アリシア・レット

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Alicia Rhett
アリシア・レット
アリシア・レット
風と共に去りぬ』のアリシア・レット、1939年撮影
生年月日 (1915-02-01) 1915年2月1日
没年月日 (2014-01-03) 2014年1月3日(98歳没)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ジョージア州サヴァンナ
死没地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国サウスカロライナ州チャールストン
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
職業 女優肖像画家
ジャンル 映画舞台
活動期間 1937年1941年
活動内容 1939年:『風と共に去りぬ
主な作品
風と共に去りぬ
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アリシア・レット(Alicia Rhett、1915年2月1日2014年1月3日)は、アメリカ合衆国女優肖像画家1939年の映画『風と共に去りぬ』のアシュレイ・ウィルクスの妹インディア・ウィルクス(India Wilkes)役で知られていた。

生涯[編集]

生い立ち[編集]

アリシア・レットは、1915年2月1日ジョージア州サヴァンナに父エドモンド・レット(Edmund M. Rhett)、母イザベル・マードック(Isabelle Murdoch)の間に生まれた。母イザベルはイギリスリヴァプールからの移民。父エドモンドはサヴァンナで技師をしていたが、第一次世界大戦にアメリカ軍の将校として従軍し戦死した。父の没後、イザベルとアリシアはサウスカロライナ州チャールストンに移り、レットはチャールストンで舞台女優となる[1]

風と共に去りぬ[編集]

1936年募兵官英語版』に出演中、映画監督のジョージ・キューカーの目に留まる[1]1930年代終わりごろのハリウッドは、デヴィッド・O・セルズニックが製作を決定していた映画『風と共に去りぬ』の主役スカーレット・オハラを演じる女優候補を広く募集していた。スカーレット役選びは映画制作前の一大キャンペーンとして、全米各地にてオーディションが行われた。スカウトのケイ・ブラウンは広くこの映画にふさわしい南部美女としてレットもその中に挙がっていた[1]

レットは、メラニー・ハミルトン役でオーデションを受けたが、メラニー役はオリヴィア・デ・ハヴィランドになった。1937年3月、キューカー監督は改めて、レットにアシュレイ・ウィルクスの妹インディア・ウィルクス役をオファーした。『風と共に去りぬ』のヒット後、自分にふさわしい役柄が見つからないことを理由に、1941年レットは映画界を引退、ハリウッドを離れサウスカロライナに戻った。サウスカロライナに戻ったレットは、チャールストンのラジオ放送局WTMA英語版で俳優やアナウンサー志望者のためのアクセント講師の職に就いた[1]

肖像画家[編集]

レットは『風と共に去りぬ』出演以前から、スケッチ肖像画など絵画の才能を見せていた。『風と共に去りぬ』に出演中にも、共演者の姿をスケッチやドローイングしている[1]。間も無く、レットはチャールストン近在の米国軍人の肖像画を制作するようになった[2]。レットの作品としてはルイス・エミール・デンフェルド英語版提督の肖像画や、エステレーヌ・ウォーカー(Estellene P. Walker)司祭の肖像画があり、後者はサウスカロライナ州立図書館に展示されている。また、レットは後に『風と共に去りぬ』の続編『スカーレット』を執筆するアレクサンドラ・リプリーの肖像画をリプリーが19歳の時に依頼されている。

特に注目された肖像画としては、シャーロット・ブラウン・リド未亡人によって依頼されたクラウディウス・マーレー・リド卿の肖像画とウィリアム・ハリソン・スキャーボロー作『ミラー姉妹』の修復である。これらの肖像画はクラウディウス・マーレー・リド・ジュニア邸に所蔵されている。この他、挿絵画家としても活動し、『サウスカロライナインディアン』(South Carolina Indians、1965年、ベス・コーズィ、レイラ・ダービー作)などの本に挿絵を描いた。

死去[編集]

2014年1月3日、アリシア・レットは、サウスカロライナ州チャールストンで老衰のため死去した。98歳だった[3][4]

2013年時点では『風と共に去りぬ』に出演した俳優の中で最高齢であった。レットの死により、メラニー役のオリヴィア・デ・ハヴィランド(1916年7月1日生まれ)が存命俳優で最年長となった[5]

フィルモグラフィー[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e Richard Harland Smith. “Overview for Alicia Rhett”. Leonard Maltin Classic Movie Guide. Turner Entertainment Networks. 2013年11月7日閲覧。
  2. ^ Harlan Greene (2011年3月). “Artist and actress Alicia Rhett ventured from the Holy City to Hollywood and back again”. Arts: In Pictures. Charleston Magazine. 2013年11月7日閲覧。
  3. ^ Alicia Rhett, oldest living actor from 'Gone With the Wind', dies at 98 in South Carolina”. Star Tribune (2014年1月3日). 2014年1月4日閲覧。
  4. ^ アリシア・レットさん死去 映画「風と共に去りぬ」出演”. msn産経ニュース (2014年1月4日). 2014年1月4日閲覧。
  5. ^ 『風と共に去りぬ』の主要キャストのうちレットが死去した時点で存命であった人物としてデ・ハヴィランドのほかに、メイベル・メリーウェザー役のメアリー・アンダーソン (en:Mary Anderson1918年4月3日生まれ)、ボー・ウィルクス役のミッキー・カーン (en:Mickey Kuhn1932年9月21日生まれ) がいたが、2014年4月6日にアンダーソンが、2020年7月25日にデ・ハヴィランドが、2022年11月20日にカーンが死去し、主要な出演者は2022年までに全員が死去した形となった。なお、ボニー役のカミー・キング(en:Cammie King)は主要な出演者で最年少(1934年8月5日生まれ)であったが、レット存命中の2010年9月1日に死去した。

外部リンク[編集]