アウディ・R15 TDI

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アウディ・R15から転送)
アウディ・R15 TDI
コンストラクター アウディ
先代 アウディ・R10 TDI
後継 アウディ・R18 TDI
主要諸元[1]
シャシー カーボンファイバー モノコック
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン, トーションバー セパレート ダンパー, アンチロールバー
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン, トーションバー セパレート ダンパー, アンチロールバー
全長 4,650 mm
全幅 2,000 mm
全高 1,030 mm
エンジン アウディ TDI 5.5リッター V10 ディーゼル ターボ ミッドシップ, 縦置き
トランスミッション X-TRAC製 5速 シーケンシャル・マニュアル
重量 appr. 900 kg (1,984 lb)
燃料 シェル V-パワー・ディーゼル
タイヤ ミシュラン
主要成績
チーム ドイツの旗 アウディ・スポーツ・チーム・ヨースト
ドライバー
コンストラクターズタイトル 0
ドライバーズタイトル 0
初戦 2009年のセブリング12時間レース
出走優勝ポールFラップ
10312
テンプレートを表示

アウディ・R15 TDIとは、アウディル・マン24時間耐久レースへ参戦するため、アウディ・R10 TDIの後継として開発したプロトタイプレーシングカーである。R10と比較し「第2世代」ディーゼルレーシングカーとアウディは呼んでいる。

概要[編集]

改良型のアウディ・R15プラス 2010年ル・マンにて

2009年3月19日中央ヨーロッパ時間)に発表され、同年のアメリカン・ル・マン・シリーズ (ALMS) の開幕戦セブリング12時間レースでデビューした。

R15 TDIのエンジンは新設計のV10ディーゼルエンジンで、1,050 Nmのトルクと600 ps以上の最高出力を発生する。前モデルR10V12エンジンと比べてコンパクトで軽量に仕上がっている。

従来の風洞実験に加え、コンピュータ流体力学 (CFD) を駆使して開発されたハイノーズのボディは、従来のローノーズのスタイルから一新された。リヤウイングもスワンネック(吊り下げ式)に変更され、多くの新しいアプローチが取られた。また、R10と同様、5速セミ・オートマチックを採用している。

2010年には進化型のR15プラスを投入。前年度からレギュレーションが変更されたことにより、ディーゼルエンジン搭載車のリストリクターが小径化され、出力が低下した。パワー不足を補うためフロントノーズの形状を変更、分割型にするなどフロント回りを中心に、空力面のブラッシュアップが施された。

ル・マン24時間レースでの戦績[編集]

2010年ル・マン、R15の1-3フィニッシュの様子

デビュー年の2009年は予選最高位は2位。決勝ではライバルで同様にディーゼルエンジンを採用するプジョー・908 HDi FAPの後塵を拝し3位となった。

2010年には予選でプジョー・908 HDi FAPが上位4台を独占するなどラップタイムで上回ることは出来なかったが、決勝では安定感を武器に逆転し上位3台を独占。総周回数397周(歴代1位タイ)、総走行距離5410.71 km(歴代1位)という成績を残し王座を奪回した。

R15のル・マン24時間レースにおけるワークスとしての活動は2010年限りで終了し、わずか2年の活躍であった。2011年にはクローズド・ボディの新型アウディ・R18 TDIを投入した。

脚注[編集]

  1. ^ 大内明彦「UPDATE––AUDI 11戦8勝のアウディ、ル・マンでの足跡」『Racing on Archives』第2巻、三栄書房、2010年、149頁。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]