崩しを依頼する刑事の「僕」に名前がないこと等を挙げ、「本書のコンセプトはシンプル・イズ・ベスト。限界まで余分なものを削ぎ落とし、必要最小限の素材だけで物語を構成している。」「事件もアリバイ崩しにのみ焦点を絞っているため、犯人当てや動機の考察は手がかりにならず、それによって関係者たちの心情を考慮する必要もない。」と批評した[5]

あらすじ[編集]

鯉川商店街にある美谷時計店には、「アリバイ崩し承ります」という一風変わった張り紙がある。店主の美谷時乃が、成功報酬一回5000円で依頼者の話を聞いてアリバイを崩してくれるのだ。「何時何分にどこそこにいた」というアリバイには時計が深く関わっているので、アリバイ崩しを仕事として引き受けているのだという。以前は時計店の先代である時乃の祖父がアリバイ崩しをしていたが、祖父が亡くなってからは、時乃がその仕事を引き継いでいた。

4月から県警捜査一課に配属された新米刑事のは、守秘義務違反を反省しつつも、今日も時乃に実際に起きた事件のアリバイ崩しを頼んでしまう。

登場人物[編集]

美谷時乃(みたに ときの)
美谷時計店の店主。20代半ばの落ち着いた雰囲気の女性。白兎のような顔立ちで、髪型はボブ。いつも時計修理用の作業着を着ている。
幼稚園の頃に両親を亡くし、時計店をしていた祖父に引き取られた。
小学3年生から祖父が亡くなるまでの14年間、祖父から時計修理とアリバイ崩しの技術を学んだ。
依頼者の話を聞くだけで、「時を戻すことができました。○○さんのアリバイは、崩れました」と口上を述べてから、推理を披露する。
「僕」
県警本部捜査一課第二強行犯捜査第四係の最年少刑事。4月に交番勤務から捜査一課に異動したばかり。
時乃に相談していることは周囲には秘密にしているため、捜査一課内ではアリバイ崩しの名手と思われている。

書誌情報[編集]

タイトル 初出
時計屋探偵とストーカーのアリバイ 月刊ジェイ・ノベル』2014年10月号
時計屋探偵と凶器のアリバイ 書き下ろし
時計屋探偵と死者のアリバイ 『月刊ジェイ・ノベル』2015年10月号
時計屋探偵と失われたアリバイ 『月刊ジェイ・ノベル』2016年3月号
時計屋探偵とお祖父さんのアリバイ 『月刊ジェイ・ノベル』2017年2月号
時計屋探偵と山荘のアリバイ 『月刊ジェイ・ノベル』2015年4月号
時計屋探偵とダウンロードのアリバイ 書き下ろし

テレビドラマ[編集]

アリバイ崩し承ります
ジャンル 連続ドラマ
原作 大山誠一郎
脚本 いずみ吉紘
神田優
監督 河合勇人
星野和成
出演者 浜辺美波
安田顕
成田凌
音楽 得田真裕
国・地域 日本の旗 日本
言語 日本語
製作
製作総指揮 横地郁英(テレビ朝日、GP
プロデューサー 浜田壮瑛(テレビ朝日)
山本喜彦(MMJ)
製作 テレビ朝日
MMJ
放送
放送チャンネル テレビ朝日系
映像形式 文字多重放送
音声形式 ステレオ放送
放送国・地域 日本の旗 日本
放送期間 2020年2月1日 -
放送時間 土曜 23:15 - 翌 0:05
放送枠 土曜ナイトドラマ
放送分 50分
公式サイト
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2020年2月1日からテレビ朝日系「土曜ナイトドラマ」で放送中[6]。主演は浜辺美波[6]

時乃にアリバイ崩しを依頼する人物が原作では「僕」だが、ドラマでは察時に変更されるなど、ドラマオリジナルの設定に置き換えられている。

キャスト[編集]

美谷時乃(みたに ときの)〈20〉
演 - 浜辺美波
美谷時計店 店主。
幼稚園の頃に両親が事故で他界したため時計店を営む父方の祖父・時生に引き取られて以来、時計修理に興味をもち修理の技術を身につけるとともに“アリバイ崩しの名人”と呼ばれた祖父から、みっちりとアリバイ崩しのノウハウを仕込まれている。勘違いから察時に空き部屋を貸すことになった[注 1]のを契機に、祖父・時生から禁止されていたアリバイ崩しの仕事を一回5000円で引き受けるようになり、「時を戻すことができました。アリバイは、崩れました」の決め台詞とともに、難事件のアリバイをいとも簡単に崩してみせる。
察時美幸(さじ よしゆき)〈45〉
演 - 安田顕[6]
那野県警察本部 刑事部 管理官。警視[7]
警察庁勤務のキャリア刑事であったが、庁内の対立派閥の汚職を暴こうとして返り討ちにあい、降格処分のうえ那野県警に左遷させられた。田舎暮らしに難色を示す妻と息子を残し、那野へ単身赴任することになり、時乃の時計店の空き部屋に下宿する。キャリアでプライドが高いため県警内に協力し合って事件を捜査する仲間を作ることができず、孤軍奮闘でアリバイ崩しに挑み頓挫していたところ伝説の“アリバイ崩しの名人”時生の存在を知り、彼の孫娘である時乃もアリバイ崩しができると聞き葛藤の末、彼女にアリバイ崩しを依頼する。時乃にアリバイ崩しを依頼していることを周囲に伏せて自分がアリバイを崩したことにしているので、雄馬以外の捜査一課の刑事たちから一目置かれるようになる。
渡海雄馬(とかい ゆうま)〈25〉
演 - 成田凌[8]
那野県警察本部 刑事部 捜査一課 刑事。巡査部長[9]
地元選出の大物国会議員の息子で県警内の同僚や上司から常に忖度されていたので、突然やってきて偉そうに指示してくる察時のことが気に食わず事あるごとに反発する。察時が鮮やかにアリバイを崩す能力に違和感を持っている。時乃に好意を抱いており頻繁に時計店を訪れ口説こうとするが、真面に相手をされたことがない。
樋口秀人(ひぐち ひでと)〈34〉
演 - 柄本時生
那野県警察本部 鑑識課 検視官。
オネエの検視官。察時が好みのタイプなのか、彼と話すときはやたらと距離を詰めてくる。
下郷明斗夢(しもごう あとむ)〈24〉
演 - 井上雄太
那野県警察本部 刑事部 捜査一課 刑事。巡査部長。
雄馬の後輩刑事。察時のアリバイ崩しに尊敬の眼差しを送る。
堀雅人(ほり まさと)〈22〉
演 - 溝口琢矢
那野県警察本部 刑事部 捜査一課 刑事。巡査部長。
下郷と同じく雄馬の後輩。捜査一課最年少の若手刑事。
高杉カレン(たかすぎ カレン)〈22〉
演 - 是永瞳
那野県警察本部 事務員。
来客対応や事務を担当。時乃とも親しい。
美谷時生(みたに ときお)
演 - 森本レオ
時乃の祖父で、美谷時計店の前店主。故人。
生前は“アリバイ崩しの名人”として「アリバイ崩しは時間にまつわる仕事だから、時計店で働く者こそアリバイの問題を扱うにふさわしい」という信念のもと様々な事件のアリバイ崩しを行っており、時乃が幼い頃からそのノウハウをみっちりと仕込んできたが、「アリバイ崩しは人の恨みを買う危険があるので結婚して守ってくれる人ができるまでは禁止」と釘を刺していた。察時が県警に赴任する半年前に他界している。
牧村匠(まきむら たくみ)〈52〉
演 - 勝村政信
那野県警察本部 刑事部 捜査一課 係長。
自身の部下にも関わらず国会議員の父を持つ雄馬を「ジュニア」と呼び過剰に忖度し、彼の推理をベタ褒めする。過去に一度だけ時生にアリバイ崩しを依頼したことがあるが、孫の時乃がアリバイ崩しの仕事を受け継いだことには気付いていない。
綿貫哲治(わたぬき てつじ)〈58〉
演 - 中丸新将
那野県警察本部 本部長。
県警トップにも関わらず、常に雄馬のご機嫌を取り忖度している。時生が県警に寄贈した柱時計のメンテナンスだけでなく、時乃に腕時計の出張クリーニングを依頼するほどの美谷時計店の常連。

ゲスト[編集]

第1話
  • 磯田幸三(いそだ こうぞう)(マンション管理人)〈60〉 - 田山涼成
  • 奥山新一郎(おくやま しんいちろう)(人気推理作家) - 丸山智己
  • 中島香澄(なかじま かすみ)〈35〉(親読出版 編集者) - 森矢カンナ
第2話
  • 浜沢杏子(はまざわ きょうこ)〈42〉(那野県立医科大学医学部 教授) - 星野真里
  • 菊谷吾郎(きくたに ごろう)〈45〉(杏子の元夫・経営コンサルタント) - 忍成修吾
  • 浜沢安嵐(はまざわ あらん)〈30〉(杏子の弟・美容師) - 金井勇太
  • 梶山達夫(かじやま たつお)(那野県立医科大学医学部 研究助手) - 森準人[10]
第3話
  • 河谷純子(かわや じゅんこ)〈32〉(河谷敏子の妹・ホステス) - 橋本マナミ[11]
  • 芝田和之(しばた かずゆき)〈35〉(マッサージ店の店長) - 木村了
第4話
  • 原口龍平(はらぐち りゅうへい)〈13〉(ペンション「時計荘」の宿泊客) - 大西利空
  • 稲葉智久(いなば ともひさ)〈43〉(山梨県警刑事) - デビット伊東

スタッフ[編集]

放送日程[編集]

各話 放送日 サブタイトル ラテ欄[12] 脚本 監督
第1話 2月01日 死者のアリバイ 死者のアリバイ崩せ いずみ吉紘 河合勇人
第2話 2月08日 ストーカーのアリバイ 崩せストーカー夫の謎
第3話 2月15日 美人姉妹のアリバイ 殺した記憶がない女!? 神田優 星野和成
第4話 2月22日(予定) 山荘のアリバイ
テレビ朝日 土曜ナイトドラマ
前番組 番組名 次番組
おっさんずラブ-in the sky-
(2019年11月2日 - 12月21日)
アリバイ崩し承ります
(2020年2月1日 - )
-

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 第1話で察時の美幸(よしゆき)という名前を「みゆき」と読んで女性と勘違いし、女性に貸すつもりだった時計店の空き部屋を察時に貸す事になった。

出典[編集]

  1. ^ a b アリバイ崩し承ります”. 実業之日本社. 2019年11月20日閲覧。
  2. ^ アリバイ崩し承ります”. 実業之日本社. 2020年2月1日閲覧。
  3. ^ “浜辺美波“時計屋さんの看板娘” 1月スタートテレ朝系「アリバイ崩し承ります」に主演”. スポーツ報知 (報知新聞社). (2019年11月20日). https://hochi.news/articles/20191119-OHT1T50364.html 2019年11月20日閲覧。 
  4. ^ 大山誠一郎 [@oyama_seiichiro] (2019年11月29日). "「トリックのパターン」の分類の参考にしたのが、有栖川有栖さんの有名な「アリバイ講義」(『マジックミラー』第七章)です。「アリバイ講義」はアリバイトリックを9つのパターンに分類しているのですが、拙作の各話は、そのうち4つのパターンのいずれかに該当しています。" (ツイート). Twitterより2020年2月16日閲覧
  5. ^ 探偵小説研究会編著『2019本格ミステリ・ベスト10』原書房、2018年、10・11頁。ISBN 978-4562056149
  6. ^ a b c “浜辺美波と安田顕が難事件に挑む、小説「アリバイ崩し承ります」テレ朝で連ドラ化”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2019年11月20日). https://natalie.mu/eiga/news/356072 2019年11月20日閲覧。 
  7. ^ 第1話。
  8. ^ “成田凌:「アリバイ崩し承ります」で刑事役 浜辺美波にほのかな恋心 安田顕には反発”. まんたんウェブ (MANTAN). (2019年12月6日). https://mantan-web.jp/article/20191205dog00m200073000c.html 2019年12月7日閲覧。 
  9. ^ 第2話。
  10. ^ PROFILE”. 森準人 OFFICIAL SITE. 2020年2月14日閲覧。
  11. ^ “アリバイ崩し承ります:第3話 浜辺美波、アリバイ探しに初挑戦 ヤスケンが橋本マナミに心奪われる”. まんたんウェブ (株式会社MANTAN). (2020年2月15日). https://mantan-web.jp/article/20200214dog00m200039000c.html 2020年2月15日閲覧。 
  12. ^ 該当各日 『朝日新聞』 テレビ欄。

外部リンク[編集]