アスピーデ (ミサイル)

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アスピーデ
種類 中距離地対空ミサイル/空対空ミサイル
原開発国 イタリアの旗 イタリア
開発史
製造業者 アレーニア
MBDA
製造期間 1973-
諸元
重量 220kg
全長 3.72m
直径 234mm
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アスピーデ(Aspide)は、イタリアのシレニア社が開発したセミアクティブ・レーダー・ホーミング誘導の中距離地対空(SAM)/空対空ミサイル(AAM)。Aspideとはアスプクサリヘビなどの毒蛇を指す通称である。

概要[編集]

アスピーデはスパロー(AIM-7E-2)を基に、イタリア国産のロケットモーター、Iバンドのモノパルス方式シーカー、独自の弾頭を搭載し、翼形状も変更してSAMとAAMで共通化するなどした発展型である。

2022年ロシアのウクライナ侵攻時、西側諸国はウクライナの求めに応じて幅広い武器供与を実施。同年11月7日、ウクライナの国防相はアスピーデなどを受領したことを発表した[1]

派出型[編集]

アスピーデMk2
誘導方式をアクティブ・レーダー・ホーミングにした改良型、開発中止になった。
アスピーデ2000
防空用に本体を大型化して射程を延伸した改良型。
アスピーデの艦載型“アルバトロス”を発射するベネズエラ海軍のフリゲート
アルバトロス
アスピーデを使用した艦対空ミサイル(SAM)システム。発射機は4連装と8連装箱型、トルコ海軍バルバロス級フリゲートに装備されたVLS型がある。
スパダ(アラミスとも)
陸上防空用の車載SAMシステム。発射機は6連装であり、ミサイルにはアスピーデMk1かアスピーデ2000を選択できる。2022年ロシアのウクライナ侵攻を受けスペインが供与。
スカイガード
エリコンラインメタル)製35mm機関砲を用いた防空システムであるが、アスピーデ発射機を追加可能である。同様にスカイシールド・システムにも追加可能とされる。

性能諸元[編集]

アスピーデ
※空対空型
アスピーデ2000
※空対空型
全長 3.7 m 3.89 m
直径 0.20 m
翼幅 1.00 m 0.64 m
エンジン 固体燃料ロケット
速度 マッハ2.5 マッハ3.0
重量 220 kg 241 kg
弾頭 高性能炸薬 (35kg)
誘導 セミアクティブ・レーダー・ホーミング
射程 50,000m 100,000m

脚注[編集]

  1. ^ ウクライナ国防相、西側の防空システム到着を歓迎”. AFP (2022年11月7日). 2022年11月17日閲覧。

外部リンク[編集]