アオドウガネ
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アオドウガネ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Anomala albopilosa (Hope, 1839) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
アオドウガネ |
アオドウガネ(青銅鉦、Anomala albopilosa)は、甲虫目コガネムシ科の草食昆虫。
特徴[編集]
体長約 17 - 26mm[1]。成虫の体型はずんぐりと丸く、前胸背板輪廓の両端は角張らない。体色は、艶が弱いが鮮やかな緑色の金属光沢を示す。琉球語(沖縄方言)ではクスブンと呼ばれる[2]。
分布[編集]
日本では本州の中部地方以西、四国、九州、南西諸島等に分布する[3]とされるが、分布域は北上する傾向にあり、関東地方でも生息数が増加している[4]。最近では在来種であるドウガネブイブイを駆逐し、関東以南では最も普通に見られる中型コガネムシになっている。
生態[編集]
夜行性で、灯火によく飛来する[2]。昼間は葉の裏などで休む。
成虫は5-10月にわたって出現、活動する。沖縄県の先島諸島では5-8月に、沖縄本島では5-8月に成虫が出現する[1]。メスは夏から秋にかけて土中に産卵し、幼虫は樹木や草の根、腐葉土を食べて成長し、翌年春に蛹化、羽化する。
飼育[編集]
自然環境下では植物の葉などを食べるが、飼育はリンゴやメロン、ブルーベリーなどの果物のほか、カブトムシ用の昆虫ゼリーなどでも行える。
被害[編集]
成虫は各種広葉樹の葉を食害し、ドウガネブイブイと同じく農作物を食害する害虫として知られる。沖縄県では、テリハクサトベラ、ヤエヤマコクタン(リュウキュウコクタン)、ヤエヤマアオキ(ノニ)、ミフクラギ(オキナワキョウチクトウ)、レイシ、テリハノブドウ等の葉を集団で摂食する[1]。
また、幼虫は土中でサトウキビの地下部を食害し、枯死に至らせる[1][2][5]。このため、サトウキビの主要産地のひとつである沖縄県宮古島では、2006年からブラックライトを用いた誘殺灯を設置して成虫の駆除を行っている[6]。2010年には設置した誘殺灯が固定式誘殺灯約500基、可動式誘殺灯約1,700基の合計2,200基に及び、誘殺灯による防除の結果、生息数に比例する捕獲数が毎年減少していた[3][7][8]が、その後は破損等により設置台数が減少し、2017年度頃から発生が増加傾向にある[6]。
脚注[編集]
- ^ a b c d “平成27年度・技術情報第2号 さとうきびにおけるアオドウガネの防除対策について” (PDF). 沖縄県病害虫防除技術センター (2015年8月27日). 2018年6月22日閲覧。
- ^ a b c “アオドウガネ”. 最新版 沖縄コンパクト事典. 琉球新報社 (2003年3月1日). 2018年6月22日閲覧。
- ^ a b 新垣則雄「さとうきびを加害する土壌害虫の生態とその防除法」(PDF)『特産種苗』第12号、日本特産農作物種苗協会、2011年11月、113-117頁、2018年6月22日閲覧。
- ^ 中野敬一「東京都港区におけるアオドウガネ成虫の発生状況 第4報 -近年の発生数と各種食餌植物の適合性について-」『環動昆』第26巻第2号、日本環境動物昆虫学会、2015年、55-61頁、doi:10.11257/jjeez.26.55、2018年6月22日閲覧。
- ^ “さとうきびの主要な虫害”. 独立行政法人農畜産業振興機構 (2013年10月31日). 2018年6月22日閲覧。
- ^ a b “誘殺灯台数が大幅減/アオドウガネ増加要因 破損で1300基から816基”. 宮古毎日新聞. (2018年6月22日)
- ^ “今年458万匹捕獲/アオドウガネ 前年比43万匹の減/今年5~7月”. 宮古毎日新聞. (2011年11月20日)
- ^ “アオドウガネ捕獲数242万匹 誘殺灯の効果顕著/5年前に比べ3割減”. 宮古毎日新聞. (2013年11月20日)