アメリカ合衆国大統領の利き手
| 氏名 | 任期 | 利き手 |
|---|---|---|
| ハーバート・フーヴァー | 1929 - 1933 | 左利き[疑問点] |
| フランクリン・ルーズベルト | 1933 - 1945 | 右利き |
| ハリー・S・トルーマン | 1945 - 1953 | 左利き[4] |
| ドワイト・D・アイゼンハワー | 1953 - 1961 | 右利き |
| ジョン・F・ケネディ | 1961 - 1963 | 右利き |
| リンドン・ジョンソン | 1963 - 1969 | 右利き |
| リチャード・ニクソン | 1969 - 1974 | 右利き |
| ジェラルド・R・フォード | 1974 - 1977 | 左利き |
| ジミー・カーター | 1977 - 1981 | 右利き |
| ロナルド・レーガン | 1981 - 1989 | 両利き |
| ジョージ・H・W・ブッシュ | 1989 - 1993 | 左利き |
| ビル・クリントン | 1993 - 2001 | 左利き |
| ジョージ・W・ブッシュ | 2001 - 2009 | 右利き |
| バラク・オバマ | 2009 - 2017 | 左利き |
| ドナルド・トランプ | 2017 - (現職) | 右利き |
アメリカ合衆国大統領の利き手を、ここ数十年より以前の大統領に関しては確実に特定することは、極めて困難である。アメリカ合衆国が建国された18世紀から19世紀にかけて、左利きの人は障害者と見做され、教師は左利きの生徒に対してこれをやめさせるようにと努力したものであった[1][5]。こうした理由のため、20世紀初期より前の大統領に関しては、利き手を確実に決定できるような出典はほとんど存在していない。左利きであった最初の大統領はハーバート・フーヴァー(第31代)であったとされているが[6]、これには議論が存在する[2]。これより前に左利きの大統領がいたという証拠はないが、ジェームズ・ガーフィールド(第20代)は右手でラテン語を、そして左手で古代ギリシア語を同時に書くことができたと言われている[3]。ロナルド・レーガン(第40代)は左のほうが利き手として優勢と噂されたが、学校の教師や両親に強制的に右利きにされた[6]。しかし、このことを裏付ける証拠には信ぴょう性が薄い。もし事実であれば、レーガンは両利きであるということになる[2]。伝記作家デイヴィッド・ マカルーによれば、ハリー・S・トルーマン(第33代)も同じようなケースである[7]。
現在[編集]
2017年現在、直近の8人の大統領のうち5人が左利きである。トルーマンの時代まで戻れば、13人のうち5人(あるいは6人)である。1992年の大統領選挙では、有力候補であったジョージ・H・W・ブッシュ、ビル・クリントン、そしてロス・ペローの3人は全員左利きであった[2]。1996年の大統領選挙でも左利きに関係の深い候補が3人登場する。左利きのクリントンとペロー、そして第二次世界大戦中の怪我がもとで右手が麻痺してしまったことにより左手を使うようになったボブ・ドールである。付け加えて、2008年の大統領選挙における二大政党の候補者であったバラク・オバマとジョン・マケインの両方とも左利きである[2]。アメリカにおける左利きの人口比率は約10%でしかない[3]。にもかかわらず近年の大統領、大統領候補者に左利きの比率が高いように見えることについては、単なる偶然であるとする見方がある一方で、科学的な説明を考察する者も存在する。例えばカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で人類遺伝学が専門のダニエル・ゲシュビンド(Daniel Geschwind)が2008年に語ったところによれば、過去12人の大統領のうち6人が左利きであるということは統計的にも意義深いことであり、何かを暗示していると思われる[3]。
研究[編集]
利き手について研究するアマル・クラー (Amar Klar) によれば、左利きの人たちは広範囲に物を考え、多くのノーベル賞受賞者や作家、画家が左利きに偏っていると指摘する[6]。脳機能局在論によれば、左側の大脳半球は通常、言語を司るが、左利きの人の場合、この区分はそれほど明確になっていない[3]。左利きの人のうち7人に一人は、言語を脳の両方を使って処理しているが、一般的な(大部分は右利きの)人々の場合は20人に一人にすぎない。これはおそらく、言語と器用さの関係によるものである。脳内で言語に割り当てられる場所が増加することで、レーガン、クリントン、そしてオバマのようなコミュニケーション能力の高さを説明できる可能性がある。クラーは、両方の半球において言語を処理することで、左利き、そして両利きはさらなる複雑な論理的思考が可能になることを示唆している[6]。グェルフ大学の神経心理学者であるマイケル・ピーターズ(Michael Peters)は、左利きの人は右利きに適している世界でうまく暮らしていかなければならず、そのことがさらなる精神的な回復力を生むのではないかと指摘する[1]。
しかし、アメリカにおける傾向は他国では見られていない。イギリスでは戦後、左利きの首相はジェームズ・キャラハン[3]とデーヴィッド・キャメロン[8]の二人しかいない。ウィンストン・チャーチルが左利きであるとされることがあるが、実際にはそうではない[9]。またカナダでは、少なくとも1980年以降、左利きの首相はいない[1]。日本の最近の首相では、安倍晋三[10]や野田佳彦[11]、菅直人[12]は箸やフォークを右手で持っており、右利きと思われる。
参考文献[編集]
- ^ a b c d Chung, Andrew (2008年3月2日). “Odds are next U.S. president will be left-handed”. トロント・スター 2012年6月10日閲覧。
- ^ a b c d e Rotstein, Gary (2008年2月25日). “Another left-handed president? It's looking that way.”. ピッツバーグ・ポスト・ガゼット 2012年6月10日閲覧。
- ^ a b c d e f Pilkington, Ed (2008年10月24日). “Revealed: The leftist plot to control the White House”. ガーディアン 2012年6月9日閲覧。
- ^ McCullough, David (1993). Truman. Simon & Schuster. p. 47. ISBN 0671869205. "元々は左利きであったが、(教師らによって)右手を使うよう指導された。"
- ^ Macrae, Fiona (2008年10月24日). “As two lefties vie for the American presidency... why are so many U.S. premiers left-handed?”. デイリー・メール 2012年6月10日閲覧。
- ^ a b c d James, Susan Donaldson (2008年2月22日). “Four Out of Five Recent Presidents Are Southpaws”. ABCニュース 2012年6月10日閲覧。
- ^ McCullough, David (1992). Truman. New York; London: Simon & Schuster. pp. 43. ISBN 0-671-45654-7.
- ^ “Picture of Cameron signing”. Flickr 2012年6月9日閲覧。左手でペンを持っていることが確認できる。
- ^ Ed Wright, A Left-handed History of the World (2007) p.244
- ^ “函館市内。晩御飯は味噌ラーメン。とっても美味しい!”. 安倍晋三. 2016年12月11日閲覧。右手で箸を持っていることが確認できる。
- ^ “梅干しを試食する野田首相”. 時事ドットコム (時事通信). (2012年6月6日) 2012年6月9日閲覧。右手で箸を持っていることが確認できる。
- ^ “菅総理の動き 野菜農家視察”. 首相官邸ホームページ (2011年12月4日). 2012年6月9日閲覧。右手でフォークを持っていることが確認できる。
関連文献[編集]
- Michael Precker (1992年7月13日). “The three leading candidates for president have a characteristic in common: They're all southpaws”. ダラス・モーニングニュース
- Melissa Roth (2000年1月23日). “The Nation: Digital Revolution; Forget Left-Wing. Say Hello to Left-Handed Politics.”. ニューヨーク・タイムズ 2012年6月10日閲覧。
- Sam Wang and Sandra Aamodt (2008年7月6日). “A Vast Left-Handed Conspiracy”. ワシントン・ポスト: pp. B02 2012年6月10日閲覧。