アメリカンリーグ
| アメリカンリーグ | |
|---|---|
| 競技 | プロ野球 |
| 開始年 | 1901年1月28日 |
| 参加チーム | 15 |
| 国 | |
| 前回優勝 | トロント・ブルージェイズ(2025年、32年ぶり3回目) |
| 最多優勝 | ニューヨーク・ヤンキース(41回) |
アメリカンリーグ(英: American League、略称: AL)は、メジャーリーグベースボールを構成する2つのリーグの一つ。日本ではア・リーグと呼ぶこともある。正式名称は、アメリカン・リーグ・オブ・プロフェッショナル・ベースボール・クラブズ(英: American League of Professional Baseball Clubs)である[1]。
前身はナショナルリーグ傘下のマイナーリーグであったウェスタンリーグで、1900年1月29日に名称をアメリカンリーグに変更し、1年間マイナーリーグとしてリーグ戦を行った後に、翌1901年の年明けにメジャーリーグ宣言をして、この年から現在のナショナルとアメリカンの両リーグ体制がスタートした。
8チーム編成で1960年まで続いたが、1961年から10チームとなり、1969年には12チームに拡大して、東・西地区の2地区制がスタートし東西地区優勝チームのプレーオフ制度が導入された。その後1977年に14チーム編成となり、1994年に東・中・西の3地区制となって各地区優勝チームとそれ以外の最高勝率チーム(ワイルドカード)とで4チームでのリーグ優勝決定シリーズが始まった。
1998年にタンパベイ・デビルレイズが新規加入し、ミルウォーキー・ブルワーズがナショナルリーグ中地区に移籍している。2013年より、ナショナルリーグ中地区からヒューストン・アストロズがアメリカンリーグ西地区に移籍し、東・中・西地区各5チームの合計15チーム編成となる。
1973年以降は指名打者制を採用している(ナショナルリーグでは2020年暫定的に採用、2021年は不採用だったが、2022年から正式に採用)。2000年までは消灯ルール(現地時間未明1:00を過ぎた時点でその時点での攻撃中のイニングをもって打ち切り、次回の同一会場・同一カード開催日の試合前に続きを行う)も採用されていた。
所属チーム
[編集]所属チームの変遷
[編集]※太字は新加盟チーム
1900年(アメリカンリーグ発足時)
[編集]1885年2月に設立されたウェスタンリーグは、1888年から経営破綻と再建を繰り返していたが、1893年11月にバン・ジョンソンがリーグ会長に就任して以来発展期を迎えていた。一方、ナショナルリーグは1899年のシーズン終了後にルイビル・カーネルズがピッツバーグ・パイレーツに合併、ボルチモア・オリオールズ、クリーブランド・スパイダーズ、ワシントン・セネタースが解散し、12だった構成球団数が1900年からウェスタンリーグと同じ8に戻ることとなった。ナショナルリーグから脱落した球団の選手を積極的に吸収したウェスタンリーグは、1900年にアメリカンリーグと改称し、グランドラピッズ・プロディガルズが移転してクリーブランド・レイクショアーズと改称、セントポール・セインツが移転してシカゴ・ホワイトストッキングスと改称した。マイナーリーグとしては最初で最後のシーズンとなるこの年は、シカゴ・ホワイトストッキングスが優勝した。
- バッファロー・バイソンズ
- シカゴ・ホワイトストッキングス(現シカゴ・ホワイトソックス)
- クリーブランド・レイクショアーズ(現クリーブランド・ガーディアンズ)
- デトロイト・タイガース
- インディアナポリス・フージャーズ
- カンザスシティ・ブルース(現ミネソタ・ツインズ)
- ミルウォーキー・ブルワーズ(現ボルチモア・オリオールズ)
- ミネアポリス・ミラーズ
1901年(メジャーリーグ宣言後)
[編集]1900年はまだ五大湖地域のマイナーリーグに過ぎなかったアメリカンリーグは、東海岸進出を果たすべく、1900年のシーズン終了後にカンザスシティ・ブルースが移転してワシントン・セネタースと改称、バッファロー・バイソンズ、インディアナポリス・フージャーズ、ミネアポリス・ミラーズが解散するも、ボルチモア・オリオールズ、ボストン・アメリカンズ、フィラデルフィア・アスレチックスが新設され、1901年年明けにメジャーリーグ昇格を宣言した。
- ボルチモア・オリオールズ(現ニューヨーク・ヤンキース。現ボルチモア・オリオールズとは無関係)
- ボストン・アメリカンズ(現ボストン・レッドソックス)
- シカゴ・ホワイトストッキングス
- クリーブランド・ブルーバーズ
- デトロイト・タイガース
- フィラデルフィア・アスレチックス(現アスレチックス)
- ミルウォーキー・ブルワーズ
- ワシントン・セネタース
1902年 - 1949年
[編集]1902年
- ミルウォーキー・ブルワーズが移転、セントルイス・ブラウンズと改称
- クリーブランド・ブルーバーズがクリーブランド・ブロンコスと改称
1903年
- ボルチモア・オリオールズが移転、ニューヨーク・ハイランダーズと改称
- シカゴ・ホワイトストッキングスがシカゴ・ホワイトソックスと改称
- クリーブランド・ブロンコスがクリーブランド・ナップスと改称
1905年
- ワシントン・セネタースがワシントン・ナショナルズと改称するが、新聞などはセネタースの名を使い続けたため2つの名前が混在し、その後ナショナルズを略してナッツとも呼ばれて3つの名前が混在
1908年
- ボストン・アメリカンズは、ほかにさまざまな愛称があったが、この年にボストン・レッドソックスと改称
1913年
- ニューヨーク・ハイランダーズが本拠地球場の移転に伴い、ニューヨーク・ヤンキースと改称
1915年
- クリーブランド・ナップスがクリーブランド・インディアンスと改称
1950年 - 1999年
[編集]1954年
- セントルイス・ブラウンズが移転、ボルチモア・オリオールズと改称
1955年
- フィラデルフィア・アスレチックスが移転、カンザスシティ・アスレチックスと改称
1957年
- ワシントン・ナショナルズが正式にチーム名をワシントン・セネタースに戻す
1961年
- ワシントン・セネタースがミネソタ州ブルーミントンへ移転、ミネソタ・ツインズと改称
- 8球団から10球団への球団拡張(エクスパンション)が行われロサンゼルス・エンゼルスと前年までのワシントン・セネタースとは全く別組織の新ワシントン・セネタース(現テキサス・レンジャース)の2チームが加盟した。
1965年
- ロサンゼルス・エンゼルスがカリフォルニア・エンゼルスと改称
1968年
- カンザスシティ・アスレチックスが移転、オークランド・アスレチックスと改称
1969年
- 2球団拡張で12球団となり、シアトル・パイロッツ(現ミルウォーキー・ブルワーズ)とカンザスシティ・ロイヤルズが加盟した
- 球団数が増えたため東西2地区制が導入され以下の各6チームに振り分けられた
| 西地区 | 東地区 |
|---|---|
| カリフォルニア・エンゼルス | ボルチモア・オリオールズ |
| シカゴ・ホワイトソックス | ボストン・レッドソックス |
| カンザスシティ・ロイヤルズ | クリーブランド・インディアンス |
| ミネソタ・ツインズ | デトロイト・タイガース |
| オークランド・アスレチックス | ニューヨーク・ヤンキース |
| シアトル・パイロッツ | ワシントン・セネタース |
1970年
- シアトル・パイロッツが移転、ミルウォーキー・ブルワーズと改称
1972年
- ワシントン・セネタースが移転、テキサス・レンジャースと改称
- セネタースの移転に伴い、レンジャースが西地区にブルワーズが東地区に配置換えされた
1977年
- 2球団増えて14球団となりシアトル・マリナーズが西地区に、トロント・ブルージェイズが東地区に加盟
| 西地区 | 東地区 |
|---|---|
| カリフォルニア・エンゼルス | ボルチモア・オリオールズ |
| シカゴ・ホワイトソックス | ボストン・レッドソックス |
| カンザスシティ・ロイヤルズ | クリーブランド・インディアンス |
| ミネソタ・ツインズ | デトロイト・タイガース |
| オークランド・アスレチックス | ニューヨーク・ヤンキース |
| テキサス・レンジャーズ | ミルウォーキー・ブルワーズ |
| シアトル・マリナーズ | トロント・ブルージェイズ |
1994年
- 3地区制に移行し、以下の3地区に再編された
| 西地区 | 中地区 | 東地区 |
|---|---|---|
| カリフォルニア・エンゼルス | シカゴ・ホワイトソックス | ボルチモア・オリオールズ |
| オークランド・アスレチックス | クリーブランド・インディアンス | ボストン・レッドソックス |
| シアトル・マリナーズ | カンザスシティ・ロイヤルズ | デトロイト・タイガース |
| テキサス・レンジャース | ミルウォーキー・ブルワーズ | ニューヨーク・ヤンキース |
| ミネソタ・ツインズ | トロント・ブルージェイズ |
1997年
- カリフォルニア・エンゼルスがアナハイム・エンゼルスと改称
1998年
- 1球団拡張でタンパベイ・デビルレイズ(現タンパベイ・レイズ)が東地区に加盟
- 再編成が行われ、デトロイト・タイガースが中地区に移動、ミルウォーキー・ブルワーズがナショナルリーグに配置換えされた
| 西地区 | 中地区 | 東地区 |
|---|---|---|
| アナハイム・エンゼルス | シカゴ・ホワイトソックス | ボルチモア・オリオールズ |
| オークランド・アスレチックス | クリーブランド・インディアンス | ボストン・レッドソックス |
| シアトル・マリナーズ | デトロイト・タイガース(東地区から移動) | タンパベイ・デビルレイズ |
| テキサス・レンジャース | カンザスシティ・ロイヤルズ | ニューヨーク・ヤンキース |
| ミネソタ・ツインズ | トロント・ブルージェイズ |
2000年以降
[編集]2005年
- アナハイム・エンゼルスがロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムと改称
2008年
- タンパベイ・デビルレイズがタンパベイ・レイズと改称
2013年
- ヒューストン・アストロズがナショナルリーグ中地区からアメリカンリーグ西地区に編入
| 西地区 | 中地区 | 東地区 |
|---|---|---|
| ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム | シカゴ・ホワイトソックス | ボルチモア・オリオールズ |
| オークランド・アスレチックス | クリーブランド・インディアンス | ボストン・レッドソックス |
| シアトル・マリナーズ | カンザスシティ・ロイヤルズ | タンパベイ・レイズ |
| テキサス・レンジャース | デトロイト・タイガース | ニューヨーク・ヤンキース |
| ヒューストン・アストロズ(ナショナルリーグから移籍) | ミネソタ・ツインズ | トロント・ブルージェイズ |
2016年
- ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムがロサンゼルス・エンゼルスと改称
2022年
- クリーブランド・インディアンズがクリーブランド・ガーディアンズと改称
2025年
- オークランド・アスレチックスがアスレチックスと改称
球団別リーグ優勝回数
[編集]- 2024シーズン終了時点
| 球団 |
優勝 |
優勝年 |
|---|---|---|
| ニューヨーク・ヤンキース | 41回 | 1921、1922、1923、1926、1927、1928、1932、1936、1937、1938、1939、1941、1942、1943、1947、1949、1950、1951、1952、1953、1955、1956、1957、1958、1960、1961、1962、1963、1964、1976、1977、1978、1981、1996、1998、1999、2000、2001、2003、2009、2024 |
| アスレチックス | 15回 | 1902、1905、1910、1911、1913、1914、1929、1930、1931、1972、1973、1974、1988、1989、1990 |
| ボストン・レッドソックス | 14回 | 1903、1904、1912、1915、1916、1918、1946、1967、1975、1986、2004、2007、2013、2018 |
| デトロイト・タイガース | 11回 | 1907、1908、1909、1934、1935、1940、1945、1968、1984、2006、2012 |
| ボルチモア・オリオールズ | 7回 | 1944、1966、1969、1970、1971、1979、1983 |
| シカゴ・ホワイトソックス | 6回 | 1901、1906、1917、1919、1959、2005 |
| クリーブランド・ガーディアンズ | 6回 | 1920、1948、1954、1995、1997、2016 |
| ミネソタ・ツインズ | 6回 | 1924、1925、1933、1965、1987、1991 |
| カンザスシティ・ロイヤルズ | 4回 | 1980、1985、2014、2015 |
| ヒューストン・アストロズ | 4回 | 2017、2019、2021、2022 [注釈 1] |
| テキサス・レンジャーズ | 3回 | 2010、2011、2023 |
| トロント・ブルージェイズ | 3回 | 1992、1993、2025 |
| タンパベイ・レイズ | 2回 | 2008、2020 |
| ミルウォーキー・ブルワーズ | 1回 | 1982 |
| ロサンゼルス・エンゼルス | 1回 | 2002 |
| シアトル・マリナーズ | 0回 |
補注
[編集]注釈
[編集]出典
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