アビシニアコロブス
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アビシニアコロブス | |||||||||||||||||||||||||||
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![]() アビシニアコロブス Colobus guereza
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保全状況評価[1][2][3] | |||||||||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) ![]() | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Colobus guereza Ruppell, 1835[4] | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
アビシニアコロブス[4] | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Abyssinian colobus[4] Eastern black-and-white colobus[3] Guereza[3][4] Mantled guereza | |||||||||||||||||||||||||||
アビシニアコロブス (Colobus guereza) は、哺乳綱霊長目オナガザル科コロブス属に分類される霊長類。
分布[編集]
ウガンダ、エチオピア、ガボン、カメルーン、ケニア、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国北部、赤道ギニア、タンザニア、チャド、中央アフリカ共和国、ナイジェリア、南スーダン、ルワンダ[3]
模式産地はエチオピア。アビシニア(Abyssinian)はエチオピアの古称[4]。
外見[編集]
体長約45-70センチメートルに成長し、その尾は50-90センチの長さを持つ。体重は5.5-14.5キログラムである。体毛は艶やかな黒と白であり、顔面と臀部は白い毛で取り囲まれ、U字型をしたマント状の白い毛が体の側面と背面を覆っている。尾の末端には白い毛が生えている。幼獣は全身白色である。鼻の先端はほとんど口と接している。後足は木の間を飛び跳ねて枝伝いに飛び移るために長く伸び、発達した筋肉を持っている。胼胝(べんち)で硬くなった臀部により、苦痛を感じる事なしに長時間細い木の枝に座り続ける事ができる。
習性[編集]
昼行性かつ樹上性であり、低地と高地を含めた熱帯雨林や森林、樹木の生えた草原地帯の樹上で暮らしている(草原地帯では地上を移動する事もある)。二次林や河沿いで最も多く見られる。
時おり花や小枝、芽、種、若枝を食べる事もある。果物は食物の3分の1を占める。
群れと繁殖[編集]
群れは通常6-9匹から構成され、1匹以上の成獣の雄を含んでいる。群れの居住区域は約16万平方メートルである。その居住区域内に、他の群れにより追い出された際にも永住権が保障されている保護地区を持っている。群れ同士が偶然遭遇すると、仕草と声による示威行為が行われ、成獣の雄が夜を徹して行うコーラスにより、群れ同士の距離が保たれる。
受胎から出産までの期間は5ヶ月で、20ヶ月に1匹の割合で新しい子供が生まれる。生まれた幼獣は約4-6歳で完全に成熟する。人間に飼育された最高寿命は23歳である。
分類[編集]
以下の分類・分布はGroves(2007)に従う。
- Colobus guereza guereza
- エチオピア(大地溝帯より西側)
- Colobus guereza caudatus Thomas, 1885
- タンザニア
- Colobus guereza dodingae Matschie, 1913
- スーダン南東部
- Colobus guereza gallarum Neumann, 1902
- エチオピア(大地溝帯より東側)
- Colobus guereza kikuyuensis Lonnberg, 1912
- ケニア(大地溝帯より東側)
- Colobus guereza matschiei Neumann, 1899
- ケニア(大地溝帯より西側)
- Colobus guereza occidentalis (Rochebrune, 1887)
- ウガンダ(ナイル川以西)・スーダン南西部からナイジェリア・コンゴ民主共和国にかけて
- Colobus guereza percivali Heller, 1913
- ケニア(Matthews Range)
人間との関係[編集]
guerezaはエチオピアでの呼称に由来し、コロブス属(シロクロコロブス類)やコロブス亜科全体を指す呼称として用いられることもあった[4]。
分布域が広域で生息数が多く、絶滅のおそれは低いと考えられている[3]。一方で森林伐採や農地開発による生息地の破壊、毛皮用の狩猟などによる影響が懸念されている[3]。1977年に霊長目単位でワシントン附属書IIに掲載されている[2]。
その他[編集]
天敵として チンパンジー、ヒョウ、大型猛禽類、アフリカニシキヘビがいる。
出典[編集]
- ^ Appendices I, II and III<https://cites.org/eng> (Retrived 15/08/2018)
- ^ a b UNEP (2018). Colobus guereza. The Species+ Website. Nairobi, Kenya. Compiled by UNEP-WCMC, Cambridge, UK. Available at: www.speciesplus.net. (Retrived 15/08/2018)
- ^ a b c d e f Kingdon, J., Struhsaker, T., Oates, J.F., Hart, J. & Groves, C.P. 2008. Colobus guereza. The IUCN Red List of Threatened Species 2008: e.T5143A11116447. doi:10.2305/IUCN.UK.2008.RLTS.T5143A11116447.en. Downloaded on 15 August 2018.
- ^ a b c d e f 岩本光雄「サルの分類名(その3:コロブスモンキー、ラングールなど)」『霊長類研究』第3巻 1号、日本霊長類学会、1987年、59-67頁。
- ^ 特定動物リスト (動物の愛護と適切な管理) (環境省・2018年8月15日に利用)