アッコちゃんの時代

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アッコちゃんの時代』は、2007年12月に 新潮社 から出版された 林真理子の小説である。林が好むバブル時代がメインテーマになっており、『不機嫌な果実』、『ロストワールド』に続くバブル三部作とも言われている。また、脚色はされているが、事実を基にストーリーを膨らませて書かれている。

あらすじ[編集]

1980年代、北原厚子は六本木に集まる金持ちに言い寄られる女子大生だった。世の中はバブル経済が始まり、東京では不動産の高騰、株価の上昇などで様々な成金が金に糸目をつけず遊び、後先を考えない厚子は彼らに寵愛され「アッコちゃん」、「アッコ」と呼ばれる有名人となる。

ある日、短大(専攻科)の先輩の母親で銀座のママの邦子とそれを愛人にする「地上げの帝王」と呼ばれる早川と知り合う。早川は次第に強引に熱心に厚子を口説き、その真剣さが面白くなった厚子は彼を受け入れる。「銀座のママから地上げの帝王を奪った女子大生」として週刊誌に載り、2号として一躍有名になって学校を辞めてしまう。だが次第に早川は凋落していき、厚子は再び六本木で遊ぶようになる。

お次の相手は飯倉の伝説的なレストラン・「キャンティ」の御曹司で音楽プロデューサーの五十嵐。豪華な貢ぎ物に目がくらみ1年間だけと言い切りつきあいだすが、五十嵐の正妻で人気女優の片倉ミキにばれてしまう。それでも2人はパリ・ミラノへ旅行する。そこで厚子は高級ホテルに泊まり、リムジンに乗り、自家用ジェットに乗り、ブランドの服を買ってもらい、ヨーロッパにあふれる日本人を見るなど、バブルならではの贅沢を満喫する。

交際から1年が過ぎ、厚子は五十嵐と別れて、学生時代からのボーイフレンドでエリートの高志とよりを戻そうとするが、五十嵐の強引さに負けて高志と引き離され、五十嵐の子供を身ごもってしまう。妊娠してからは公然と五十嵐と高級マンションに住むようになり、再びバブルの真骨頂で生活を満喫する。再び週刊誌やワイドショーで「あのアッコちゃんが女優片倉ミキの夫の子を妊娠」と騒がれ、片倉ミキは五十嵐と離婚する。

とうとう五十嵐を略奪結婚し、長男・俊太を出産した厚子だが、次第に五十嵐は新しい愛人との仲を深め、厚子は別居して実家に住む。やがてバブルは完全に崩壊し、早川は死に、友人の奈美は前から付き合っていたミュージシャンと結婚するが、若者のカリスマと呼ばれて人気ミュージシャンとなった彼は死亡する。五十嵐とは離婚せずにいたが、厚子は再び六本木で遊ぶようになり、IT長者の堀内の愛人になる。

登場人物のモデル[編集]

  • 五十嵐厚子(旧姓北原) - 川添明子(旧姓小出)。大学の先輩が銀座のクラブママ・安達洋子の娘だったことから地上げ屋の早坂太吉と知り合う
  • 奈美 アッコの親友で売れない歌手と付き合う女子大生 - 尾崎繁美尾崎豊の妻)、だが 実際に二人が知り合った時は既に尾崎豊は売れていた
  • 地上げの帝王・早川 - 最上恒産社長、早坂太吉
  • 銀座のクラブのママ・井上邦子 - 銀座のクラブ「モンシャトー」のママ、安達洋子。早坂の元愛人。著書に『冬の花火』。
  • 五十嵐英雄(飯倉キャンティ御曹司) - 川添象郎
  • 片倉ミキ(女優で五十嵐の妻。本名・五十嵐房子) - 風吹ジュン

実在のままの名で出てくる登場人物[編集]

  • 松任谷由実(ユーミン) - 厚子がユーミンの大ファンなので五十嵐がキャンティで引き合わせた。
  • 荻野目慶子 - キャンティでたまに会う程度だった友人として。
  • 小林麻美 - 時代のミューズと呼ばれた伝説のモデル。
  • 三浦和義 - 青山や六本木で遊んでいる人なら必ずどこかで三浦と結びつき、三浦と少しでも関係があったことを自慢するという。
  • 堀江貴文(ホリエモン) - 時が流れ、平成に入ってから一躍「IT長者」として有名になった、実業家。主人公たちの会話で、登場する。
  • 三木谷浩史(ミキタニ) - ホリエモン(前述)と同時期に、IT長者として有名に。

象徴的に出てくる実在の高級店や高級品[編集]

  • 飯倉キャンティ - バブル当時、多数の芸能人や実業家が集まったイタリアンレストラン。現在も存在する。
  • アズディン・アライア - ボディコンと呼ばれるタイトドレスの代表的高級ブランドでスタイルの良い女性がこぞって着た。
  • ホテルオークラ - 現在でも営業している、高級ホテルグループ
  • ジュリアナ東京 - バブル期に人気を博していた、高級ディスコ。テレビ番組にもたびたび登場していたが、現在は閉店。