アリクイ科

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アリクイ科
生息年代: 中新世現世
オオアリクイ Myrmecophaga tridactyla
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 有毛目 Pilosa
亜目 : アリクイ亜目 Vermilingua
: アリクイ科 Myrmecophagidae
学名
Myrmecophagidae Gray, 1825[1]
和名
アリクイ科[2]

アリクイ科(アリクイか、学名: Myrmecophagidae)は、哺乳綱有毛目アリクイ亜目に分類される科。

分布[編集]

中南米オオアリクイ属コアリクイ属の2属3種が分布する。

特徴[編集]

頑丈で、横方向に圧縮された細長い体を持つ。模式種であるオオアリクイ体長尾部を除いた頭胴長)は120センチメートルに達する。

前肢に4本、後肢に長くて鋭い5本の鉤爪がある。頭部は筒状で、口吻が長い。蟻塚の開口部に天狗のような形をした長くて丸いと糸状の粘性のあるをすばやく挿入し、巣を牙で破壊することなくシロアリアリを捕らえる。視力が弱いため、嗅覚を生かして獲物の巣を探し当て、1日に35,000匹ほどをむさぼり食う。

外敵からの脅威に晒されている状況では疑似直立姿勢を取り、10センチメートル以上ある長い爪で自身と自らの仔を守る。牙での攻撃は、大きなネコ科の動物の襲撃からも身を守れる。眠っている間、非常に太い尾で身を守る。

樹上に生息する。交尾期を除き、おおむねの個体が単独行動を取る。雌は1年に1匹の幼獣を産む。

分類[編集]

以前はヒメアリクイ属を本科に含めていた[3]。以下の現生種の分類・英名は、Gardner (2005) に従う[1]。和名は川田ら (2018) に従う[2]

出典[編集]

  1. ^ a b Alfred L. Gardner, “Order Pilosa,” In: Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (eds.), Mammal Species of the World (3rd ed.), Volume 1, Johns Hopkins University Press, 2005, Pages 100-103.
  2. ^ a b 川田伸一郎・岩佐真宏・福井大・新宅勇太・天野雅男・下稲葉さやか・樽創・姉崎智子・横畑泰志世界哺乳類標準和名目録」『哺乳類科学』第58巻 別冊、日本哺乳類学会、2018年、1-53頁。
  3. ^ Christopher R. Dickman「貧歯目総論」「アリクイ」伊繹紘生訳、D.W.マクドナルド編・今泉吉典監修『動物大百科 6 有袋類ほか』平凡社、1986年、42-47頁。