アバルト・124スパイダー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
アバルト・124スパイダー
NF2EK型
ABARTH 124 SPIDER (CBA-NF2EK) (3).jpg
ABARTH 124 SPIDER (CBA-NF2EK) (4).jpg
製造国 日本の旗 日本
販売期間 2016年 -
ボディタイプ 2ドアコンバーチブル
エンジン 1.4L 直列4気筒 マルチエア 16バルブ インタークーラー付ターボ
駆動方式 FR
変速機 6速MT・6速AT
全長 4,054mm
全幅 1,740mm
全高 1,233mm
ホイールベース 2,310mm
車両重量 1,130kg(6速MT)
1,150kg(6速AT)
ベース マツダ・ロードスター
OEM フィアット・124スパイダー
-自動車のスペック表-

アバルト・124スパイダー(ABARTH 124 Spider)とは、マツダとの技術協力協定によって同社のロードスターをベースとして作られた2ドアオープンカーである。元はフィアットの車であるが、それをチューンアップしてアバルトのブランドで販売。尚、仕向け地にかかわらず全ての仕様は広島県のマツダ宇品第1(U1)工場で製造されるが、日本向けはフィアット仕様を販売せずアバルト仕様のみが販売され、日本政府(国土交通省)の自動車型式認証においてはマツダを製造事業者とする国産車として取り扱われる(車台番号が17桁の車両識別番号ではなく、型式記号ー製造番号という国産車と同じ表記になる)。

同車は「2016-2017日本カー・オブ・ザ・イヤー10ベストカー」を受賞した。これは、ベースとなるND型ロードスターが「2015-2016日本カー・オブ・ザ・イヤー」や「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞したことが影響している。

概要[編集]

2013年1月、フィアットとマツダが提携に合意。当時は2015年からロードスターをベースとした後輪駆動の2シーターオープンカーをフィアット傘下であるアルファロメオ向けに供給するという内容であった。この提携の背景には、マツダ側は本社工場の生産効率を高め、フィアット側は商品力を高めてアルファロメオの世界販売台数を増やす目標があった[1]

2015年11月18日、ロサンゼルスオートショー2015にて「124スパイダー」の名で世界初公開。基本骨格や基本インテリアをロードスターと共用するも、前後意匠を初代124スパイダーをオマージュした造形とし、パッと見は全くの別車種である。また、エンジンはマツダ製SKYACTIV-Gに代わって、フィアット製1.4Lマルチエアを搭載。但し、提携当初に予定されていたアルファロメオブランドではなく、フィアットブランドでの登場となった[2]

2016年2月、ジュネーブモーターショー2016にて、アバルト版である「アバルト124スパイダー」を世界初公開。「124スパイダー」をさらにチューンし、ブレンボ製ブレーキ、ビルシュタイン製ダンパー、レコルト・モンツァのマフラー、トルクセンシング式LSDなど装備する[3]


ラリー仕様[編集]

FIA R-GTカテゴリーで公認された124のラリーバージョンが存在し、レッドゾーン6,500 rpmで300 ps(221 kW; 296 hp)の1.8リッターターボエンジンを搭載している。

124アバルトR-GT
(ラリー仕様)

ND系ロードスターとの違い[編集]

同車は4代目ロードスターをベースとしているが、全体的に差別化されている。

また、日本国内仕様において4代目ロードスターの型式が「ND#RC」(ソフトトップ車とRFで共通。#部は搭載エンジンによって異なり、1.5L(P5-VP/P5-VPR)車は「5」、2L(PE-VPR)車は「E」)となるのに対し、124スパイダーは「NF2EK」となっている。

メカニズム[編集]

  • LSDについて、ロードスターではマニュアル車にのみトルクセンシング式スーパーLSDを装備(ただし国内仕様においてはソフトトップ車の「S」を除く)するのに対し、124スパイダーではオートマチック車を含む全車にトルクセンシング式LSDを装備する。

エクステリア[編集]

  • ロードスターではフロントもリアもグッと絞り込んでいるが、アバルト124スパイダーではしっかり盛り込まれたデザインになっている[4]
  • 全長は124スパイダーが139mm長く、トランク容量も約8.5L大きい。
  • ロードスターのトランクオープナースイッチは、トランクリッドとリアバンパーが繋がったデザインになっているためバンパー下部にあるが、124スパイダーはバンパー上部にある。
  • ロードスターの日本仕様はリアフォグランプを装備しない(オプションとしても設定しない)のに対し、124スパイダーでは日本仕様にもリアフォグランプを装備する。また、リアフォグランプの装着位置はロードスター(リアフォグランプ非装備の地域(日本、北米、オーストラリア及びニュージーランドなど)を除く)のリアバンパー下端にある後退灯(仕向地によって左右どちらかの後退灯と入れ替える)位置に対し、124スパイダーはリアバンパー下部中央となる。

インテリア[編集]

インテリアはほとんど同一だが、わずかな違いがある。

  • ステアリングセンターのマツダCIの部分をアバルトのマークに変更し、ステアリング自体もステアリングのセンターを示すために上部中央だけ赤い革に変更されている。また、センターアームレスト表皮にサソリのマークも入る。
  • ロードスターのS leather packageは合皮部分がアルカンターラになっている。
  • スピードメーターはロードスターが200kmまで表示されているのに対し、124スパイダーは270kmまで表示されている。
  • また、124スパイダーではドア内側が使いやすい形状に変更され、シフトノブの形状も変更された。但し、日本仕様におけるワイパーレバーとターンシグナルレバーの位置は日本国内向けロードスターと同じである。
  • ロードスターではオートマチック車にのみ変速制御を切り替えるドライブセレクションスイッチをシフトレバー周辺に配置するのに対して、124スパイダーではマニュアル車にも同位置に特性切り替えスイッチを装備するが、124スパイダーではトランスミッションの制御ではなくエンジンの制御を切り替えるSPORTスイッチとして動作する。

カーナビゲーションシステム及びインフォテインメントシステム[編集]

どちらもマツダコネクトを取り入れているが(フィアット名は「FIAT CONNECT 7.0」)、ロードスターは始動時にマツダのロゴが表示されることに対し、124スパイダーでは始動時にアバルトのロゴが表示される。

トランスミッション[編集]

ベースモデル(フィアット・124スパイダー)との違い[編集]

アバルトはもともとフィアット車のカスタマイズ版として発売されており、124スパイダーにおいてもフィアットのモデルをチューンアップしている。

  • アバルト仕様ではベースモデルの160馬力から10馬力高い170馬力を発生させている。なお、このエンジンはフィアット向け共々イタリアからの輸入でマツダに納入され、マツダ本社工場の生産ラインで車両に組み付けられる。
  • サスペンションは固めのスポーツ仕様になり、ブレーキも出力の向上に合わせてフロントがブレンボ製に強化されるとともに、LSDを装備している[5]

脚注[編集]

[ヘルプ]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]